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2019年08月30日

熱布清拭と石鹸清拭を使い分けるのはなぜ?|清拭

看護技術のなぜ?ガイドブック

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

今回は清拭の使い分けに関するQ&Aです。

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

熱布清拭と石鹸清拭を使い分けるのはなぜ?

熱布(ねっぷ)清拭にも石鹸清拭にも、それぞれ利点と欠点があります。患者の体調や皮膚の状態によって、適している方法を選択する必要があります。

熱布清拭は、入浴に近い感じを与えることができます。70℃前後の熱い湯に浸して絞ったバスタオルで患者の体を覆い、その上に乾いたバスタオルをかけて5~10分ほど蒸らします。入浴に匹敵するくらい体が温まり、リラックス効果をもたらします。また、全身的な生理機能も高まり、腸管の蠕動運動を促進したり、褥瘡や血栓の予防効果、鎮痛の効果もあります。従って、全身を清拭するためではなく、局所的にこの方法を用います。疲労感を感じさせずに比較的短時間で皮膚を清潔にできるのが利点ですが、汗やほこりは除けるものの、皮脂汚れは落とせません。体臭を取りきれない場合もあります。

これに対して石鹸清拭は、脱脂作用や殺菌作用などによって汚れがきれいになり、患者の爽快感が増すという利点があります。しかし、皮膚の油脂成分を取り過ぎるという欠点もあります。石鹸成分をきちんと拭き取らないと皮膚表面がアルカリ化し、かえって皮膚の状態を悪化させます。また、全身の石鹸清拭を行うと1時間近くかかり、体調のすぐれない患者には大きな負担になります。熱布清拭と石鹸清拭を組み合わせると、より効果的です。

石鹸の代わりに清拭剤や沐浴剤を使う方法もあります。使用が簡単で時間がかからず、疲労感も少なく、脱脂作用が少ないので皮膚の保護に有効——などの利点があります。しかし、石鹸に比べて汚れが落ちにくく、成分によってはC痒感や刺激が強い場合もあります。

いずれの方法であっても、清拭を行う場合は患者の体調や皮膚の状態を十分に観察し、負担が大きいと判断される場合は、複数の看護師でできるだけ短時間で終了させるという配慮も必要です。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。/著作権所有(C)2016照林社

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

参考文献

著作権について

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