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2018年06月22日

そもそもアセスメントとは?診断とは?評価とは?

『せん妄のスタンダードケア Q&A100』より転載。
今回は、アセスメントについて解説します。

そもそもアセスメントとは?診断とは?評価とは?

アセスメントは情報の収集・分析・統合です.診断はアセスメントから導きだされます.診療・ケア計画の実践により得られたアウトカム(成果)の達成状況を検討するのが評価です.

〈目次〉

アセスメントとは情報の収集・分析・統合である

(1)情報を収集する

患者さんの問題を同定するための前提として,情報収集が必要になります.

情報は,主観的データ(Subjective Data)と客観的データ(Objective Data)に大別されます.主観的データは患者さんの訴えや患者さんとの対話,客観的データは,問診,観察,測定や検査の結果などから収集します.

  • 主観的データ:患者さん自身が感じている症状や不安・苦痛など(患者さんの言葉で表される)
  • 客観的データ現病歴既往歴,症状の観察所見,フィジカルアセスメント所見,臨床検査・理学検査などの所見,治療・内服薬の状況,日常生活

 

(2)情報を分析・統合する

情報の分析・統合では,主観的データと客観的データの分析・統合を通じて,「どんな背景」で「何が理由」で「どのようなことが顕在的に起きているのか(あるいはどのようなことが潜在的に生じる危険性があるのか)」を明確にします.

たとえば,「喉が乾いてつらい」という主観的データと,「病名」「バイタルサイン」「水分出納バランス」「利尿薬の使用状況」「検査所見」などの客観的データの分析・統合によって,『心不全治療のための利尿薬の効きすぎにより,脱水状態にあり,せん妄を生じる危険性がある』といった問題を明らかにします.

 

診断(問題の同定)は基準に照らし合わせて下される

アセスメントを通じて得られた患者さんの情報や状態をなんらかの基準(プロトコルやアルゴリズムなど)と照らし合わせることにより,問題が同定されたり,診断が下されたりします.

たとえば,把握された事象やそれらの因果関係が,せん妄の原因(準備因子,誘発因子,直接因子)や診断基準に該当した場合,せん妄と診断されます.

 

アウトカム(成果)を設定し,計画を立案・実践する

診断に基づいて,期待されるアウトカム(成果)を設定します(目標の設定).そして,それを達成するための診療・ケア計画を立案し,実践します.

 

アウトカムの達成を確認する

評価では,アウトカムが達成されたのかどうかを確認します.

アウトカムが達成できていない場合には,アセスメントを再検討したり,診療・ケア計画を見直したりすることが必要になります(図1).

図1アセスメントから評価にいたるまでのプロセス

アセスメントから評価にいたるまでのプロセス

 

やってはいけない

アセスメントをすることなく,患者さんの問題を決めつけると,適切な対応ができなくなってしまいます.また,観察のポイントがずれていたり,情報が不足していたりすると,診断や問題の見誤りを引き起こします.

これらを引き起こさないためには,観察を怠らないようにし,患者さんのちょっとした変化や異変を見逃さないことが重要です.その際には,スクリーニングツールや重症度の評価ツールなどを活用することも大切です.

たとえば,せん妄スクリーニングツール,せん妄の重症度評価尺度を用いることで,観察や評価のポイントの見落としを防止できます.

 

PDCAサイクルを回すことによる継続的な質改善

せん妄ケアの質保証・向上のためには,PDCAサイクルを回し続けることが大切になります.

せん妄の発生予防や早期発見・対処にかかわる目標を設定して,ケア計画を立案するのがPlan(計画),そのケア計画の実践がDo(実行),実践により目標が達成されたかどうかを確認し,評価するのがCheck(評価),評価に基づき,必要に応じてケア計画を見直すのがAct(改善)です.

 


[Profile]
小林 美亜 (こばやし みあ)
千葉大学大学院看護学研究科

*所属は掲載時のものです。


本記事は株式会社南江堂の提供により掲載しています。

[出典]『“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100』(編集)酒井郁子、渡邉博幸/2014年3月刊行

“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100

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