神経の構造

 

『看護のための病気のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は神経の構造について解説します。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

〈目次〉

 

神経の構造

は、組織学的に神経細胞(ニューロン)と神経膠細胞(グリア細胞)から構成されています。

 

脳と脊髄の神経細胞は、感覚器から情報を受け取り、それを分析して内臓や四肢の筋肉に指令を出すため、中枢神経と呼ばれています。

 

神経細胞(ニューロン)

神経細胞は基本的に核をもつ神経細胞体とそこから細長く伸びた刺激受容性の樹状突起と、刺激伝達性の軸索(神経突起)、軸索終末(神経終末)からなります。そして、次の神経細胞とシナプス(神経細胞同士の結合)を形成します。

神経細胞(ニューロン)

 

その役割は、神経情報を全身または局所に伝達することで、樹状突起から神経細胞体、軸索へと神経情報は流れていきます。

 

神経膠細胞(グリア細胞)

神経膠細胞には、神経細胞の支持・栄養、血液脳関門の形成に機能する星状膠細胞、髄鞘形成のための希突起膠細胞、貪食能を有する小膠細胞(ミクログリア)があります。

 

神経伝達物質の受容体を持ち、神経細胞と似たような働きをし、記憶や学習といった高次脳機能を支えていると考えられています。

 

神経膠細胞(グリア細胞)

 

 

末梢神経

末梢神経の分類の仕方は、次の3つがあります。

 

信号の方向による分類:神経情報(電気信号)を中枢神経に送るのが求心性(上行性)神経で、中枢神経が下した判断を末端の筋肉に伝達するのが遠心性(下行性)神経です。

 

分布による分類:内臓に分布するのは自律神経(交感神経、副交感神経)で、骨格筋に分布するのは運動神経です。

 

出入りする中枢神経による分類:脳に出入りするのを脳神経と呼びます。左右に12対あり、主に頭部や顔面、頚部を支配しています。脊髄に出入りする末梢神経を脊髄神経と呼びます。左右に31対あります。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のための病気のなぜ?ガイドブック』 (監修)山田 幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

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