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2019年03月05日

在宅での呼吸リハビリテーションの内容は?

『人工呼吸ケアのすべてがわかる本』より転載。

今回は「在宅での呼吸リハビリテーション」に関するQ&Aです。

 

藤田吾郎
東京慈恵会医科大学附属病院リハビリテーション科

 

在宅での呼吸リハビリテーションの内容は?

患者が安心して在宅生活を送るために行われるすべてのサポートが含まれます。
特に、ADLとQOLの維持・向上という視点が重要です。

 

〈目次〉

 

在宅での呼吸リハビリテーション

在宅で行う呼吸リハビリテーションには、安心して在宅生活を送るためのすべてのサポートが含まれる。運動療法や理学療法などの狭義のリハビリテーション手技をもって、呼吸リハビリテーションとはいえない。

在宅で行われる運動・呼吸機能に対するアプローチは、呼吸器離脱を目的とした急性期回復期のアプローチとは異なる。

主に、筋骨格系の運動機能を維持するための運動療法、人工呼吸器合併症の予防や呼吸ケアとしての気道クリアランス法、QOLやADLの維持を目的としたリハビリテーションが挙げられる。

 

人工呼吸器装着患者への在宅呼吸リハビリテーション

1筋骨格系の機能低下に対するアプローチ

人工呼吸器装着中の患者は、どうしても臥床時間が長くなる。また、多くの場合、原疾患そのものが動作に必要な四肢・体幹の筋骨格系の機能低下を招いている。したがって、ROM(関節可動域運動)や、筋力増強運動が必要となる。

自動運動が可能な患者には、しっかりと自主トレーニングを指導する。

神経筋疾患などにより自動運動が難しい場合には、負担にならない程度に家族が行えるような指導が必要である。

 

2人工呼吸器関連の合併症予防のアプローチ

人工呼吸器関連の合併症を防ぐためには、気道クリアランスを保つ必要がある。

基本的な体位ドレナージについては、本人や家族でも可能であるため、入院中または訪問リハビリテーションにおいてしっかりと指導する。

介助や排痰介助が必要な神経筋疾患や脊髄損傷患者に対しては、適応があれば器械による咳介助(MAC、MI-E)が有用な場合もある(図1)。

図1非侵襲的な排痰補助装置

 

3ADL・QOL低下に対するアプローチ

人工呼吸器管理下の患者では、原疾患や呼吸器疾患由来ではなく、ベッドレストによる二次的合併症としてのADL低下、さらにはQOL低下が起こる。

車椅子乗車を支援することは、患者の離床機会を増やし、身体活動量を増加させ、生活リズムを整えるとともに気分転換を図ることにもつながる。

車椅子乗車が困難な患者で身体活動量を増加させるには、ベッド上でも可能なサイクルエルゴメータを利用することもできる(図2)。

図2サイクルエルゴメータ

 

略語

  • ROM(range of motion):関節可動域
  • MAC(mechanically assisted coughing)
  • MI-E(mechanical insufflator-exsufflator)

[文献]

  • (1)American College of Sports Medicine. ACSM’s Guidelines for Exercise Testing and Prescription, 8th ed. Riverwoods, Wolters Kluwer Health, 2011.

本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新人工呼吸ケアのすべてがわかる本』 (編集)道又元裕/2016年1月刊行/ 照林社

著作権について

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  • 2.患者さんが麻酔から十分に覚醒していない場合は、ストレッチャーへ移乗させてからドレーン類を整理する。
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  • 4.患者さんに挿入されているライン類はたるみや引っ掛かりがないかを移乗前に確認し、スタッフで共有してからリーダーの声掛けで移乗させる。
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