最終更新日 2017/07/18

車いす

車いすとは・・・

車いす(くるまいす)とは、障害者や介護が必要な人が、自助または介助により日常生活を支援するための座ったまま移動できる乗り物である。歩行に障害がある人の生活の質を向上させるために使われる。

車いすは、自費でも購入できるが、身体障害者手帳がある場合には、障害者総合支援法による助成や労災保険による助成を受けられる場合がある。また、介護認定により、車いすをレンタルすることも可能な場合もある。

■目的
・座位を保つ
・テーブルなどで作業や仕事をする
・活動範囲を広げる
・旅行などを楽しむ
・スポーツなどの競技を行う、など。
障害や介護が必要な人であっても、車いすを使用することで、日常生活を行う上での活動を広げることができる。また、自分の力で車いすを動かせなくても、介助者の手を借りながらも、自立した生活を送ることも可能になる。

■種類
車いすの種類は、大きく「手動」と「電動」に分けられる。
また、利用する本人の力などを利用して動かす車いすを「自走用車いす」と、主に介助者が後ろから動かす車いすを「介助用車いす」に分類する。
一般的な車いすのほかに、片麻痺(かたまひ)者用車いす、リクライニング型車いす、起立機能付き車いす、スポーツ用車いすなどがあり、使用する方の状態や利用目的に応じて、様々な車いすが開発されている。

■材質
・アルミフレーム
・スチールフレーム
・チタンフレーム
・ステンレスフレーム など
病院や施設などで使用する車いすの多くは、重みがあり丈夫なスチールフレームが多く用いられる。しかし、個人が使用する車いすの材質は、軽量で持ち運びやすいアルミフレームが多い。
シャワーなどに用いられる車いすは、錆に強く丈夫なステンレスフレームが適している。

■車いすの構造
一般的な、車いすの構造としては、いすとして使用する部分、車いすを走行するための部分、車いすの走行を介助する部分、の3つに分類される。
<いすとして使用する部分>
・シート
・バックサポート(背もたれ)
・アームサポート(肘あて)とアームサポートフレーム
・足を乗せる「フットサポート」と「フット・レッグサポートフレーム」
・ふくらはぎを支えフットプレートから足がずり落ちないように支える「レッグサポート」
・衣服が車いすのタイヤに巻き込まれないための「サイドガード」
から成り立つ。
<車いすを走行するための部分>
・駆動輪とタイヤ
・駆動輪の外側にある手で動かすときに持つ「ハンドリム」
・キャスタ(前輪)
・ブレーキ
から成り立つ。
<車いすの走行を介助する部分>
・介助者が手で握って車いすを押す「手押しハンドル」「グリップ」
・介助者が段差などを越えるために足で踏む「ティッピングレバー」
から成り立つ。

■使用方法
<自分で車いすを動かす場合>

・駆動輪の外側にある手で「ハンドリム」を手で握り、腕の力を利用して駆動輪を回す。車いすの速度の調節も、「ハンドリム」を握る手との摩擦を利用して制御する。
・止まるときは、必ず「ブレーキ」を手前にしっかりと引く。「ハンドリム」だけでは、手の力が緩んだ時に動き出すため、注意する。
<介助で車いすを動かす場合>
・介助者は、後ろにあるグリップをしっかりと握り、後方から押しながら車いすを動かす。
・段差がある場合には、足元にあるティッピングレバーを足でしっかりと押さえながらグリップを後下方にひいて、キャスタ(前輪)を持ち上げる。キャスタを上げたまま、段差を越えるように押し出し、そのまま車いす全体が段差を乗り越えられるように押しながら前に進む。
・車いすを停止した場合には、必ず「ブレーキ」を手前にしっかりと引く。

■注意事項
・車いすを選ぶ場合には、使用する人の体型に合わせるとともに、どのように車いすを使用するのかを十分に考えて選択し、安全を第一に考え、JIS規定に合格しているかを確認し選ぶことが望ましい。
・車いすを使用する前には、タイヤ・ブレーキ・フットサポート・レッグサポートなどに異常や破損がないかを確認する。
・戸外で車いすを使用した場合には、タイヤなどに異常はないかを確認することが大切である。
・車いすの介助をする場合には、後ろから押す形となるため車いすに乗っている人の足元が死角になりやすい。そのため、曲がり角や段差などがある場合には、利用者の足が何かにぶつからないようにゆっくりと車いすを進めるとともに、声掛けを十分に行い、事故を未然に防ぐように配慮する。

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