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2016年07月20日

エコー(超音波)の性質と特徴

画像検査のなかでも、エコー(超音波)検査は、侵襲度が低く、簡便に行える検査です。
外来や病棟で、ナースが目にすることの多いエコー検査について、コツやポイントを消化器内科医が解説します。

〈前回の内容〉

エコー(超音波)機器の特徴と取り扱い注意点

今回は、「エコー(超音波)の性質と特徴」についてのお話です。

 

加藤真吾
(横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学教室)

 

エコー機器については理解いただけたと思います。
そういえば、そもそもエコーって、何だと思いますか?

う~ん・・・音や振動のことですか?

惜しいですが、違います。エコーとは、超音波のことです。
イルカやコウモリが発しているものもエコーですね。

テレビで見たことがあります! あれもエコーだったんですね。

それでは、エコーがどんなものなのか、どんな性質があるのかを、ここで一緒にみていきましょう。

 

〈目次〉

 

エコー(超音波)検査の原理

エコー検査とは、超音波を体に当てて、その跳ね返り具合を解析して、映像として表す検査です。

超音波とは、人間のには聞こえないくらい高い音のことです。つまり、エコー検査は、音のような振動を患者さんの体に当てて、検査を行っています。人間の耳に聞こえる音は、気体や液体の中でも伝わることができますが、エコー検査で使用される周波数のエコーは、気体や固体の中では伝わりにくいという性質を持っています。

このため、エコー検査には表1のような特徴があります。

表1エコー検査の特徴

エコーは、液体・柔らかい固体でよく伝わる ⇒ 液体・柔らかい固体の臓器は、よく見える
エコーは、気体・硬い固体で伝わりにくい ⇒ 気体・硬い固体の臓器があると、よく見えなくなる

 

エコー検査のメリットとデメリット

メリットは身体的負担が少ないこと

エコー検査は、放射線を使用するX線検査とは違い、放射線を使わない検査のため、被曝の危険性がありません。基本的には、患者さんに振動を当てているだけのため、検査による身体的な負担や危険性はほとんどありません

また、ポータブル用の機器があるので、いつでもどこでもすぐに検査ができます。

 

デメリットは検査に適さない苦手な臓器があること

エコー検査は、患者さんの状態によっては、うまくエコー像が見えないことがあります。例えば、皮下脂肪の量が多い患者さんの場合(図1)や、内に空気が多く存在する場合(図2)などは、エコー像がよく見えません。

図1エコー所見に影響を与える要因(皮下脂肪量)

エコー所見に影響を与える要因(皮下脂肪量)

A:肥満体型の皮下脂肪が多い患者さんでは、エコーが伝わりにくい。
B:標準体型で皮下脂肪が平均な患者さんでは、エコーが伝わりやすい。

 

図2エコー所見に影響を与える要因(胃内の空気量)

エコー所見に影響を与える要因(胃内の空気量)

A:胃内の空気が多く、エコーが伝わりにくい。
B:胃内の空気が少なく、エコーが伝わりやすい。

 

このように、エコー検査は、患者さんの要因によって、エコー像が見えにくい場合があります。つまり、エコー検査は、CT検査のようにすべての患者さんで、すべての臓器が撮影できるという検査ではありません

 

Check Point

  • エコー検査では観察しやすいものと、観察が難しいものがあります。
  • 皮下の脂肪や、胃や腸の中の空気は、観察を難しくする主な要因です。

 

〈次回〉

肝臓と胆囊のエコー像

 

 


[執筆者]
加藤真吾
横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学教室


Illustration:田中博志


著作権について

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