最終更新日 2023/06/29

クレアチン

クレアチンとは・・・

クレアチン(くれあちん、Creatine)とは、3つのアミノ酸 (メチオニン、グリシン、アルギニン)から主に肝臓で合成される物質である。

 

【クレアチンの働き】
肝臓で合成されたクレアチンは、その約95%が骨格筋に蓄えられ、筋肉中のクレアチンのうち、約65%がホスホクレアチン(クレアチンリン酸)として蓄えられている(残りは、精巣、腎臓に分布される)。

 

ホスホクレアチンは、アデノシン三リン酸(ATP)の再合成に利用される。
ATPが分解されるときのエネルギーが筋収縮時に使用されるが、激しい運動を行う場合などは、ATPはすぐに足りなくなってしまう。
そこで、筋肉に蓄えられたホスホクレアチンが素早くクレアチンとリン酸に分解し、ATPを再合成することで、エネルギーを作り出す。つまり、クレアチンは、運動(特に短時間で激しい運動を行う場合)に必要な物質である。

 

【正常値】
血清クレアチンの基準値は男性が0.17~0.97mg/dL、女性が0.17~1.17mg/dLである。

 

【検査の目的】
クレアチンキナーゼ、アルドラーゼなどの他の筋原性検査法の発達により、その診断的意義は減少傾向である。ただし、心筋梗塞の場合は、血清クレアチンキナーゼの上昇の前にクレアチンが上昇するため、早期診断に有用である。

 

【検査値のポイント】
クレアチンは、健康な成人の場合は、尿中には排出されないが、筋疾患がある場合は、尿中に排出される。そのため、血清クレアチン、尿中クレアチンで高値が認められる場合は、筋ジストロフィーや多発性筋炎・皮膚筋炎、ステロイドミオパチー、運動ニューロン疾患などの神経筋疾患や、心筋梗塞急性期甲状腺機能充進症などが考えられる。

 

引用・参考文献
1)Diana Robinson.Nutritional and non-medication supplements permitted for performance enhancement.Up To Date.(2023年6月閲覧)
2)小島進ほか.クレアチン.日本臨牀. 53 (増刊号1) ,1995,460-463.
 

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