2018年08月18日

感染経路別予防策

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は感染経路別予防策について解説します。

〈目次〉

感染経路別予防策

感染予防を行うためには、微生物(病原体)の感染経路を知り、その経路を遮断することが重要です。

微生物の伝播は、①接触感染、②飛沫感染、③空気感染の3つの経路に分類されています。

 

1接触感染

直接接触感染と間接接触感染がある。

接触感染

  • 直接接触感染:患者の皮膚に直接接触する処置時や患者の体位変換 時、入浴介助時など、身体に接触する必要があるケアのときに伝播
  • 間接接触感染:患者の環境のなかで汚染された患者の持ち物、着衣、ベッド柵、テーブル、ドアノブなどに触れることで伝播

【主な感染源】

多剤耐性菌(MRSA、VRE)、腸管出血性大腸菌(O-157)、ロタウイルスノロウイルス疥癬、単純ヘルペスウイルスアデノウイルスなど

 

【予防策】

  1. ①個室隔離、あるいは集団隔離
  2. ②入室時は手袋・ガウンの着用。退出時に外し、手指消毒を行う
  3. 聴診器などの物品は、専用のものにする
  4. ④患者が触れるもの(ベッド柵やオーバーテーブルなど)は、1日1回 以上消毒する
  5. ⑤移動は制限する

 

 

2飛沫感染

主にやくしゃみ、会話、あるいは吸引や気管支鏡検査などの医療行為中など、患者と近い距離で伝播する 。

飛沫感染

【主な感染源】

インフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、風疹ウイル ス、マイコプラズマ、溶レン菌、など

 

【予防策】

  1. ①個室隔離、もしくは集団隔離の場合は1m離す
  2. ②1m以内で作業する場合は、サージカルマスクを着用
  3. ③患者が室外に出る際は、サージカルマスクを着用

 

 

3空気感染

5μm 以下の飛沫核や感染病原体を含む塵が飛散するこ とにより起こる。

空気感染

【主な感染源】

結核菌、水痘ウイルス、麻疹ウイルス

 

【予防策】

  1. ①空気感染隔離室(病室内陰圧、1時間に6回の換気、院 外への排気かHEPA フィルターでの濾過)
  2. ②入室時は、N95マスクを装着
  3. ③患者が室外に出る際は、サージカルマスクを着用

 

 

スタンダード・プリコーションに加えて、早期に感染経路別予防策を実施することで、感染の拡大を防ぎ、患者に対する過剰な隔離を強いることなく、効果的で経済的な感染予防ができます。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典]『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』編著 江口正信/2015年3月刊行

根拠から学ぶ基礎看護技術

引用・参考文献

著作権について

この連載

  • 感染経路別予防策 [08/18up]

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