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2019年08月27日

Ⅰ型アレルギーはどのようにして起きるの?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回はⅠ型アレルギーが起こるメカニズムについて解説します。

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

Ⅰ型アレルギーはどのようにして起きるの?

スギやブタクサの花粉、ハウスダスト、ダニなどによってアレルギーが起きるメカニズムは次の通りです(図1)。

図1アレルギー性鼻炎の発生機序

アレルギー性鼻炎の発生機序

 

花粉やダニなどの抗原が体に入ってくると、マクロファージが異物だと認識し、これを貪食します。そして、細胞内で分解し、抗原決定基(エピトープ)として提示します。それをT細胞とB細胞が認識し、最終的にプラズマ細胞(形質細胞)が抗体を産生します。この時、プラズマ細胞はIgEを大量に作ります。IgEが大量に産生されることを除けば、ここまでは通常の液性免疫と全く同じです。それでは、どこが違うのでしょうか。

作り出されたIgEは、血液中に蓄えられるのです。これは、次に同じ異物が侵入してきた時のための大事な備えです。そして、再び同じ異物が侵入してくると、肥満細胞(マスト細胞)の表面にあるIgEと異物が、鍵と鍵穴のようにぴったりと結合します。IgEがアレルゲンにより架橋されると肥満細胞からヒスタミンなどが放出されます。

体は、異物を敵と認知していますので、ワナにかかった異物に攻撃を加えます。武器は肥満細胞に詰まったヒスタミンなどの化学物質です。

ヒスタミンには、平滑筋を収縮させる、気管支の腺からの分泌を盛んにする、血管に働きかけて透過性を亢進させるなどの作用があります。その結果、気管支喘息が起こったり、涙や汁の分泌が高まったり、血漿成分が皮下の間充織に貯留して皮膚にかゆみや腫脹が生じます。

こうした反応は、もともとは、炎症を起こすことで免疫機能を高め、や鼻水、涙の流出によって異物を体外に押し出すという免疫本来の作用でもあります。しかし、体にさほど害を与えない異物に対して過剰な反応が起こるという点で、アレルギーは過敏症だといえるのです。

 

メモ1肥満細胞(マスト細胞)

ヒスタミンなどの化学物質を大量に詰め込んだ細胞で、丸々と太っているように見えるため肥満細胞(マスト細胞)と呼ばれます。
鼻の粘膜、目の結膜、気管支の粘膜、皮下、血管、筋肉などに存在しています。


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

参考文献

著作権について

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