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2019年02月27日

術後のせん妄リスクについて,家族または本人に伝えるタイミングはいつがよいですか?

『せん妄のスタンダードケア Q&A100』より転載。
今回は、術後せん妄のリスクを伝えるタイミングについて解説します。

術後のせん妄リスクについて,家族または本人に伝えるタイミングはいつがよいですか?

術前の安定している状態のときに,術後合併症の1つとして伝えるとよいでしょう.
このとき,家族の不安が高まらず,冷静に受け止められるよう,術前オリエンテーションの中の1つとして伝えるとよいでしょう.

〈目次〉

術前にせん妄のリスクを伝えておく

手術を受ける患者さんや家族は,手術の成功や順調に回復することへの願いとともに,不安をもち続けています.

しかし,その一方で,実際に手術後のダメージを受けた状態ではないことから,冷静さも保たれています.

そこで,患者本人や家族には,手術前の時点で術後の回復のプロセスを伝えるとともに,術後合併症として,せん妄状態に陥りやすいこと,それらは一時的な症状であることを伝えるとよいでしょう.

 

せん妄のリスクは対策できるもの・できないものを整理して伝える

せん妄のリスクを伝えるときは,対策が立てられるリスクとそうでないものがあることを整理し伝えることがポイントです.そうすることで,せん妄発症の予防対策への動機づけやせん妄発症時の混乱を最小限にすることもできます.

そこで,せん妄のリスクを伝えるタイミングを考える際に留意すべきこととして,以下のようなことがあります.

 

患者さんや家族の不安を推し測りつつタイミングを見極める

発生していないせん妄やそのリスクについて伝えることは,手術直前の不安を高めてしまうことのように考えがちですが,発生していないため本人や家族が冷静に耳を傾けることができます.

ただ,手術直前というより,術前オリエンテーションの中の1つとして伝えるとよいでしょう.また,せん妄リスクへの対応として,発症予防や発症したときの対応について説明しておくと,家族の準備性を高めることができます(表1).

表1家族の準備性を高める説明

家族の準備性を高める説明

 

冷静に対応できる人物を特定し伝える

せん妄を発症した患者さんを見て家族は混乱することも珍しくありません.しかし,あらかじめ説明を受けていること,回復可能な症状であるということを思い出し,冷静に対処することができます.

そのためには,家族の中でせん妄リスクを伝える人物は,患者さんとともに大きく動揺することが少ないと思われる人物を探すとよいでしょう.

 


[Profile]
藤田 冬子 (ふじた ふゆこ)
神戸女子大学健康福祉学部

*所属は掲載時のものです。


本記事は株式会社南江堂の提供により掲載しています。

[出典]『“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100』(編集)酒井郁子、渡邉博幸/2014年3月刊行

“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100

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50代の女性。呼吸回数24回/分。血圧80/40mmHg。脈拍120回/分。
橈骨動脈微弱で末梢冷感あり。声かけに容易に反応あり。『お腹が痛い』と話している。
右上腹部打撲痕および、右腹部圧痛あり。

  • 1.生理学的評価では循環に異常があるため、カテゴリーは赤。解剖学的評価は腹部圧痛、右上腹部打撲痕があることから、カテゴリーは赤となる。
  • 2.意識レベルは低下していないため、生理学的評価ではカテゴリーは黄。解剖学的評価は、右上腹部に打撲痕があるため、カテゴリーは黄となる。
  • 3.橈骨動脈微弱のため、生理学的評価ではカテゴリーは赤。解剖学的評価は、右上腹部打撲痕があることから、カテゴリーは黄となる。
  • 4.呼吸回数24回/分、意識レベル清明で生理学的評価は黄色のため、最終的な優先順位のカテゴリーは黄となる。
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