1. 看護roo!>
  2. 看護・ケア>
  3. 術前・術後ケアのこれって正しい?Q&A>
  4. せん妄で処方された薬剤、投与に注意しなければならない状況って?

2019年05月26日

せん妄で処方された薬剤、投与に注意しなければならない状況って?

『術前・術後ケアのこれって正しい?Q&A100』より転載。

今回は「せん妄で処方された薬剤」に関するQ&Aです。

甲斐利弘
大阪市立総合医療センター精神神経科副部長
編著 西口幸雄
大阪市立十三市民病院病院長

 

せん妄で処方された薬剤、投与に注意しなければならない状況って?

せん妄に対して投与する薬剤の副作用・投与する時間、併存する身体疾患などに注意します。

〈目次〉

 

せん妄の薬物療法には、ハロペリドールなどの少量投与が第1選択

せん妄の薬物療法には、抗コリン作用(せん妄を悪化させる)や抗アドレナリン作用(心血管系・呼吸器系に影響を及ぼす)がほとんど見られないハロペリドールなど、ブチロフェノン系薬剤の少量投与が第1選択となります。最近はリスペリドン、オランザピン、クエチアピンなどの非定型抗精神病薬も少量で使用されます。なお、オランザピンとクエチアピンは糖尿病および糖尿病の既往のある患者には禁忌です。

抗不安薬や睡眠薬として用いられるベンゾジアゼピン系薬剤やバルビツール薬剤は、せん妄や過鎮静をきたす恐れがあり、ブチロフェノン系薬剤などと併用する場合以外は、せん妄の治療として使用されることはほとんどありません。

 

薬物の相互作用に注意

やむを得ず向精神薬を併用する場合や、身体疾患に対する治療薬を投与されている場合には、薬物相互作用に注意します。薬の組み合わせによって、血中濃度が上昇したり、下降したりするので、薬の効果が減弱して薬が効きにくくなったり、薬の効果が増強して副作用や中毒症状が出現したりします。

 

投薬は夕方~夜間に比重をおく

せん妄の症状は夕方から夜間にかけて増悪することが多いので、夜間に比重をおいた投薬の仕方が合理的です。しかし、高齢者では少量の向精神薬であっても翌日に持ち越し、日中に傾眠・過鎮静となりがちなので、薬物の服用時間を夕食後や午後3~4時ごろに早めると、ほどよい鎮静効果が得られます。

せん妄の原因あるいは併存する身体疾患によって、薬物療法を行ううえでの注意すべき点を(表1)にまとめました。

表1せん妄の原因あるいは併存する身体疾患別の薬物療法

せん妄の原因あるいは併存する身体疾患別の薬物療法

 

最近よく使われる抑肝散(よくかんさん) にはどういう効果がある のですか?

認知症の増悪やせん妄の予防に効果があります。抑 肝散のよいところは、神経興奮作用をもつグルタミン 酸の作用を抑制することでその効果を発揮するので すが、ドパミンやセロトニンの神経系への影響がな いため、ADL を低下させません。特に高齢者には使 いやすいですね。

 


[文献]

  • (1)平沢秀人,一瀬邦弘:せん妄.松下正明総編集,臨床精神医学講座10器質・症状性精神障害,中山書店,東京,1997:10-26.
  • (2)八田耕太郎:せん妄の治療指針.星和書店,東京,2005:37-38.

本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。

[出典] 『術前・術後ケアのこれって正しい?Q&A100』 (編著)西口幸雄/2014年5月刊行/ 株式会社照林社

著作権について

この連載

もっと見る

関連記事

いちおし記事

ぴんとこ総選挙 結果発表|マンガ・ぴんとこなーす【番外編】

1位は看護のジレンマがテーマのあの話!あなたの推し回はランクインしてる? [ 記事を読む ]

熱中症の応急処置・治療の方法は?

暑さが本格化…!熱中症の対応は万全に! [ 記事を読む ]

人気トピック

もっと見る

看護師みんなのアンケート

ナース・プラクティショナーの制度に賛成?反対?

投票数:
1239
実施期間:
2019年07月30日 2019年08月20日

あなたを癒やしてくれる存在とは?

投票数:
1187
実施期間:
2019年08月02日 2019年08月23日

あなたの勤務先にはローカルルールってある?

投票数:
1040
実施期間:
2019年08月06日 2019年08月27日

病棟の申し送り、どれくらい時間をかけてる?

投票数:
1018
実施期間:
2019年08月09日 2019年08月30日

「あぁ、看護師でよかった」と思ったことはある?

投票数:
886
実施期間:
2019年08月13日 2019年09月03日

あなたの職場はマタハラある?

投票数:
723
実施期間:
2019年08月16日 2019年09月06日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者265

慢性心不全の70歳男性のAさん。外来受診時に、「今度、家族と旅行に行く予定があるが、自宅でトイレに行くときにちょっと息切れが出るので少し不安がある」という訴えがありました。AさんをNYHA分類に当てはめた場合、適切なアドバイスはどれでしょうか?

  • 1.心臓リハビリテーションは中止するよう伝える。
  • 2.入浴はしないほうがよいと伝える。
  • 3.旅行は、長時間かかる電車よりも、移動が短時間で済む飛行機を勧める。
  • 4.毎日体重測定を行うように指導していく。
今日のクイズに挑戦!