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2016年10月05日

腎盂が拡張しているエコー像

画像検査のなかでも、エコー(超音波)検査は、侵襲度が低く、簡便に行える検査です。
外来や病棟で、看護師が目にすることの多いエコー検査について、コツやポイントを消化器内科医が解説します。

〈前回の内容〉

尿路結石は腎盂拡張の原因

今回は、「腎盂が拡張しているエコー像」についてのお話です。

 

加藤真吾
(横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学教室)

 

腎盂拡張(尿路結石)についてしっかりと理解してもらえましたか?
原因は小さい石ですが、身体に与える影響はとても大きいんです。

尿路結石でも、七転八倒するほどの激痛がある場合と、無症状の場合があるのにはビックリしました。
そういえば、エコーには石も映るんですか?

実は、エコーに石は映りません。
エコー検査では、石による間接的な腎臓の変化を見るんです。
ここでは、典型的なエコー画像を用意しましたので、じっくり読んでください。

 

〈目次〉

 

腎盂拡張のエコー像

まずは、腎盂が拡張していない正常な画像を紹介します(図1)。通常の状態では、腎盂のなかに多くの液体は入っていないので、腎盂のエコー画像は白っぽく映ります。

図1腎盂が拡張していないエコー像

腎盂が拡張していないエコー像

腎盂が白く映っています。

 

次に、腎盂が拡張した画像を紹介するので、図1と違いを比べてみてください(図2)。

図2腎盂が拡張したエコー像

腎盂が拡張したエコー像

腎盂の中に余分な液体が貯留しているため、腎盂が黒く映っています。
この症例では、腎盂が腎臓の外まで拡張しています。

 

腎盂の拡張を診断するためにエコー検査だけでなく、CT検査(図3)や、X線検査図4)を行う場合もあります。

図3腎盂が拡張しているCT像

腎盂が拡張しているCT像

右の腎盂は拡張していませんが、左の腎盂は拡張しています。

 

図4左尿管に結石が見えるX線像

左尿管に結石が見えるX線像

小さな白い点が見える箇所が、左の尿管にある結石です。

 

エコー検査の準備

外来や病棟でのエコー検査は医師が準備も行う場合が多いですが、看護師の介助があると、医師はとても助かります。検査の前に表1の①~⑤までの準備を行いましょう。

表1検査前に準備すべきこと

患者さんに仰臥位で寝てもらいます。
エコー機器を患者さんの右側、頭側に設置します。
服にゼリーがつかないように、胸の位置まで服をしっかりとまくり上げます。女性の場合、必要時以外は胸にタオルをかけましょう。 
医師がエコー画面を見やすいように電気を消します。
検査終了後にゼリーを拭けるようにタオルなどを準備しておきましょう。

 

検査後の片付け

検査後は患者さんの体に付いたゼリーを拭いて、洋服を整えます。また、エコーのプローブを拭いて、機器を片付けます。

 

申し送り時のポイント

尿路結石で入院適応になることは少ないですが、申し送り時の例を紹介します。エコー検査だけでなく、その他の検査の結果についても報告しましょう。

 

申し送り例①:腎盂拡張がない場合

背部痛を訴えていたので、エコーで腎盂を評価しましたが、拡張は認めませんでした
尿潜血も陰性で、尿路結石ではなさそうと考えているようです。

 

申し送り例②:腎盂拡張がある場合

背部痛を訴えていたので、エコーで腎盂を評価しましたが、腎盂が拡張していました
尿潜血も陽性で、尿路結石です。これからX線検査に向かいます。

 

記録記入時のポイント

検査結果の記録は、所見をすべて書く必要はないと思いますが、臨床上必要な陰性所見の記載は残しておくべきだと思います。背部痛に対するエコー検査では、「腎盂拡張の有無」がそれに当たります。

 

記入例①:腎盂拡張がない場合

記入例①:腎盂拡張がない場合

 

記入例②:腎盂拡張がある場合

記入例②:腎盂拡張がある場合

 

Check Point

  • 腎盂が拡張している場合、エコー検査でも拡張した腎盂が映ることがあるので、しっかりと探しましょう。
  • 申し送り時には、拡張の有無や、行った検査の検査結果まで伝えましょう。
  • 看護記録には、臨床上、必要な陰性の所見についても記載しましょう。

 

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[執筆者]
加藤真吾
横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学教室


Illustration:田中博志


著作権について

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