アメリカの看護師の30%以上が「劣悪な労働環境」で働いている―看護師の過労の解決策は?

看護師の長時間勤務や過酷な労働環境による疲労、そして燃え尽き症候群などの問題は、アメリカでも日本と同様に深刻な問題となっているようです。患者さんへのケアの中心的存在である看護師の疲労(過労)は、患者さんへのケアの質に結果として直結してしまいます。

 

アメリカの看護師の30%以上が「劣悪な労働環境」で働いている―看護師の過労の解決策は?

 

今回ご紹介するのは、アメリカ看護師協会のサイトに紹介されたアメリカ看護師協会代表のパメラ・シピリアノさんと、看護師の過労について研究してきた看護師研究員リンダ・アイケンさんとの対談です。2人はこの対談のなかで、看護師の過労について語り合っています。

 

看護師を過労に追い込む2大要因

リンダさんは、看護師が過度に疲労していると、患者ケアに必要な観察・判断・推測の技術が本来のようにうまく発揮できなくなることを指摘しています。そして、そのような危険を導く「過労」の要因について、次のように語っています。

 

「看護師の過労の大きな原因の1つ目は、十分な患者ケアを行う看護スタッフがいない(不足状態である)こと。そして2つ目は、非常に劣悪な労働環境であることです。特に興味深いこととしては、30%の看護師たちが自分の働く現場を『劣悪な労働環境』と表現していることです」

 

これに対してパメラさんは、看護師自身が問題意識を持ち、解決のために行動する必要性を訴えています。

 

「大切なことは、看護師自身が同僚や上司、病院側などと看護スタッフ数や労働時間、勤務スケジュール、環境について話し合うことではないでしょうか。患者さんに何か悪い影響を与えてしまうことは、誰も望まないはずです。看護師自身の健康状態についても同様でしょう」

 

また、リンダさんは、40%以上もの看護師が12時間以上もの勤務を余儀なくされているにも関わらず、医療事故を起こさないことが期待されているという過酷な現状についても触れています。これについて彼女は、まず看護師自身が残業(時間外勤務)を引き受けるということについてよく考えるべきであると指摘。その一方で、病院側は本来どのくらいのスタッフ数を確保すべきなのかを正確に見積もる必要があるとも。

 

解決策は?

看護師の過労は、看護師自身の健康を害するだけでなく、患者さんのケアの質にも影響を与えてしまう、早急に解決すべき大きな問題です。

今回の対談のなかでは、残業は緊急性の高いケースのみに抑えるべきことが強調されています。

 

リンダさんは勤務時間の制限について、アメリカ看護師協会の推奨する基準を紹介しています。

その内容は、

「看護師は24時間(1日)を単位としてそのうち12時間以上は勤務すべきではなく、また、週に48時間以上は勤務しないこと」

というもの。


最後にパメラさんは、看護師の過労について「これは、看護師と病院側双方が考えるべき問題ですね」と、看護師個人だけでなく病院側も行動していくことの必要性を提示しています。

 

看護師は、患者さんのために日夜過酷な勤務を続けていますが、そのために自分の心身の健康を損ねては大変です。確かにこれは簡単に解決できる問題ではありません。ですが、みなさんも患者さんを守るだけではなく、大切な自分自身を守るために、まずは職場での労働環境やヒヤリハット事例についてのカンファレンスなどから始めてみてはいかがでしょうか?

 

(参考)

ANA Nursing World  Nurse Fatigue

JNA 労働環境の改善の推進 ナースのかえるプロジェクト

JNA 日本の医療を救え 看護職の健康と安全を守ることが患者の健康と安全を守る(PDF)

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