最終更新日 2024/07/22

カロナール

カロナールとは・・・

カロナール(かろなーる、Calonal)は、解熱鎮痛薬の一種であり、アセトアミノフェンを成分とする。カロナールは総称名である。

 

ロキソニンなどの非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)とは異なり、カロナールには抗炎症作用はない。また、NSAIDsと比べて、カロナールは血小板の働きを抑制する作用が少なく、の粘膜への悪影響や腎機能障害のリスクも低いため、胃潰瘍腎不全の患者にも使用しやすい。

 

カロナールはオピオイド鎮痛薬とも異なり、眠気や便秘を引き起こす作用や、依存性は認められていない。

 

禁忌

カロナールの投与禁忌には以下のものがある。

 

アレルギー反応アセトアミノフェンに対して過敏症のある患者には使用しない。
・重篤な肝障害:肝障害を起こすことがあり、肝機能が著しく低下している患者には使用を避ける。

 

効能・効果

カロナールの主な効能・効果は以下の通りである。

 

・解熱:発熱時に体温を下げる。
・鎮痛:頭痛、生理痛、歯痛、関節痛などの軽度から中等度の痛みを和らげる。

ジクロフェナクは、さまざまな種類の痛みや炎症症状に広く用いられる。ただし、過剰な使用や誤った使用方法は副作用のリスクを高めるので注意が必要である。

 

用法・用量

カロナールの用法・用量は以下の通りである。

 

 

副作用(投与後の注意)

カロナールは、副作用が少ない薬であるが、まれに重篤な副作用が現れる。これらの副作用は頻度不明ではあるものの、特に注意して観察すべき症状を以下に記載する。

・アレルギー反応:ショックやアナフィラキシー。これらは突然の重篤なアレルギー反応で、患者の呼吸困難や血圧低下を引き起こす可能性があるため、投与後は患者の全身状態を観察する必要がある。
皮膚疾患:中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症。これらは皮膚の重篤な反応で、例えば急性汎発性発疹性膿疱症では高熱とともに、皮膚の広い範囲が赤くなり、その一部に白い膿疱が出現する。
・呼吸器系疾患:喘息発作の誘発。NSAIDsと比較して安全性は高いものの、喘息患者には注意が必要である。
肝機能障害劇症肝炎、肝機能障害、黄疸。肝機能の変化に注意し、異常が見られた場合は直ちに投与を中止する。
血液異常:顆粒球減少症、チアノーゼ、血小板減少。これらは血液成分の異常を示すもので、長期内服が必要な場合には定期的な血液検査で監視することが必要である。
・腎機能障害:間質性腎炎、急性腎障害。尿の変化や腎機能の異常に注意し、疑わしい場合は投与を中止する。

 

カロナールは一般的に安全な薬とされているが、過剰摂取すると肝機能障害を引き起こす可能性があるため、用法と用量を厳守する必要がある。

 

引用・参考文献

1)カロナール(2024年7月閲覧)

執筆: 白川和宏

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター副医長

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