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2017年08月18日

カバジタキセル療法(看護・ケアのポイント)/前立腺がん

この連載では、抗がん剤のポイントや注意点について解説します。
今回は、前立腺がん(前立腺癌)の患者さんに使用する抗がん剤「カバジタキセル療法」について、看護・ケアのポイントについて紹介します。

第1話:『カバジタキセル療法(化学療法のポイント)/前立腺がん

カバジタキセル療法

和田耕一郎
(岡山大学病院 泌尿器科)

 

カバジタキセル療法のポイントA・B・C

  • ポイントA:副作用として、好中球減少症が必発と言われているので、特に発熱に注意しよう!
  • ポイントB:ステロイドを毎日服用するため、薬剤管理を徹底し、急な服用中断が起きないようにチェックしよう!
  • ポイントC:退院後も発熱や咳などの異常があれば病院に連絡するように、患者さんに伝えよう!

 

〈目次〉

 

必ず覚えて! カバジタキセル療法の注意点

投与前の注意点

投与する患者さんはほぼドセタキセル療法の治療歴があるため、好中球減少や間質性肺炎、肝機能障害などの副作用がなかったかチェックします。

次に、レジメンに間違いがないかチェックします。カバジタキセル療法では、プレドニゾロン(プレドニン)の経口投与がセットになっていますので、抜けていないかチェックしましょう。

さらに、翌日に持続型G-CSF製剤のペグフィルグラスチム(ジーラスタ)の投与が行われることが多いので、投与予定を主治医に確認しておくとよいでしょう。

 

投与中の注意点

投与の際には、ドセタキセル療法と同様にバイタルサインをチェックして開始します。カバジタキセル(ジェブタナ)の投与開始後、アナフィラキシー反応の有無について観察を行います。バイタルサインの乱れがなければ、投与を継続します。

 

投与後の注意点

投与直後には、バイタルサインや皮膚の変化をチェックして、自覚症状がないかどうか問診します。

投与後翌日からは、疲労感、悪心、下痢、食欲低下などがないか問診します。ドセタキセル療法と比べ、末梢神経障害や脱毛、浮腫が少ないといわれています。

カバジタキセル療法を受ける患者さんは、高齢者が多いため、軽度の副作用でもなるべく詳細にチェックして記録しておきましょう。

 

カバジタキセル療法時の申し送り時のポイント

アレルギーの有無、過去のドセタキセル(タキソテール)の投与歴、副作用歴、その重症度を申し送りましょう。カバジタキセル投与後、持続型G-CSF製剤のペグフィルグラスチム(ジーラスタ)の投与の有無、現在の白血球(好中球)減少の有無、それに対する治療(抗菌薬など)、指導内容を申し送るとよいでしょう。

 

カバジタキセル療法施行中の申し送り例

去勢抵抗性前立腺がんに対して、ドセタキセル療法を20コース施行後の患者さんです。現在、カバジタキセル療法1コース目の9日目ですが、本コースの2日目にはペグフィルグラスチム(ジーラスタ)の投与が行われています。
昨夜から37.8℃の発熱があり、白血球も780/μLに低下を認めたため、発熱性好中球減少症(FN)として、血液培養と尿培養、メロペネム(メロペン)の投与が開始されています。
本日は37.0℃まで解熱していますが、血圧の低下や発熱に注意が必要です。
手洗いとうがいの励行、食事も加熱食に変更していますが、見舞客や、ほかの感染性疾患の患者さんとの接触に注意してください。

 

カバジタキセル療法時の看護記録に記載すべきこと

現在カバジタキセル療法の「○コース目、○日目」なのかを記載しましょう。

次に、投与後の副作用の種類と出現時期、現在の状況を記載しましょう。特に、発熱や呼吸器症状の有無については、発熱性好中球減少症(FN;腋窩温で37.5℃以上)や間質性肺炎など、重篤な副作用のヒントになるので、必ず記載しましょう。

糖尿病のある症例では、ステロイドによって血糖コントロールが悪化する可能性があります。血糖値の記載と、場合によっては主治医に報告することも必要です。

 

カバジタキセル療法のポイントA

  • 副作用として、好中球減少症が必発と言われているので、特に発熱に注意しよう!

 

患者ケア・看護ケアはココを押さえる

ドセタキセル療法やカバジタキセル療法を行う患者さんは高齢であることが多く、入院そのものが大きなストレスになります。そのため、睡眠障害や見当識障害の有無を観察し、服薬状況の確認にも注意が必要です。

前コースで、大きな副作用がみられなかった場合や入院が困難な場合、次の投与を外来で行うかどうかを主治医と相談することもあります。

退院後は、ステロイドを中心とした服薬管理をご自身や高齢の配偶者と行うことにもなるため、服薬アドヒアランスの評価や体調不良となった際の計画を退院前に立てておくことが必要です。

 

カバジタキセル療法のポイントB

  • ステロイドを毎日服用するため、薬剤管理を徹底し、急な服用中断が起きないようにチェックしよう!

 

カバジタキセル療法のポイントC

  • 退院後も発熱や咳などの異常があれば病院に連絡するように、患者さんに伝えよう!

 

[関連記事]

 


[文 献]

  • (1)日本泌尿器科学会編. 前立腺癌診療ガイドライン -2016年版-. メディカルレビュー社; 大阪: 2016.
  • (2)日本泌尿器科学会編. 精巣腫瘍診療ガイドライン -2015年版-. 金原出版; 東京: 2015.

[監 修]
齋藤信也
岡山大学大学院保健学研究科 教授

[編 集]
西森久和
岡山大学病院 血液・腫瘍内科

[執 筆]
和田耕一郎
岡山大学病院 泌尿器科


*本連載では、登録商標マーク®の記載はすべて省略しています。

著作権について

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今日の看護クイズ 挑戦者747

あなたはリーダー看護師より、輸血管理部門へ行き、「照射赤血球濃厚液(RCC)」と融解前の「新鮮凍結血漿(FFP)」とを受け取ってくるように依頼を受けました。搬送中および病棟での管理で最も正しいものは、次のうちどれでしょうか?

  • 1.「照射赤血球濃厚液(RCC)」は温度管理が不適切になると、機能低下が生じるため、冷凍した保冷剤を入れた保冷搬送容器を用いて搬送した。
  • 2.「照射赤血球濃厚液(RCC)」と「新鮮凍結血漿(FFP)」を1つの保冷搬送容器に梱包して丁寧に搬送した。
  • 3.「新鮮凍結血漿(FFP)」は、温度管理が不適切になると、機能低下が生じるため、保冷剤を入れた保冷搬送容器で搬送した。
  • 4.病棟では、「照射赤血球濃厚液(RCC)」は一般用冷蔵庫へ、「新鮮凍結血漿(FFP)」は一般用冷凍庫へ分けて収納した。
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