2018年04月13日

交差適合試験

看護師のための検査値の解説書『検査値早わかりガイド』より。
今回は、交差適合試験について解説します。

 

〈目次〉

 

交差適合試験の定義

交差適合試験は輸血副作用を事前に防ぐために行われる検査である。 

ここで問題となるのは、血液型(ABO・Rh)の一致、不規則性抗体・自己抗体の存在である。交差適合試験には主試験と副試験があり、自己抗体の検出のために自己対照を立てて行う。

 

反応の方法

反応には生食法、ブロメリン法、アルブミン法、クームス法などを複数組み合わせて行われる。体温と同じ37度で反応させ、問題となる多くの抗体を検出できるクームス法が重要視されている。

主試験、副試験ともに凝集および溶血がみられなかったものが輸血に使用される。主試験に凝集がみられる血液は、輸血には使用できない。主試験に凝集がみられるときは、受血者血清中に不規則性抗体の存在が疑われる。また、血液型の確認(受血者、供血者とも)を再度行う。

 

血液型検査・交差適合試験の注意点

輸血事故を起こさないためには

採血を確実にする

患者氏名の記入ミス、患者の取り違えをしない。

自己申告血液型と検査結果が一致していることを確認する

異なる場合は、患者さんの記憶違いもあるが、採血ミスや検査時の転記ミスなども考えられるため、再度採血して再検をする必要がある。

ベッドサイドで再確認する

患者氏名、血液型報告書、輸血適合票の血液型・血液製剤番号、輸血パックの血液型・血液製剤番号など。

 

輸血副作用について

赤血球不適合輸血による場合(赤血球抗体による溶血)

症状:呼吸困難、発熱、血圧降下、意識消失、血色素尿、黄疸など。ABO 式血液型不適合輸血の場合は、副作用はすみやかに出現し、重篤である。

血液の細菌汚染による場合

採血時・保存中に細菌が血液容器に侵入し増殖したもの
症状:発熱、血圧降下、溶血など

白血球抗体、血小板抗体による場合

症状:発熱、悪寒

感染症

梅毒、HIV、HCV、HBV、HTLV-1 など

アレルギー反応

 

交差適合試験に関わる看護のポイント

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典]『新訂版 検査値早わかりガイド 第2版』(編著)江口正信/2014年3月刊行

新訂版 検査値早わかりガイド 第2版

引用・参考文献

著作権について

この連載

  • 交差適合試験 [04/13up]

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