フィードバック機構って何のこと?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「フィードバック機構」に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
フィードバック機構って何のこと?
フィードバック機構とは制御対象物が制御物質をコントロールすることです。
例えば、上皮小体ホルモン(パラソルモン)は血中のカルシウムイオン濃度が低下すると分泌されますが、カルシウムイオン濃度がある程度以上になると、パラソルモンの分泌を抑制するように働きます(負のフィードバック)。
また、視床下部から分泌される甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)は、下垂体前葉に働いて甲状腺刺激ホルモン(TSH)を分泌させます。この甲状腺刺激ホルモンは甲状腺に働いて、甲状腺ホルモン(サイロキシン)とトリヨードサイロニンの分泌を促します。
甲状腺ホルモンの血中濃度がある程度以上になると、視床下部がそれを感知し、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌が低下します。すると甲状腺刺激ホルモンの分泌も低下し、甲状腺ホルモンの分泌も低下します。これが負のフィードバックです。
下垂体後葉から分泌されるオキシトシンは子宮収縮を起こし、それが神経反射を介して間脳を刺激し、オキシトシンがさらに分泌され分娩が起こります。これが正のフィードバックです。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版