マイケルに二人きりで…点滴!? 往診のスーパーサプライズ|患者さまは外国人【11】

「インターナショナルクリニック」の看護師で「エスコートナース」でもある山本ルミが、患者さまとのドタバタな日常をお届けします!



私が"往診"を知ったのは、インターナショナルクリニックで働き始めてからでした。


今でも医者が往診で患者を診るのが珍しくない国もあるようですが、日本ではいわゆる"町医者"みたいなクリニックが激減したせいか、なかなか自宅まで来てくれる医者は少ないのが現状のようです。
 

最後まで往診を続けたドクター

 

患者さんのためにやめなかった往診

六本木の町医者だったドクター・アクセノフは、この古いしきたりを患者さんのためにと最後までやめませんでした。


冬の風邪やインフルエンザの流行時期は、特にその頻度が増えます。往診は基本的にクリニックに患者がいない時に行うので、早朝、昼休み、診療終了後の夕方、真夜中ということになります。


横浜やディズニーランドのホテルまで行ったこともありますが、クリニックの往診の行き先の90%は、都内のホテルでした。後の10%は自宅で、もちろんほとんどが外国人です。


往診の必需品は黒の往診バッグです。中には血圧計、体温計パルスオキシメーター聴診器鏡などの基本的な医療器具、検尿や採血用のスピッツ、インフルエンザ検査キットも入れていて、薬も点滴セット、注射薬、内服薬、坐薬、軟膏、湿布、それに消毒薬に包帯、縫合セットなどなど。


私はその重い往診バッグを持って、白衣にキャップ姿という"The Nurse"のいでたちでドクターの後ろをついて回っていました。ドクターはよく、「知らない人が見たらDr.とNs.じゃなくて、看護師さんと病気の年寄りに見えるんだろうな」と笑っていました。


診療道具や薬が入った大切な往診バッグ

 

事前のヒアリングが大切!

患者さんのほとんどは仕事や旅行で日本を訪れている人達なので、ホテルの部屋で診察したらすぐ治療が始められるよう、訪ねる前に必ず電話で患者さんの状態や薬のアレルギーといったことを、情報収集してから往診に行くようにしていました。

 

そうすることで「薬がないからクリニックまで取りに帰る」といった事態を防ぐだけでなく、「往診して治療できるレベルではない」と判断した場合、救急車を呼んで救急病院に搬送することも迅速に出来るからです。

 

私が往診を好きだった真の理由とは……

「華やかなホテルに行くと気分転換にもなるし、時間があればおいしい食事を食べて帰れる。支払いも確実だし」と、ドクターはホテルの往診が大好きでした。

 

私ももちろん往診は大好き。しかし一番魅力的だったのは食事ではなく……


往診では、ホテルの部屋のドアを開けたら「ブラット・ピット!」「エリック・クラプトン!」「ぺ・ヨンジュン!といったスーパーサプライズに合うことがあるから

 

看護師になって本当によかった!

マイケル・ジャクソンもその中のひとりです。彼はいつも同じホテルの同じスイートルームに宿泊していました。

 

初めて往診した日に点滴をしたのですが、点滴をかけるところがなく、何かないかと探しているとマイケルが「これはどう?」と、自分の寝室からスタンドランプを持ってきました。その日はそれに点滴を縛りつけて、何とか点滴を終えました。

 

次の日も「コンサートの前に同じ点滴をしてほしい」とドクターの自宅に電話があり、私がひとりで向かうことになりました。部屋を訪ねると、「Good morning!」と出てきたのはパジャマ姿のセクシーなマイケル。


私は、点滴が終わるまで、高級ホテルのスイートルームで、あ、あのスーパースター、マイケル・ジャクソンと二人っきりだったんです!!!!(今でも信じられないですが事実です!)


この時以上に「看護師になって良かった! 英語を勉強して良かった!」と心の底から感じた事はありません(笑)
 

マイケルと部屋で二人きりだったことが今でも夢みたい!

 

マイケルのアイディアを採用

この"点滴時に電気スタンドを点滴台代わりにする"というアイディアは、ずーっと使わせていただきました。

 

患者さんに「これはマイケル・ジャクソンのアイディアなんですよ」と説明すると、高熱があっても「え! そうなの? マイケルの話聞かせて!」と会話が盛り上がりました。

 

ホテルの往診ではたくさんの有名人に出会いました。都内の有名高級ホテルには泊まったことはあまりありませんが、ほとんどのホテルの部屋に入ったことがあります。それは私の小さな自慢です。


お金を貯めて、いつか私もマイケルの泊まったスイートに泊まりたいな~と夢みています。


【山本ルミ】看護師・エスコートナース
大分県出身。93年より六本木のインターナショナルクリニックに勤務。98年よりエスコートナースとしても活躍している。著書に『患者さまは外国人』(山本ルミ・原案 世鳥アスカ・漫画)など。

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