最終更新日 2019/11/01

ミゾリビン

ミゾリビンとは・・・

ミゾリビン(みぞりびん、Mizoribine)とは、DMARDs(疾患修飾性抗リウマチ薬)の一種のプリン代謝拮抗薬である。製品名はブレディニン®ネフローゼ症候群、ループス腎炎、関節リウマチなどの治療に用いられる。

酸のプリン体合成系を阻害する代謝拮抗物質であり、1971年に日本で開発された薬剤である。
ミゾリビンは細胞内でリン酸化され、リンパ球の核酸合成のde novo経路の律速酵素であるイノシン-リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPデヒドロゲナーゼ)を選択的に競合阻害する。その結果、細胞分裂のS期でDNA合成を停止することで、T細胞およびB細胞の増殖を阻害する事で免疫抑制作用を発揮する。

【ミゾリビンの用途】
当初は腎移植における拒否反応の抑制として開発されたが、後に原発性糸球体腎炎を原因とするネフローゼ症候群、ループス腎炎、関節リウマチ等に対する適応が追加された。関節リウマチにおいてはDMARDs(疾患修飾性抗リウマチ薬)の一つとして位置づけられており、DMARDsとしては他の薬剤に比べて効果は弱く、遅効性である。

【ミゾリビンの副作用】
副作用に消化器症状、皮膚粘膜症状、全身症状、しびれ、口渇などが見られるが、ミゾリビン特有の副作用として高尿酸血症が知られている。

執筆: 井上 彰

明石医療センター 救急科医長

SNSシェア

用語辞典トップへ