1. 看護roo!>
  2. 看護・ケア>
  3. 人工呼吸ケアのすべてがわかる>
  4. 呼吸リハビリテーションにおける運動の際の管理は、どうしたらいいの?

2019年02月12日

呼吸リハビリテーションにおける運動の際の管理は、どうしたらいいの?

『人工呼吸ケアのすべてがわかる本』より転載。

今回は「呼吸リハビリテーションにおける運動管理」に関するQ&Aです。

 

藤田吾郎
東京慈恵会医科大学附属病院リハビリテーション科

 

呼吸リハビリテーションにおける運動の際の管理は、どうしたらいいの?

運動療法の管理には、プログラムマネジメント(適切な運動処方に基づいて実施する)と、リスクマネジメント(その運動が適切に行われているかをモニタリングする)の両面が求められます。

 

〈目次〉

 

運動療法の管理

人工呼吸器管理下であっても運動療法は可能であり、適切な運動処方に基づいたプログラムのマネジメントが必要である。

運動処方の原則はFITT(フィット)で表される(表1)。

表1運動処方の原則「FITT」

F Frequency 運動の頻度
I Intensity 運動の強度
T Time 運動の持続時間
T Type 運動の種類

AAHPERD. Physical Education for Lifelong Fitness: The Physical Best Teacher’s Guide, Champaign: Human Kinetics; 1999: 78-79.

例えば、歩行や自転車エルゴメーターなどの有酸素運動、またはレジスタンス運動という種類のエクササイズを、週に何回、どのくらいの強さで、どのくらいの時間行うのかといったプログラムを立案する必要がある。

こうした運動プログラムが、安全かつ効果的に行われているかをモニタリングするリスクマネジメントも必要である。

 

臨床場面での運動の管理

経皮的酸素飽和度モニタ(パルスオキシメータ)やモニター心電図などの機器を利用した監視下運動療法が運動の管理として重要である。

Borg(ボルグ)CR-10(Category-Ratio10)スケール(表2)による呼吸困難や下肢の疲労感などの自覚症状の評価、さらに呼吸パターンの変化を観察することによって得られる情報も多い。

表2Borg Category Ratio-10スケール

0 感じない nothing at all
0.5 非常に弱い very very weak
1 やや弱い very weak
2 弱い weak
3    
4 多少強い somewhat strong
5 強い strong
6    
7 とても強い very strong
8    
9    
10 非常に強い very very strong

Borg G. Psychophysical scaling with applications in physical work and the perception of exertion. Scand J Work Environ Health1990;16:55-58.

呼吸リハビリテーションマニュアルでは、運動療法の中止基準を表3のように定めている。

表3運動療法の中止基準

呼吸困難 Borg CR-10スケール 7~9
その他の自覚症状 胸痛、動悸、疲労、めまい、ふらつき、チアノーゼなど
心拍数 年齢別最大心拍数の85%に達したとき(肺性心を伴うCOPDでは65~70%)、不変ないし減少したとき
呼吸回数 毎分30回以上
血圧 高度に収縮期血圧が下降したり、拡張期血圧が上昇したとき
SpO2 90%未満になったとき

日本呼吸ケアリハビリテーション学会呼吸リハビリテーション委員会ワーキンググループ : 呼吸リハビリテーションマニュアル─運動療法 第2版. 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会, 日本呼吸器学会, 日本リハビリテーション医学会, 日本理学療法士協会 編, 照林社, 東京, 2003.より引用

しかし、人工呼吸器管理下の患者の運動療法においては、必ずしもこれらの基準が臨床所見としてふさわしくない状況がある。

そうした場合には、個々の身体的状態に合わせ、各施設・部門で定めた基準に従って管理を行うべきである。

 


[文献]

  • (1)日本呼吸ケアリハビリテーション学会呼吸リハビリテーション委員会,日本呼吸器学会ガイドライン施行管理委員会,日本リハビリテーション医学会診療ガイドライン委員会・呼吸リハビリテーションガイドライン策定委員会,日本理学療法士協会呼吸リハビリテーションガイドライン作成委員会編 : 呼吸リハビリテーションマニュアル─患者教育の考え方と実践-. 照林社, 東京, 2007.
  • (2)AAHPERD. Physical Education for Lifelong Fitness: The Physical Best Teacher’s Guide, Champaign:Human Kinetics;1999:78-79.
  • (3)Borg G. Psychophysical scaling with applications in physical work and the perception of exertion. Scand J Work Environ Health1990;16(suppl 1): 55-58.

本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新人工呼吸ケアのすべてがわかる本』 (編集)道又元裕/2016年1月刊行/ 照林社

著作権について

この連載

もっと見る

関連記事

いちおし記事

【マンガ】それでも看護をする理由~Case.2 みお~(7)

「プリが悪い」「新人が悪い」「先輩が悪い」で終わりでいい? 指導をめぐるさまざまな立場の想い。 [ 記事を読む ]

胃瘻に関する基礎知識

胃瘻の目的や禁忌をわかりやすく解説! [ 記事を読む ]

人気トピック

もっと見る

看護師みんなのアンケート

payサービス使ってる?

投票数:
1816
実施期間:
2019年08月30日 2019年09月20日

あなたのハマっている沼は何?

投票数:
1356
実施期間:
2019年09月03日 2019年09月24日

旅行のおすすめスポットある?

投票数:
1247
実施期間:
2019年09月06日 2019年09月27日

学生時代の実習、国試勉強との両立はうまくできた?

投票数:
1119
実施期間:
2019年09月10日 2019年10月01日

SNSで嫌な気分になったことある?

投票数:
1021
実施期間:
2019年09月13日 2019年10月04日

ナースの現場、気が利くで賞!

投票数:
691
実施期間:
2019年09月17日 2019年10月15日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者5271

簡易血糖測定の方法について、正しい方法は、次のうちどれでしょう。

  • 1.簡易血糖測定には、主に静脈からの採血を用いて測定する。
  • 2.使用する血液の量は、直径2mmの半球程度の量でよい。
  • 3.医療従事者が患者さんの耳朶から血液を採取する際は、穿刺部位の安定を図るため、耳朶の裏に指を当てて、しっかり固定した上で穿刺する。
  • 4.血液が十分に採取できない場合は、穿刺部位を絞り出して採取する必要がある。
今日のクイズに挑戦!