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2017年01月08日

ドレナージの目的と適応 | ドレーン・カテーテル・チューブ管理

ドレーン・カテーテル・チューブ管理 完全ガイド

ドレーンカテーテル・チューブ管理完全ガイド』より転載。

今回はドレナージの目的と適応について説明します。

 

窪田敬一
獨協医科大学医学部第二外科教授

 

Point

  • ドレナージの分類には、「治療的ドレナージ」「予防的ドレナージ」「情報(インフォメーション)ドレナージ」の3つがある。
  • 治療的ドレナージは膿瘍や血腫、術後の貯留液に対して適応となる。
  • 予防的ドレナージは、「患者側」と「手術手技」の因子が認められる場合に適応となる。インフォメーションドレナージは因子が認められないときでも適応となることが多い。

 

〈目次〉

 

ドレナージの目的

ドレナージ(排液)とは、血液・膿・滲出液・消化液などの感染原因の除去や減圧目的で患者の体外に誘導、排泄することである。

ドレナージのために挿入する管をドレーンチューブ(ドレーン)という。

ドレナージは、患者を管理するにあたって臨床上きわめて重要な処置であり、種類や目的ごとに得られる情報、管理方法などについて熟知しておかなくてはならない。目的別のドレナージの分類を、以下に示す。

 

治療的ドレナージ

体内に貯留した血液・滲出液は、感染の原因となることがある。膿は、それ自体が発熱の原因となる。また、頭内の血腫は頭蓋内圧亢進の原因となるので、それらを除去しなければならない。

上記のように、体内に貯留した液体を治療目的でドレナージすることを治療的ドレナージという。

 

予防的ドレナージ

手術後に出血・滲出液・消化液などの貯留が予想されるとき、あらかじめ腹腔内や胸腔内などの最も有効と思われる位置にドレーンを留置し、感染を防止するためのドレナージである。

外科手術後の硬膜外ドレナージや脳室ドレナージ、消化管吻合術後に留置する腸瘻ドレナージは、減圧目的の予防的ドレナージである。

 

情報(インフォメーション)ドレナージ

術後の出血、滲出液の貯留、縫合不全などの手術施行に伴って引き起こされた異常状態を、すみやかに知るためのドレナージである。ただし、予防的ドレナージとの厳密な区別は困難である。

 

ドレナージの適応

前述の分類にしたがって、それぞれのドレナージの適応について以下に述べる(表1)。

表1ドレナージの目的と適応

ドレナージの目的と適応

 

治療的ドレナージ

出血、膿、滲出液などの貯留が明らかで、かつ、それらが原因となって臨床症状が出現しており、保存的治療では治癒・軽快が期待できなければ、ドレナージの適応となりうる。

(例)感染、外傷などにより貯留した膿瘍、血腫など。術後に腹腔内に貯留した血液、消化液、滲出液など。

 

予防的ドレナージ

予防的ドレナージの適応については、患者側因子および手術手技因子に分けて考えると理解しやすい。以下の1つでも認められた場合は予防的ドレナージの適応となる。

患者側因子

創傷の治癒を障害・遅延させる状態、すなわち低栄養状態が認められる場合(貧血、低タンパク質症、ビタミン欠乏症など)、末梢循環不良の原因となる慢性疾患を合併している場合(糖尿病、肝硬変など)、自己免疫疾患などに対し長期間のステロイド投与を行っている場合など。

手術手技因子

癌の根治手術で広範なリンパ節郭清を行い、大量のリンパ液の滲出が予想される場合、肝切除・骨盤内全摘術など大きな死腔が存在する場合、消化管吻合部に血行不良・過緊張が認められ縫合不全が懸念される場合、手術施行部位にすでに感染が認められる場合など。

 

情報(インフォメーション)ドレナージ

適応は予防的ドレナージとほぼ同じであるが、前述の因子が認められない場合でも術後ルーチンに留置される場合が多い。

***

以上、ドレナージの意義および適応について目的別に述べた。

実際に臨床の場でドレナージを施行されている患者に対しては、ドレーンの挿入部位はいうまでもなく、その目的、排液の性状、量、またそれらの情報から推測される患者の状態を念頭に置いて観察する必要がある。

 


[Profile]
窪田敬一
獨協医科大学医学部第二外科教授/大学病院副院長

*略歴は掲載時のものです。


[引用・参考文献]

  • (1)窪田敬一:ドレナージの種類と方法:出月康夫 編,図解ドレナージハンドブック,中外医学社,東京,1995:2-6.

本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。/著作権所有(C)2015照林社

[出典] 『ドレーン・カテーテル・チューブ管理完全ガイド第一版』 (編著)窪田敬一/2015年7月刊行/ 株式会社照林社

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