1. 看護roo!>
  2. 看護・ケア>
  3. 聴診スキル講座>
  4. 小児用聴診器を成人患者さんに使用する意外な活用法|聴診スキル講座

2017年03月21日

小児用聴診器を成人患者さんに使用する意外な活用法

聴診器を使用する際のコツや、疾患ごとの聴診音のポイントについて、呼吸器内科専門医が解説している『聴診スキル講座』ですが、ここでちょっと一息。
今回は、本編とは別に、聴診に関する豆知識やグッズを紹介します。

コラムの第9話は、「小児用聴診器の意外な活用法」をお届けします。

 

皿谷 健
(杏林大学医学部付属病院呼吸器内科講師)

 

そういえば、聴診器は何本持っていますか?

一本だけですけど、何本も持つ必要があるんですか?

いえいえ。
一本持っていれば十分ですが、実は聴診器は、用途によって2種類あるの知ってました?

え!? 1種類じゃないんですか?
・・・う~ん、もしかして、小児用とかがあるとか・・・?

お、正解です!
ここで成人用聴診器と小児用聴診器の違いと、ちょっとしたコツを紹介しますね。

 

〈目次〉

 

聴診器には成人用聴診器と小児用聴診器の2種類がある

普段、私たちが使用している聴診器に、成人用と小児用(新生児用)の違いがあることはご存知でしょうか? おそらく皆さんが使用しているのは成人用聴診器だと思います。

小児用聴診器は、成人用聴診器に比べて、身体に当てる膜型やベル型の面が小さいのが特徴です。身体の小さい小児(新生児)には、成人用聴診器では皮膚に聴診器を当てることが難しいため、このような専用の聴診器があります(図1)。

図1成人用聴診器と小児用聴診器の違い

成人用聴診器と小児用聴診器の違い

A:ベル型の比較、B:膜型の比較。
成人用聴診器(右)に比べ、小児用聴診器(左)のチェストピースの大きさが小さいことが一目でわかります。

(写真提供:翼工業株式会社

 

痩せている成人には小児用聴診器がオススメ

実は、この小児(新生児)用の聴診器を成人にも利用するテクニックがあります。それは、痩せている成人に使用することです。

特に、体格の小さい高齢者では肋間が狭く、成人用の聴診器の膜型、ベル型のどちらを使用しても皮膚に聴診器をぴったり当てることが難しくなります。この場合、肋骨が邪魔になり、聴診器が肋骨と肋骨の間に浮いた状態になってしまいます。おそらく、皆さんも経験したことがあるでしょう。

この場合に、小児用聴診器の膜型を使用するのがポイントです。小児用聴診器が肋間にすっぽりとはまりこんで、普段と変わりなく聴診できることが多いです(図2)。

図2痩せている高齢患者さんに対する小児用聴診器の活用法

痩せている高齢患者さんに対する小児用聴診器の活用法

A:成人用聴診器を使用した場合、B:小児用聴診器を使用した場合。
成人用聴診器では肋骨が邪魔でしたが、小児用聴診器であれば肋骨の間に入り、ピッタリと皮膚に聴診器の面を当てられます。

 

聴診器を外来に置いておく場合は、一本でも小児用聴診器があると重宝します。

 

 


[執筆者]
皿谷 健
杏林大学医学部付属病院呼吸器内科講師

[監 修](50音順)
喜舎場朝雄
沖縄県立中部病院呼吸器内科部長
工藤翔二
公益財団法人結核予防会理事長、日本医科大学名誉教授、肺音(呼吸音)研究会会長
滝澤 始
杏林大学医学部付属病院呼吸器内科教授


Illustration:田中博志


協力:翼工業株式会社


著作権について

この連載

  • 小児用聴診器を成人患者さんに使用する意外な活用法 [03/21up]

    聴診器を使用する際のコツや、疾患ごとの聴診音のポイントについて、呼吸器内科専門医が解説している『聴診スキル講座』ですが、ここでちょっと一息。 今回は、本編とは別に、聴診に関する豆知識やグッズを紹介します。 コラムの第9話は、...

  • 看護師さんにオススメする聴診の勉強会・研究会 その2 [02/14up]

    聴診器を使用する際のコツや、疾患ごとの聴診音のポイントについて、呼吸器内科専門医が解説している『聴診スキル講座』ですが、ここでちょっと一息。 今回は、本編とは別に、聴診に関する豆知識やグッズを紹介します。 コラムの第8話は、... [ 記事を読む ]

  • 看護師さんにオススメする聴診の勉強会・研究会 [12/20up]

    聴診器を使用する際のコツや、疾患ごとの聴診音のポイントについて、呼吸器内科専門医が解説している『聴診スキル講座』ですが、ここでちょっと一息。 今回は、本編とは別に、聴診に関する豆知識やグッズを紹介します。 コラムの第7話は、... [ 記事を読む ]

  • 聴診器が医師の命を救った!? 聴診器がもたらした200年 [12/13up]

    聴診器を使用する際のコツや、疾患ごとの聴診音のポイントについて、呼吸器内科専門医が解説している『聴診スキル講座』ですが、ここでちょっと一息。 今回は、本編とは別に、聴診に関する豆知識やグッズを紹介します。 コラムの第6話は、... [ 記事を読む ]

  • 気胸の疾患解説 [11/22up]

    この【実践編】では、呼吸器内科専門医の筆者が、疾患の解説と、聴診音をもとに聴診のポイントを解説していきます。 ここで紹介する聴診音は、筆者が臨床現場で録音したものです。眼と耳で理解できる解説になっているので、必見・必聴です! よ... [ 記事を読む ]

もっと見る

関連記事

  • 呼吸とは何だろう?|呼吸器に関するQ&A(1) [04/08up]

    『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。 今回は「呼吸」に関するQ&Aです。   〈目次〉 1.呼吸とは何だろう? 2.外呼吸と内呼吸って何が違うの? 3.肺はどのようにして空気を取り入れるの?... [ 記事を読む ]

  • ウィーニングが進まないときは、どうすればいいの?|人工呼吸ケア [11/04up]

    『人工呼吸ケアのすべてがわかる本』より転載。 今回は「ウィーニングの失敗」に関するQ&Aです。 ウィーニングが進まないときは、どうすればいいの? ウィーニングに影響する可能性がある、呼吸負荷、心臓負荷、... [ 記事を読む ]

  • 酸素を使わず、呼吸する?|呼吸する(1) [07/30up]

    解剖生理が苦手なナースのための解説書『解剖生理をおもしろく学ぶ』より 今回は、呼吸器系についてのお話の1回目です。 〈前回の内容〉 いざ、毛細血管の中へ|流れる・運ぶ(5) 解剖生理学の面白さを知るため、身体を冒... [ 記事を読む ]

  • 肝内胆管拡張症は閉塞性黄疸のサイン [08/31up]

    画像検査のなかでも、エコー(超音波)検査は、侵襲度が低く、簡便に行える検査です。 外来や病棟で、看護師が目にすることの多いエコー検査について、コツやポイントを消化器内科医が解説します。 今回は、「肝内胆管拡張症は閉塞性黄疸のサイ... [ 記事を読む ]

  • 主膵管拡張のエコー像 [01/18up]

    画像検査のなかでも、エコー(超音波)検査は、侵襲度が低く、簡便に行える検査です。 外来や病棟で、看護師が目にすることの多いエコー検査について、コツやポイントを消化器内科医が解説します。 〈前回の内容〉 主膵管拡張は膵癌... [ 記事を読む ]

いちおし記事

コミュニティナースって知ってる?

「町を健康にする」看護師の取り組みをマンガでご紹介します。 [ 記事を読む ]

睡眠障害Q&A

「夜中に目が覚める」「熟睡できない」そんな患者さんのケアは? [ 記事を読む ]

人気トピック

もっと見る

看護師みんなのアンケート

習い事、何してる?

投票数:
458
実施期間:
2017年04月07日 2017年04月28日

おしゃれだな、と思うアイテムどれ?

投票数:
546
実施期間:
2017年04月09日 2017年04月30日

ナースのサービス残業。その実態は?

投票数:
457
実施期間:
2017年04月12日 2017年05月03日

「あの頃」に戻れるならいつがいい?

投票数:
457
実施期間:
2017年04月14日 2017年05月05日

CMで、看護師のイメージアップのためのキャラクター誰がいい?

投票数:
502
実施期間:
2017年04月18日 2017年05月09日

業務中、どのくらいマスクしてる?

投票数:
410
実施期間:
2017年04月21日 2017年05月12日

恋人と別れた理由…何だった?

投票数:
298
実施期間:
2017年04月25日 2017年05月16日

夜勤の仮眠、一緒に入ってる人が寝過ごしたらどうする?

投票数:
36
実施期間:
2017年04月28日 2017年05月19日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者401

血液疾患を疑われて内科病棟に検査入院中の、83歳の女性患者さん。血小板は低値ですが、ADLは自立しています。夜間、トイレに行こうとして、転倒し、しりもちをつきました。本人は「大丈夫」とのことでしたが、痛みが激しいため、鎮痛薬が処方されました。翌朝のバイタルサインは体温35.8℃、脈拍数134回/分、血圧80/45mmHg、呼吸回数30回/分、SpO2は手が冷たく、測定できませんでした。患者さんに起こっている病態として、念頭におくべきことは何でしょうか?

  • 1.血液分布異常性ショック
  • 2.循環血液量減少性ショック
  • 3.心外閉塞・拘束性ショック
  • 4.心原性ショック
今日のクイズに挑戦!