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2018年01月18日

自律神経とホルモンはどのように連動しているの?

解剖生理Q&A

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「自律神経とホルモン」に関するQ&Aです。

自律神経とホルモンはどのように連動しているの?

私たちの体のなかでは、自律神経とホルモンが常に連動しながら、互いに協力し合って働いています。この両者の目的は、体という1つの社会がスムーズに機能できるように環境を整えることです。

この働きを具体的に知るために、血圧が急に低下した場合の反応を例にとって解説してみましょう。 

出血などによって血圧が急に低下した状態というのは、血液の循環が不足し、あらゆる組織や細胞を生存の危険にさらすことになります。こうした状況で真っ先に働くのが神経系のルートです。 

まず、大動脈弓と頸動脈洞、腎臓にある受容器により、血圧の低下がキャッチされます。すると、血圧が低下しているという情報が延髄の血管運動中枢に伝わり、血管運動中枢は交感神経に働きかけて心臓の収縮力を高め、心拍数を上げるように指令を出します。 

同時に、手足などの末梢血管を収縮させる指令も出されます。すると、脳や心臓などの生命維持に欠かせない器官に、優先的に血液が送られるようになります。

交感神経の働きはそれだけでなく、副腎髄質に働きかけてノルアドレナリンやアドレナリンを分泌させ、細動脈を収縮させます(「副腎髄質から分泌されるホルモンは何?」参照)

このようなメカニズムで血管の収縮を促し、血圧を上昇させるのですが、これはあくまでも一時的な緊急処置に過ぎません。そこで、内分泌系の出番になります。

血圧の低下をキャッチする受容器の1つに腎臓があります。腎臓に情報が伝わると、腎臓の輸入細動脈にある傍糸球体細胞から、レニンという酵素活性のあるホルモンが分泌されます。 

レニンは腎臓の遠位尿細管でのナトリウム再吸収を促し、それによって同時に水の再吸収が促され、血液量が増加します。

血液量が増えるということは、血管壁にかかる圧力(血圧)が上がるということですから、これによって血流の維持が可能になるのです(「副腎皮質ホルモンと血圧の関係」参照)。

 

MEMO大動脈弓と頸動脈洞

大動脈弓は全身に血液を送る際の最初のポイントで、頸動脈洞は脳に血液を送るためのルート。どちらも血液循環の異常をキャッチするために重要な受容器です。

 

⇒〔解剖生理Q&A 記事一覧〕を見る


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典]『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』(監修)山田幸宏/2016年2月刊行

看護のためのからだの正常・異常ガイドブック

 引用・参考文献

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