最終更新日 2023/10/31

心室性期外収縮

心室性期外収縮とは・・・

心室性期外収縮(premature ventricular contraction;PVC)とは、予期される心房の興奮よりも早く、心室で異常な電気刺激が起こる心室拍動のことで、不整脈の一つである。
心室性期外収縮が3連続以上続くものは心室頻拍という。

 

図1心室性期外収縮の波形

心室性期外収縮

 

【症状】
心室性期外収縮は多くは無症状だが、脈が飛ぶ感覚を動悸として訴える患者もいる。

 

【検査】
器質的疾患を疑ったときには心電図以外の検査を追加する。具体的には運動負荷試験、MRI、カテーテル検査などがある。

 

【診断】
心室性期外収縮の診断は心電図検査で指摘されることが多い。しかし、一般成人でも1日に数回~数百回認められ、器質的疾患がないときは治療の適応とはならないことが多い。

 

心室性期外収縮自体はよくある不整脈だが、数や種類によっては重症度が高い場合もある。その重症度を分類するためにLown(ろーん)分類が使われる。

 

【治療法】
何らかの基礎疾患がある場合は、そちらの治療をまず行う。
一方で心室性期外収縮単独でも頻度が多いため症状が強かったり、循環不全徴候を起こしていればカテーテルアブレーション治療や抗不整脈の投与を検討する。

 

【原因】
加齢に伴い発生することが多いが、器質的疾患が背景にあることがしばしば認められる。心室性期外収縮が冠動脈疾患、心筋症、QT延長症候群などの最初の症状として認めることもある。

 

【引用・参考文献】
1)福井次矢ほか監.ハリソン内科学.第5版.2018,p3132.
2)J B Kostis,et al.Premature ventricular complexes in the absence of identifiable heart disease.Circulation.63(6),1981,1351-6.

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