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2017年01月10日

Q & Aでわかる 医療訴訟の件数と看護師さんが訴訟に合う件数

看護師さんにとって、医療事故や医療訴訟は決して他人事ではありません。
第1話と第2話では、「知らない間に患者さんが転倒骨折した事例」を元に医療事故の対応方法や、看護師が知っておくべき医療に関する法律について、解説してきました。
ここでは、看護師の皆さんが、法律について疑問に思うことをQ & A(Question & Answer)形式で解説します。
第3話は、「医療訴訟の件数と看護師さんが訴訟に合う件数」についての「Q & A」です。

 

 

大磯義一郎、森 亘平
(浜松医科大学医学部「医療法学」教室)

 

看護師さんの日常業務にも、医療訴訟につながる危険性があることは理解いただけたと思います。

患者さんの命にかかわることなので、常に気をつけようと思います。
そういえば、テレビなどで、医療訴訟の話題をよく聞きますが、医療訴訟はどれぐらい起こっているんですか?

とても気になる話ですよね。
それでは、今回は、医療訴訟と看護師さんが合う訴訟の件数を解説します。

 

医療訴訟の件数と看護師さんが訴訟に巻き込まれる件数はどれぐらい?

医療訴訟の件数や看護師さんが訴訟に巻き込まれる件数は、どう変わってきているんですか?

医療訴訟全体の件数は一時期より減少していますが、近年、再び増加しています。
看護師さんが医療訴訟に合う件数は、以前に比べて、大きく増加しています。

 

近年、医療訴訟全体の件数は落ち着いてきたが、少しずつ増加している

医療訴訟全体の件数は、前回紹介した『患者さんを取り違えた事例』があった1999年を契機に急速に増加し、5年間で倍近くの件数になりました(図1)。

図1医療関係訴訟件数の推移

医療関係訴訟件数の推移

緑色は医療訴訟全体の件数で、青色は看護・介護関係の訴訟の件数です。

(裁判所ホームページのデータを元に作成)

 

2005年以降、医療訴訟の件数は減少傾向にありますが、ここ数年、少しずつ増加しています。現在は、おおよそ年間800件前後で推移しています。

 

看護師さんの医療訴訟の件数は10年前に比べて大きく増加している

次に、看護師さんの訴訟件数を見ていきましょう。診療科目別の医療訴訟件数のうち、「その他」に分類されているものの多くが療養上の世話で、看護師さんが医療訴訟に合う件数となります(表1)。

表1診療科目別の医療訴訟件数

診療科目別の医療訴訟件数

看護師さんが訴訟の対象になった件数は、年間98件で全体の13.1%を占め、診療科目別では外科に次いで3番目に多くなっています(2015年)。
歯科も増加していますが、これはインプラントの増加に伴う訴訟が増えたためです。

(裁判所ホームページのデータを元に作成)

 

実は、看護師さんの医療訴訟が増加したのは、ここ数年のことです。医療訴訟件数が同程度だった2000年と比較すると、看護師さんの訴訟が倍増(48件から98件に増加)していることがわかります。これは、「患者さんが転んだ」や、「喉に詰まった」という事例などは、医療行為に詳しくない弁護士や一般人でも、全体像を理解しやすいため、訴訟を起こすケースが増えているためです。

また、歯科で訴訟が増加しているのは、インプラントの増加によるものですが、美容形成と同様に、営利目的の診療は医療者側が敗訴する確率が高いため、訴訟になるケースが増えています。

 

Point!

  • 医療訴訟の件数は一時期より減少したが、近年、少しずつ増加している。
  • 看護師さんが医療訴訟に巻き込まれる件数は以前に比べ、倍増している。

 

⇒『ナース×医療訴訟』の【総目次】を見る

 


[執筆者]
大磯義一郎
浜松医科大学医学部「医療法学」教室 教授
森 亘平
浜松医科大学医学部「医療法学」教室 研究員


著作権について

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