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2018年12月11日

呼吸リハビリテーションの評価は、どんなことをすればいいの?

『人工呼吸ケアのすべてがわかる本』より転載。
今回は「呼吸リハビリテーションの評価」に関するQ&Aです。

呼吸リハビリテーションの評価は、どんなことをすればいいの?

基本的なフィジカルアセスメントや呼吸器系の検査所見に加え、動作能力にかかわる評価や、人工呼吸器が提示するデータの評価が必要です。

 

〈目次〉

 

呼吸リハビリテーションの評価

呼吸リハビリテーションのプログラムには、患者への教育・指導として、疾患に関する指導、禁煙指導および環境因子の改善、薬物療法の指導、感染予防の指導、患者の生活に合わせた動作の工夫、栄養指導、在宅酸素療法や在宅人工呼吸両方の指導、疾患の自己管理、心理面の援助、社会福祉サービスの利用、そして呼吸理学療法運動療法が含まれる。

したがって本来は、包括的評価として、臨床的所見やデータだけではなく、社会的背景も含めた情報を収集しなくてはならない。

呼吸理学療法と運動療法に関する評価項目については「呼吸リハビリテーションに関するステートメント」において表1のように勧告されている。

表1呼吸リハビリテーションに関する評価項目

A 必須の評価 問診および身体所見、スパイロメトリー、心電図、胸部X線写真、呼吸困難感(安静時、労作時)、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO
B 行うことが望ましい評価 パルスオキシメータを使った時間内歩行テスト(6分間歩行テストなど)
C 可能であれば行う評価 QOL評価(一般的、疾患特異的)、運動負荷試験、肺気量分画、呼吸筋力、動脈血液ガス分析、心理的評価
日本呼吸管理学会,日本呼吸器学会編:呼吸リハビリテーションに関するステートメント.2001,http://www.jrs.or.jp/quicklink/guidelines/statement/pdf/rehabilitation.pdf(2014年11月 18日閲覧).より引用

 

人工呼吸器装着患者に対する呼吸リハビリテーションの評価

人工呼吸器を装着している患者の呼吸リハビリテーションでは、表1の項目に加え、ベッドレストやICU−AWに伴う筋力低下などの筋骨格系の機能の評価や、栄養管理に関する評価も必要となる。

人工呼吸器管理下で運動を行うため、機器が提示する各種のパラメータや、状況によっては鎮痛・鎮静、せん妄などの評価も必須である。

集中治療管理下の患者の状態は刻々と変化するため、リハビリテーションを行う際には定期的に再評価を行わなければならない。

急性期や維持期といったステージによって状況はまったく異なるため、患者の状態に応じた評価項目の選択が求められる。関連する評価項目を表2に示す。

表2呼吸リハビリテーションに必要な評価

基本的情報 現病歴既往歴家族歴喫煙歴(Blinkman指数)、職業歴、併発疾患、治療薬剤
身体所見 バイタルサイン、視診(呼吸回数と深さ、呼吸パターン、呼吸補助筋、胸廓や脊柱の形状、皮膚温、チアノーゼばち状指、頸静脈怒張、浮腫)、触診(胸廓の柔軟性、呼吸筋の筋緊張)、打診、聴診
臨床症状 呼吸困難感(VAS、OCD、Borg CR-10 Scale、mMRC Scale 、BDITDI、痰
検査所見 肺機能検査(スパイロメトリー、肺気量分画、肺拡散能など)、動脈血液ガス分析、動脈血酸素飽和度、カプノメトリー、胸部X線、胸部CT、肺血流・換気シンチグラフィー、心電図、心エコー、肺動脈カテーテル検査、最大吸気筋力(口腔内圧)、運動耐用能(6分間歩行試験、シャトルウォーキングテスト、心肺運動負荷試験)
栄養評価 身長体重、BMI、FFM、血清アルブミンなどの栄養関連データ、栄養管理方法
筋骨格系・身体活動関連 徒手筋力検査、握力、関節可動域検査、痛み、身体活動量、EIHの有無
ADL P-ADL、NRADL
QOL CRQ、SGRQ、CAT
心理社会的評価 HADS、CES-D、GHQ
精神・神経症状 意識レベル(GCS、JCS)、鎮痛(VAS、NRS、フェイス・スケール)、鎮静(Ramsay Score、SAS)、せん妄(CAM-ICU
人工呼吸器関連の各種パラメータ モードなど各種設定、肺メカニクス、グラフィック波形、加温加湿、回路・接続部の状況

略語

  • ICU−AW(ICU-acquired weakness)
  • VAS(visual analogue scale)
  • OCD(oxygen cost diagram)
  • CR-10(category-ratio10)
  • mMRC(modified medical research council)
  • BDI(baseline dyspnea index)
  • TDI(transition dyspnea index)
  • BMI(body mass index)
  • FFM(fat-free mass):除脂肪体重
  • EIH(exercise induced hypoxemia):運動誘発性低酸素血症
  • P-ADL(pulmonary emphysema-ADL):肺気腫患者用ADL評価表
  • NRADL(Nagasaki university respiratory activities of daily living questionnaire):長崎大学呼吸器日常生活評価表
  • CRQ(chronic respiratory disease questionnaire)
  • SGRQ(St. George’s respiratory questionnaire)
  • CAT(COPD assessment test)
  • HADS(hospital anxiety and depression scale):不安・抑うつ測定尺度
  • CES-D(center for epidemiologic scale of depression):うつ病自己評価尺度
  • GHQ(general health questionnaire):精神健康調査
  • GCS(Glasgow Coma Scale):グラスゴーコーマスケール
  • JCS(Japan Coma Scale):ジャパンコーマスケール
  • VAS(visual analog scale):ビジュアルアナログスケール
  • NRS(numeral rating scale):数値評価スケール
  • SAS(sedation-agitation scale)
  • CAM-ICU(confusion assessment method for the ICU)

[Profile]
藤田吾郎
東京慈恵会医科大学附属病院リハビリテーション科


本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。

[出典]『新人工呼吸ケアのすべてがわかる本』(編集)道又元裕/2016年1月刊行

新 人工呼吸ケアのすべてがわかる本

著作権について

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