妊娠反応検査(尿中hCG定性検査)|産婦人科の検査

『看護に生かす検査マニュアル』より転載。
今回は、妊娠反応検査について解説します。

 

高木 康
昭和大学医学部教授

 

〈目次〉

妊娠反応検査とはどんな検査か

hCG(human chorionic gonadotropin;ヒト絨毛性ゴナドトロピン)は妊娠が成立すると絨毛細胞より分泌されるため、妊娠の有無を知ることができる。

 

受精して約1週間で着床し、検出が可能な50mIU/mL以上になるのにそれから1週間を要するので、受精後2週間以上経過すると陽性となる。そして、妊娠8~10週でピーク(10~50万mIU/mL)hCGは尿中へ排泄されるがhCGが濃縮している早朝尿が望ましい。

 

妊娠反応検査の目的

妊娠の有無を判定する。

 

妊娠反応検査の実際(イムノクロマトグラフィ法)

  • 患者の尿を用いて行う。
  • 患者尿を所定の場所に添加する。
  • 所定の時間後に判定部位の沈降線の有無を確認する。
  • 判定基準に従って陽性・陰性を判定する。

 

妊娠反応検査前後の看護の手順

妊娠反応検査に関する患者への説明

  • 尿中のhCGを検出することで妊娠の有無を判定する。
  • hCGは受精した時に絨毛細胞から分泌されるため、これを検出することで妊娠の有無を判定する。
  • 採尿

 

妊娠反応検査に準備するもの

  • 採尿カップ
  • 判定用イムノクロマトグラフィ(図1

図1判定用イムノクロマトグラフィ

判定用イムノクロマトグラフィ

 

妊娠反応検査において注意すべきこと

  • 尿は日によって濃度が異なるので、特に初期では複数回の検査が必要な場合もある。
  • 検出感度が異なるため、使用する試薬の特性を理解する必要がある。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 看護に生かす検査マニュアル 第2版』 (編著)高木康/2015年3月刊行/ サイオ出版

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