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2018年02月23日

せん妄ケアはなぜむずかしいのですか?|医療者からみたせん妄

『せん妄のスタンダードケア Q&A100』より転載。
今回は、医療者からみたせん妄についての解説の1回目です。

せん妄ケアはなぜむずかしいのですか?

時間的プレッシャーの中で,多重な課題を,少ない人数で行わなければならないため,せん妄ケアは難易度が高いのです.

〈目次〉

 

時間的プレッシャーにより,焦る,慌てる

患者さんにせん妄が生じると,多くの場合時間的プレッシャーが高まります.

コミュニケーションが円滑にいかない,危険な行動に対応し続けなくてはいけない,などによって,ほかの患者さんのケアに予定していた時間を,せん妄の患者さんへの対応に当てなくてはならなくなるからです.このことを「手がかかる」と,思うことも多いでしょう.

時間的プレッシャーが高まると,焦りが生じます.焦りは,看護師の視野を狭め,ほかで起きていることに気づかない,判断があいまいなまま作業を進める,手順を抜かすなどミスを誘発するような行動につながりやすくなります.

 

人員不足は知識技術の不足でも生じる

人員が少ない夜間帯にせん妄が起きると,時間的プレッシャーはより厳しくなります.また,医療者にせん妄対応の知識やスキルが不足していると,活用人材とはなりえませんので,さらに相対的にせん妄ケアに関しての人員不足の状態になります.

単純に看護師の配置数が多いからといって,人員不足が解消されるというわけではありません.

 

せん妄は多重課題を引き起こす

時間的プレッシャーの中,数的不利な状態で病棟での多重課題に対応しなければならないのが,せん妄患者さんがいる病棟での看護「業務」の性質といえます.

 

せん妄による多重課題への対応のコツ

せん妄発生を想定した業務計画をシミュレーションしておくこと,判断をなるべくシンプルにして対応する医療者の判断速度を上げること,早期に変化の徴候をとらえて複雑になる前に問題を明確にすることが,せん妄ケアのコツといえます.

せん妄ケアの戦略と戦術を決めておくこと,いくつかの約束事をいつでも実行できるようにチームで周知徹底し,練習しておくことで焦らずに対応できます.

そのために,日ごろからせん妄ケアの基本的知識とスキルを獲得しておきましょう.

 


[文献]

  • 1)西村詩織:焦りに関する研究の概観と展望─焦りの包括モデルの提案.東京大学大学院教育学研究科紀要47:251-258,200

[Profile]
酒井 郁子
千葉大学大学院看護学研究科

*所属は掲載時のものです。


本記事は株式会社南江堂の提供により掲載しています。

[出典]『“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100』(編集)酒井郁子、渡邉博幸/2014年3月刊行

“どうすればよいか?”に答える せん妄のスタンダードケア Q&A100

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