同性婚カップルの子どもを診療拒否するのは違法?LGBTと医療倫理

アメリカのミシガン州で、女性同士のカップルが、生まれたばかりの赤ちゃんの診察を医師に拒否されました。

医療倫理について考えさせられる、このニュースの詳細をお伝えします。

 

 

ママになったばかりの2人に起きた、つらい出来事

クリスタ・コントレラスさんとジェイミー・コントレラスさんは、ともに女性。2人は2012年に結婚し、2014年に待望の赤ちゃん、ベイちゃんを授かりました。

家族が3人になり、幸せに包まれていたのもつかの間、2人のママは思いもよらない場所で、厳しい現実に直面することになったのです。

 

同性婚カップルの子どもを診療拒否するのは違法?LGBTと医療倫理

 

出産の1ヶ月ほど前、2人は助産師の紹介で小児科医ベスナ・ロイさんの診察を受けました。

2人とも、フレンドリーで正直な印象のロイ医師を、とても気に入ったそう。

 

そして「赤ちゃんが生まれたら受診してください」というロイ医師の言葉どおり、2人は自宅出産から数日後ベイちゃんを連れて病院へ。

すると彼女らを出迎えたのは、知らない医師でした。

 

ロイ医師に代わって診察を担当します、というカラム医師は続けて2人に告げました。

 

ロイ医師は、「自分にはベイちゃんのお世話はできない」と判断したこと。

また、コントレラス一家に会いたくないからと、今日は病院に来ていないこと。

 

 

クリスタさんとジェイミーさんはショックを受け、傷つき、怒りを覚えました。

 

「こういうことは世界中で起きていて、自分たちもどこかで経験するのだという心の準備はできていました。でもまさか、生後6日目の検診で起こるとは思っていなかったんです」

 

 

数ヶ月後に届いた、医師からの手紙

彼女たちはこの経験をソーシャルメディアで共有しました。これが徐々に人々の関心を集めたこともあり、診察から約4ヶ月後、ロイ医師から2人に手紙が届いたのです。

 

手紙にはこう記されていました。

 

「普段私が医師として患者と築いているような人間関係を、あなた方とは築けないだろうと感じました」

 

また、診察当日姿を見せなかったことについて、

「おふたりはあのとき、幸せで希望に満ちていたと思います。そこへ私が現れて、私の決断をお話ししたら、おふたりの幸せを奪ってしまうと思ったのです。そのような思い込みをせずに、直接お話しするべきでした。お詫びします」

 

 

この診療拒否は「違法」か

ここで疑問が浮かびます。

ロイ医師のとった行為は、法的に許されるのか?

また、倫理的に間違っていないのか?

 

医療倫理の指針として、米国医師会は患者の性指向(どの性別を恋愛の対象とするか、という個人の傾向)を理由に診療拒否してはならないと、強く意思表示しています。ただ、これはあくまで「医師会の指導方針」であり、「医師に課せられた義務」ではありません。

 

では、法律的にはどうでしょうか。

今回の件では、国家が定めた法律とミシガン州の法律が関わってきます。

そして、そのどちらにも「サービス業者が客が同性愛者であることを理由に、サービス提供を拒否してはいけない」という項目はありません。

 

ロイ医師は、ベイちゃんへの診療拒否の理由が両親の同性愛であると公言はしていませんが、おそらく、そのことがおおいに関係していると考えられます。

しかし、このような行いを禁じる法律がない限り、両親はただ受け入れる以外に選択肢がほとんどないのです。

 

クリスタさんとジェイミーさんは、当時ベイちゃんが差別について何も知らない生後6日の赤ちゃんだったことに感謝しているそうです。

そして「この話を人に伝えていくことで、ベイが6歳になるころには、このような出来事が起きなくなっていたらいいと願っています」と、クリスタさんは語ります。

 

 

看護師としてできることは何か

日本では正当な事由がある場合に限り、医師は診療を拒否することができます。ただ、何が「正当な事由」に当たるかは状況によって異なり、その判断には医師の良識が求められます。

 

診療拒否が検討される状況になった場合、看護師としてどう関わるか。さまざまなケースについて、常に自分なりの倫理観を持っておくことが大切ですね。

 

 

(文)MYKO

(参考)
Doctor refuses treatment of same-sex couple’s baby

Pediatrician refuses to treat baby with lesbian parents and there’s nothing illegal about it

医師の職業倫理指針(2-(8)応招義務の部分)

日本医師会

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