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2016年11月02日

FASTのエコー像(モリソン窩)

画像検査のなかでも、エコー(超音波)検査は、侵襲度が低く、簡便に行える検査です。
外来や病棟で、看護師が目にすることの多いエコー検査について、コツやポイントを消化器内科医が解説します。

〈前回の内容〉

FASTのエコー像(右胸腔、左胸腔)

今回は、「FASTのエコー像(モリソン窩)」についてのお話です。

 

加藤真吾
(横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学教室)

 

FASTで調べる場所も、今回で3箇所目ですね。
今回はモリソン窩という場所に、エコーを当てます。

モリソン? ・・・窩? 
いったい、どこにある場所ですか?

あまり聞き慣れない言葉ですし、馴染みがないかもしれませんね。
良い機会なので、詳しく解説しますので、ここで覚えてください。

 

〈目次〉

 

FASTのエコー像(モリソン窩)

FASTは、患者さんに外傷がある場合に出血の有無を確認するためのエコー検査です。命にかかわることもあるので、外傷患者さんには必須の検査です。ここでは、モリソン窩のエコー像を紹介します(図1)。

図1モリソン窩のエコー検査を行う際にプローブを当てる位置

モリソン窩のエコー検査を行う際にプローブを当てる位置

腹部の位置にプローブを当てます。

 

モリソン窩に行うFAST

モリソン窩は、十二指腸と右腎臓の間の辺りの場所です。ここに、液体が貯留しているかどうかを確認します。

図2は、モリソン窩に液体が溜まっていない患者さんのエコー像です。

図2モリソン窩に液体がないエコー像

モリソン窩に液体がないエコー像

液体の貯留は見られません。

 

図3は、モリソン窩に液体が溜まっている患者さんのエコー像です。

図3モリソン窩に液体があるエコー像

モリソン窩に液体があるエコー像

モリソン窩(肝臓と腎臓の間)に液体(腹水)の貯留が見られます。

 

モリソン窩に液体が見られると、非常に危険な状態になっている可能性があるため、緊急止血術が必要となります。腹腔内で出血すると、多くの場合、周囲に圧迫されるものがないため、自然には出血が止まりません。このため、緊急処置を行います。

一般的に、腹腔内に液体がある場合は、ヒトが仰向けに寝た場合、最も低い位置になるモリソン窩や、この後、解説する、脾臓周囲、ダグラス窩の3つの部位のいずれかに貯留していることが多いです。

 

* * *

エコー検査の準備や、申し送り時のポイント、記録記入時のポイントは、『FASTのエコー像(心嚢腔)』と同様です。そちらの解説を参考にしてください。

 

Check Point

  • FASTでは、モリソン窩に腹水があるかを探しています。FAST陽性の場合は緊急の処置が行われます。
  • モリソン窩、脾臓周囲、ダグラス窩は、ヒトが仰向けに寝た場合、最も低い位置になります。これら3つの部位には、周囲に圧迫されるものがないため、出血しても自然には止まりません。
  • モリソン窩で出血が見られた場合は、緊急止血術が必要になります。

 

次回は、脾臓周囲に行うFASTのエコー像を紹介します。
どんな画像が見えているのか、確認してください。

 

〈次回〉

FASTのエコー像(脾臓周囲)

 

 


[執筆者]
加藤真吾
横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学教室


Illustration:田中博志


著作権について

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