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2019年06月12日

急性期病院で身体拘束を行わないということが可能ですか?

『せん妄のスタンダードケア Q&A100』より転載。
今回は、患者さんへの身体拘束を減らすポイントについて解説します。

急性期病院で身体拘束を行わないということが可能ですか?

身体拘束は,患者さんの安全を守りたいという医療者の思いから行われます.
身体拘束をせずに安全を守るにはどうしたらよいかを医療チームが一丸となって考え取り組むことで,身体拘束を減らすことができます.

〈目次〉

せん妄を発症した患者さんへの身体拘束を減らすポイント

<患者さんが安心し心地よくいられること>,<患者さんの見守り体制を整えること>,そして,<この2 つに向けて医療チームが一丸となって取り組むこと>です.

 

患者さんが安心し心地よくいられること

①病気や治療に伴う苦痛の軽減

急性期では身体的安楽がとても重要です.以下の点を多職種で検討し,治療とケアを調整します.このとき,看護チームには,病態と治療,薬剤に対する基本的な知識,そして優れた身体ケアスキルが求められます.

  • 適切に鎮静薬が使用され除痛できているか
  • 苦痛緩和,安楽促進のための身体ケアは行われているか
  • 必要最小限の処置や行動制限は何か

 

②患者さんの望みに沿ったケアの提供

混乱している患者さんの気持ちや意思を理解しようとする姿勢がせん妄症状の安定化につながります.以下の点が重要です.

  • 理解できない言動を不快,不安,いらだち,怒りの表現としてとらえる
  • 患者さんの望みに関心を向ける
  • 表情の和み,言動の落ち着きがみられたときの効果的なかかわりをチームで共有し,継続して行う

 

患者さんの見守り体制を整える

重症者と同様に,「見守り」というケアの必要度が高い患者さんにも手厚い看護体制を整えます.推進には,多職種協働と看護管理者のリーダーシップがとても重要です.

 

① 看護職員数の確保

見守りには人手が必要です.せん妄発症頻度が高い病棟の看護師・看護補助者配置を厚くする,他部署からの応援体制を整える,せん妄の発症を予測して手厚い勤務体制を組むなどの方法があります.

 

② チーム全体でケアする体制

チーム全体で助け合ってケアすることで,身体拘束を最小限に,あるいは行わずに対応することができます.たとえば以下のようなことが大切です.

  • クラークや看護補助者を含む全員が患者さんの所在や行動を気にかけ,伝え合います.
  • 担当看護師が患者さんにできるだけかかわれるように,受け持ち患者数や業務量を調整します.
  • 患者さんから離れられないときにフォローを依頼できる体制や雰囲気をつくります.

 

③集中的せん妄ケア提供体制

せん妄ケアを要する患者さんを集め,集中的に専門的なケアを提供するしくみが効果的な場合もあります.

 


[Profile]
吉田 千文 (よしだ ちふみ)
聖路加国際大学看護学部

*所属は掲載時のものです。


本記事は株式会社南江堂の提供により掲載しています。

[出典]『“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100』(編集)酒井郁子、渡邉博幸/2014年3月刊行

“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100

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