ドラマみたいな本当の話。ターミナルの入院患者は実の父親だった

赤ちゃんのころにいなくなった父親。その父親が終末期の患者として看護師となった娘のもとに現れ、偶然の再会を果たします。そんな、ドラマのような出来事が実際にアメリカで起こりました。

今までの時間を取り戻すかのように、父親に寄り添うことを決意した看護師の話をここに紹介しましょう。

 

ドラマみたいな本当の話。ターミナルの入院患者は実の父親だった

 

父の家出、再会したときはすでに終末期

娘のワンダさんの誕生後まもなく、父のビクター・ペラザさんが家族のもとを離れていったのは、1969年。その後音信不通となります。

 

時がたち、3人の子どもの母になったワンダさんは、ニューヨーク州ブロンクスの病院で、ホスピスの看護師として働いていました。

 

あるとき、医師から入院してきた患者さんの名前を聞いて耳を疑います。

病室まで駆けつけると目の前にいるのは、末期がんで横になっている自分にそっくりな患者さん。なんと41年前に生き別れた実の父親だったのです。

 

 

ワンダさんは「子どもはいる?」と彼に尋ねました。

すると、彼は「娘が2人、ジーナとワンダ」と答えました。

 

ワンダさんは涙が止まりません。ようやく会えた父親から自分の名前が出たのです。

なんらかの理由があって離れていった父が自分の名前を覚えている……

 

ワンダさんは自分がそのワンダだと彼に伝えました。思いがけず自分の働くホスピスで、ついに父親と再会することができたのです。

 

しかし、これは同時にワンダさんにとってつらい現実でした。末期がんとして入院してきた父親を看取ることは、再度の別れを意味していました。

 

怒りではなく、許しを

ワンダさんに与えられた選択肢は2つ。

自分や家族を残していった父親に対して怒り、責め続けるか。残された時間を家族として愛し、愛され過ごすか。

 

ワンダさんは迷うことなく後者を選択し、看護師として、娘として最期のその時までともに過ごすことを決めます。

ホスピスで働いていたため、ようやく会えた父親がその後どのような経過をたどるかはわかっていました。身体的に衰えていく父を目の当たりにし、ワンダさんは日々見守っていく決断をします。

 

父親のいなくなった過去は消せません。ですが、41年の時を経てそれをすべて許し、和解したあとは、ワンダさんは自分の3人の子どもを父親と会わせることができ、病室には家族の写真が飾られました。そして、父であるビクターさんは最期を家族に見守られながら過ごせることになったのです。

 

看護師が家族を看取るということ

看護師として、ホスピスで患者さんを看取ることは、人の生きざまを目の当たりにするということです。

 

ワンダさんもたくさんの患者さんやその家族と触れ合ってきました。そのようななか、今回のように自分の働くホスピスで父親と偶然の再会をし、最期を看取ることになるとは、だれが想像できたでしょう。医療者でもあり、患者の家族でもあることから、複雑な気持ちを抱えることもあったのではないでしょうか。

 

しかし、結果的に残されたときを最期まで惜しむように過ごせたのは、今まで看護師として培ってきたワンダさんの人柄ゆえだったかもしれません。限られた時間だからこそ私たちは人を許し、慈しみ、お互いを大切にできるのでしょう。

 

(文)バックレー麻友香

(参考)

This nurse was shocked to discover her dying patient is long lost dad.

Nurse discovers terminal patient is her long lost father

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