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2018年08月19日

術後、ベッド上での下肢運動は静脈血栓塞栓症予防に効果的?

『術前・術後ケアのこれって正しい?Q&A100』より転載。
今回は「術後のベッド上での下肢運動」に関するQ&Aです。

竹本由香梨
大阪市立総合医療センター看護部
編著 西口幸雄
大阪市立十三市民病院病院長

 

術後、ベッド上での下肢運動は静脈血栓塞栓症予防に効果的?

はい。足関節運動がDVT(深部静脈血栓症)予防に最も適しているといわれています。

〈目次〉

 

下肢運動はどう行う?

DVTは、ほとんどが下肢および骨盤内の静脈に無症候性に発症します。

そのため、その発症予防が大切になります。なかでも下肢への静脈うっ滞の予防が最も重要です。

予防には、早期離床・運動療法・圧迫法(弾性ストッキング・間欠的空気圧迫法)などがあり、理学的予防法における看護師の担う役割は大きいといわれています。

 

その根拠は?

Sochartらは、健常者20名を対象に足関節運動(背屈・底屈・内旋・外旋および、これらすべてを組み合わせた運動)を自動的・他動的に施行し、それぞれにおける大腿静脈血流速度の増加の割合について検討を行っています。

その結果、すべてを組み合わせた自動運動が平均38%・最大流速58%と高い増加率を示したことから、足関節運動は、静脈うっ滞除去効果が高いとされています(1)。

 

下肢運動はどう行う?

患者自身で行う下肢の運動は効果的な予防法の1つです(図1)。

図1ベッドサイドで行える下肢運動

ベッドサイドで行える下肢運動

 

純粋な足関節・背屈運動は、「足のつま先を振る、下肢で輪を描くように動かす、足のつま先の屈伸、マットレスに膝のくぼみを押しつける」などの運動よりも静脈還流促進効果は高いといわれています(1)。

回数についての明確なエビデンスはありませんが、回数を設定して行うと患者にはわかりやすく意欲もわくでしょう。

早期離床は何よりも効果の高い予防法です。端座位や立位をとったり、歩行することで下肢の静脈還流が増加し静脈血のうっ滞が軽減されます。そのため術後は運動を促すとともに、早期離床をめざします。

DVT予防のための運動療法では、足関節運動のなかでも特に自動足関節背屈運動が推奨されますが、自動運動が不可能な患者さんの場合は、医療者による他動運動を行います(1)

 


[文献]

  • (1)森知子:静脈血栓塞栓症の予防法 1)早期離床と下肢の運動.特集静脈血栓塞栓症の予防のエビデンス,EB ナーシング 2007;74:306-311.
  • (2)川島みどり,鈴木篤監修:改訂版外科系実践的看護マニュアル.看護の科学社,東京,2009.

本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。

[出典] 『術前・術後ケアのこれって正しい?Q&A100』 (編著)西口幸雄/2014年5月刊行/ 株式会社照林社

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