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2016年06月23日

心臓カテーテル検査および治療

『循環器ナーシング』2013年5月号<新人さん必読!循環器ナースが絶対知っておくべき基礎知識>より抜粋。
心臓カテーテル検査および治療について解説します。

Point

  • 心臓カテーテル検査・治療の内容は多岐にわたる! それぞれの目的,適応を理解し,患者に行われている検査・治療の内容を理解する!
  • 低侵襲な検査・治療だからといって,合併症が少ないわけではない! 看護師は,起こりうる合併症を予測して,異常の早期発見に努める!
  • 緊急の処置には,日頃からの備えが大切である! モニターの観察や患者の訴えに耳を傾け,多職種で適切に対応する!

山形泰士
(公益財団法人 日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院 ICU,集中ケア認定看護師)

〈目次〉

 

はじめに

心臓カテーテル検査および治療は,カテーテルと呼ばれる管を経皮的に体内へ挿入して行います。近年,低侵襲であり簡便な循環器疾患の検査法である心エコーや心筋シンチグラム,冠動脈CTなどによって,心臓カテーテル検査を行わなくてもある程度は心疾患を診断することが可能です。しかし,心臓カテーテル治療や手術を行う前に,より正確で確実な情報を得るためにはカテーテル検査は不可欠となっています。

また,カテーテル治療は,手術に比べて低侵襲であり,患者の利点も多い治療法です。CAGとPCI,EPSとカテーテルアブレーションといったように,検査と治療が一体化して行われることも,患者の負担軽減に貢献していると考えられます。しかし,その検査法や治療法は多岐にわたり,カテーテル看護にかかわる看護師は,多くのことを学び,経験しなければいけません。

本コラムでは,心臓カテーテルの代表的な検査,治療法について概説していきます。

 

心臓カテーテル検査

心臓カテーテル検査法は,動脈からカテーテルを挿入し,左心系を評価する「左心カテーテル」と,静脈からカテーテルを挿入し,右心系を評価する「右心カテーテル」の2種類の検査法に分けられます。さらに,左心カテーテルはその検査内容によって,冠動脈造影,左室造影,大動脈造影に分類されます。

本項では,左心カテーテルの内容を中心に解説します。

 

冠動脈造影(CAG)

CAGの目的

冠動脈造影(coronary angiography;CAG)は,カテーテルを冠動脈入口部まで挿入し,造影剤を注入して左右の冠動脈を撮影します。その目的は,冠動脈の狭窄や閉塞を確認し,冠動脈疾患の確定診断および重症度把握,治療方針の決定を行うことです。今日では,検査の安全性が向上し,その適応は拡大してきているといえます。

 

CAGの評価

狭窄部位の判定には,米国心臓学会(American Heart Association;AHA)の分類が活用されます。AHA分類では,冠動脈の各部位を1~15のセグメントに分類しているため,冠動脈の病変がどの部位で起きているかを細かく把握することができます。

狭窄病変があった場合の評価は,最も狭窄が強くみえる冠動脈像で判断します。25%以下の狭窄を25%,26~50%の狭窄を50%,51~75%の狭窄を75%,76~90%の狭窄を90%,91~99%の狭窄を99%とし,完全閉塞を100%と視覚的に評価します(MEMO1)。

MEMO1●CAGの造影角度●

狭窄度の判定には,多方向からの造影が必須です。そのなかで最も正確に病変が観察できる画像で評価することが重要です。一般的に,左冠動脈の全体像をみる造影方法としては,右前斜位(RAO)30度,左前斜位(LAO)60度が基本であり,右冠動脈の全体像を把握するためにはLAO60度が基本となります(図1)。

図1CAGの撮影角度

CAGの撮影角度

LAD:左冠動脈前下行枝,LCX:左冠動脈回旋枝,RCA:右冠動脈

 

左室造影(LVG)

LVGの目的

左室造影(left ventriculography;LVG)は,冠動脈造影とともに,左室内にカテーテルを挿入し,造影を行います。その目的は,左室機能(左室容積,左室駆出率,左室局所壁運動など)の評価と,左室に関連した部位の解剖の把握です。

 

LVGの評価

左室造影においても,AHA分類によって下記の7つに区分しています。

「1:前壁基部」 「2:前側壁」 「3:心尖部」 「4:下壁」 「5:後壁基部」 「6:心室中隔」 「7:後側壁」

また、各区域の壁運動は,下記の7種類に分けて画像の評価を行い,視覚的に判断します。

  1. 正常収縮(normokinesis)
  2. 収縮低下(hypokinesis)
  3. 不均一収縮(asynergy)
  4. 無収縮(akinesis)
  5. 収縮期膨隆(dyskinesis)
  6. 時差収縮(asynchrony)
  7. 心室瘤(aneurysm)

同時に,左室造影では僧帽弁逆流の評価も可能です。僧帽弁閉鎖不全症による逆流の程度は,左室造影の結果から「Sellers(セラーズ)の分類」と呼ばれる分類法にしたがって判定されます(MEMO2)。

MEMO2●大動脈造影●

大動脈造影(aortography;AOG)は,カテーテルを上行大動脈まで挿入し,造影剤を注入して大動脈弁の逆流(AR)や大動脈疾患(動脈瘤,大動脈炎症候群など)の評価を行います。大動脈弁の逆流は,僧帽弁の逆流と同じく,Sellersの分類で1~4度に分類して判定します。

 

カテーテル穿刺法(左心カテーテル)と止血方法

カテーテルを挿入する際の穿刺法には,動脈への穿刺部位により,下記の3種類があります。

  1. 橈骨動脈穿刺法(radial approach)
  2. 上腕動脈穿刺法(brachial approach)
  3. 大腿動脈穿刺法(femoral approach)

カテーテル検査では,橈骨動脈が選択される場合が多くなっています。橈骨動脈穿刺法は,より低侵襲であり,止血が簡便で安静時間が短いためです。

各アプローチの特徴と止血方法について,表1に示します。

表1各穿刺法の特徴と止血方法

各穿刺法の特徴と止血方法

 

カテーテル検査における看護

患者が不安なく,安全にカテーテル検査を受けられるように,各場面に沿って看護介入を行います。主な観察ポイントやケアを表2にまとめます。

表2心臓カテーテル検査における看護

心臓カテーテル検査における看護

 

経皮的冠動脈形成術(PCI)

PCIの適応

薬物治療抵抗性の狭心症,もしくは心筋虚血が証明されている有意狭窄(冠動脈造影上,75%以上の狭窄)が経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention;PCI)の適応となります。罹患枝数などの重症度を考慮して,PCIまたは冠動脈バイパス術の適応が検討されます。

今日では,各種の治療用デバイスの進歩(MEMO3)によって,従来は禁忌とされていた慢性完全閉塞(chronic total occlusion;CTO),左冠動脈主幹部(LMT)病変,多枝病変などにもPCIの適応が拡大されてきています。

MEMO3●治療用デバイスの進歩●

・血管内エコー(intravascular ultrasound;IVUS)は,超音波を用いて血管断面を断層像として描写します。血管病変部におけるプラークの分布や性状に関する情報が得られることから,治療前後の評価に役立ちます。

・光干渉断層法(optical coherence tomography; OCT)は近赤外線を用いた画像診断システムです。IVUSの約10倍の分解能があり,内膜・中膜・外膜など動脈の3層構造まで詳細な観察が可能です。

 

PCI治療の流れ

PCIによる冠動脈拡張の手順としては,狭窄をきたしている部位にバルーンを進め,バルーンを拡張することで病変を拡張し,その後バルーンを収縮して回収します(plain old balloon angioplasty;POBA)。次に,バルーンで拡張した部位にステントという金属製のコイルが乗ったバルーンを進め,バルーンを拡張させることでステントを冠動脈内の至適部位に留置します。

PCIにおける患者の入室から退室までの流れを図2に示します。

図2PCIの流れ

PCIの流れ

IVUS:血管内超音波検査,LMT:左冠動脈主冠部

 

ステントの特徴

PCIでは,狭窄病変を広げたとしても,6ヵ月~1年ほど経つと,血管の傷害修復機構によって内膜などで細胞増殖が起こり,再狭窄をきたすという問題がありました。そのため,金属の表面に細胞増殖を抑制する薬剤をコーティングし,留置した血管内に徐々に溶け出すようにした仕組みの薬剤溶出ステント(drug-eluting stent;DES)が開発されました。

金属のみの従来のベアメタルステント(BMS)とDESについて,それぞれの長所と短所を表3で比較しています。実際の病変形態に対して,どちらを用いるかについての統一的な基準は存在しません。長所や短所を考慮し,施設やオペレーターの考えで選択されているのが現状です。

表3BMSとDESの長所・短所

BMSとDESの長所・短所

 

PCIの合併症と看護

PCIの合併症には,急性冠閉塞,側枝閉塞,末梢塞栓症,冠動脈穿孔,no-reflow/slow-flow現象,出血性合併症(穿刺部出血・血腫,後腹膜血腫,仮性動脈瘤),塞栓症(脳梗塞,肺梗塞など),造影剤アレルギーなどがあります。

緊急の処置に対しては,日頃からの備えが大切です。また,緊急時に最も不安が強いのは患者です。看護師としては,患者への声かけや訴えをきくことを忘れてはなりません。

主なPCIの合併症と看護について表4にまとめます。

表4PCIの合併症

PCIの合併症

 

ペーシング植込み術,ICD植込み術

植込み術の適応

徐脈性不整脈に対する薬物療法はほとんどなく,非薬物療法としてペースメーカ療法が広く普及しています(MEMO4)。また,植込み型除細動器(implantable cardioverter defibrillator;ICD)は,心室細動や心室頻拍で蘇生された患者の二次予防(再発予防)だけでなく,それらのリスクの高い症例に対する一次予防としても植込まれる場合が増えてきています。その主な適応を表5に示します。

表5ペースメーカ,ICDの主な適応疾患

ペースメーカ,ICDの主な適応疾患

MEMO4●心臓再同期療法●

重症心不全患者にしばしばみられる心室内伝導障害や左脚ブロックは予後不良の指標の1つであり,QRS幅が広いほど死亡率が高くなります。左室の伝導障害があると,左室自由壁は中隔に比べ遅れて収縮し,左室全体として協調性のない収縮パターンとなります。この結果,心拍出量は低下し,心不全の増悪因子となります。右室リード以外に,左室の側壁にもリードを留置し,左室を右室側(中隔側)と自由壁側からちょうど挟み込むように同時ペーシングし,収縮のずれを是正する方法が両室ペーシングによる心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy;CRT)です。

 

植込み術の実際

1)局所麻酔下に前胸部(通常左側)に4~5cmの皮膚切開を置き,大胸筋筋膜上に本体(ジェネレーター:図3)を入れるスペース(ポケット)を作成します。皮下組織の薄い患者に対しては,大胸筋膜下,または大胸筋下に本体を埋め込みます。

図3本体(ジェネレーター)とリード

本体(ジェネレーター)とリード

 

2)鎖骨下静脈を穿刺するか,橈側皮静脈をカットダウン(穿刺による合併症を避けるため)し,リードを心内に挿入します(図4)。経静脈留置が困難な例や小児・乳児の場合には,外科的に心外膜からリードを留置して腹部に本体を植込む場合もあります。

図4ペースメーカリードの挿入

ペースメーカリードの挿入

 

3)透視下にリードを心室・心房に進め留置します。

4)リードと本体を接続します。創部を洗浄,止血して縫合閉鎖します。術時間は,通常2時間程度となります。

 

植込み術の術後合併症

合併症は,術中~術後急性期に起こるものと術後2週間以降の亜急性期慢性期に起こるものに大別されます。主な合併症と注意点,観察ポイントなどを表6にまとめます。

表6ペースメーカおよびICD植込み術後の合併症

ペースメーカおよびICD植込み術後の合併症

 

植込み術の看護ケア

術後の観察ポイント

術後の観察ポイントは,ペースメーカの作動状況,バイタルサイン,自覚症状の有無の確認です。ペーシング不全や不整脈の早期発見のために,以下のような内容をモニタリングします。合併症を疑うような症状が出現した場合,速やかに医師に報告する必要があります。

  • ペーシングやICDの設定
  • 心拍数が設定値より低下していないか?
  • ペーシングスパイクは正しい位置に入っているか?
  • 自己脈はあるか?
  • 不整脈はないか?
  • 心室頻拍などの致死性不整脈が出現したとき,設定通りに除細動されたか?

 

術後の看護ケア

術後はリードや本体の移動を防ぐために,創部の安静が必要となります。挿入側の上肢の活動制限のため,食べやすい食事形態の工夫,創部を保護した清潔ケアなどを行います。長期間安静が続くと,肩関節炎のような症状が出たり上肢が腫れたりします。症状に合わせた苦痛の緩和が必要になります。

初回植込みの場合,生命維持のためとはいえ体内に機器を埋込むということは患者にとっては未知の体験であり,不安が強いと考えられます。植込み後は,その機器と一生涯付き合わなければなりません。機器の進歩(MEMO5)によって制限は明らかに少なくなっていますが,日常生活や就学・就労の制限,定期受診や定期電池交換,異物挿入による感染のリスクなどを背負いながら生活していきます(MEMO6)。看護師は,セルフマネジメントの指導を行うだけでなく,身体障害者手帳や定期受診の案内など他職種に通ずる懸け橋となることが求められます。

また,ICDが一度でも作動したことのある患者は,ショックがいつ来るかわからないという不安感,ショック時の何ともいえない不快感や痛みなどが次の作動時の恐怖となって,抑うつ状態に陥る場合もあります。治療に伴う心理的問題に対しては,患者の表情や言動に注意し,精神科や心療内科との連携が必要になることがあります。

MEMO5●遠隔管理システム●

自宅にいながらデバイスの状態および不整脈のイベントを医療関係者に転送する機器のことです。この遠隔管理システムを用いることにより,定期外来に来るまで気付かれない機器のトラブルや不整脈イベントを早期に発見することができます。

MEMO6●電波干渉●

ペースメーカ,ICDなどは電気治療機器のため,電波干渉に対する注意が必要です。生活上では,携帯電話は22cm以上離すこと,IH調理器に近づきすぎないこと,万引き防止装置・金属探知機はさっと通り抜けるかそこを避けることなどがあります。X線検査やCT検査は施行可能です。MRI検査は,一定の条件下でMRI対応ペースメーカおよびリードが植込まれている場合のみ可能です。

 

心臓電気生理学検査・カテーテルアブレーション

心臓電気生理学検査の目的

不整脈の診断に欠かせないのが12誘導心電図ですが,体表面の心電図から得られる情報には限りがあります。そのため,心腔内に複数の電極カテーテルを留置(図5)し,心臓各所の局所電位を記録し,より詳細な診断を目指すのが心臓電気生理学検査(electrophysiological study;EPS)です。

図5電極留置部位

電極留置部位

その目的は,徐脈性・頻脈性の不整脈の詳細な診断とリスク評価,治療方針を決定するための参考所見を得ることにあります。

 

カテーテルアブレーションの目的

カテーテルアブレーションとは,カテーテルを心腔内に進め,目標とする部位に留置した後,その先端電極と背中に貼った対電板との間に高周波を流して,先端が接している心筋組織の温度を60℃程度に上昇させ,凝固壊死に陥らせることで不整脈の回路を切断する治療です。不整脈に対する根治治療であり,手術に比べて侵襲が少なく,内服薬や定期通院から解放されるなどのメリットがあります。

 

心臓電気生理学検査の方法

心臓電気生理学検査は,留置した電極カテーテルによって,心内電位記録とペーシング(MEMO7)を行い,不整脈を診断します。ペーシング法には以下の2つがあります。

頻回刺激法(burst pacing)

洞調律より早い一定の周期(間隔が等しい刺激)で10秒~数十秒の電気刺激を行います。刺激周期を徐々に短縮して反応をみます。

期外刺激法(extra pacing)

一定の周期で刺激した後に短い周期の刺激を加える方法です。短い周期の刺激を期外刺激といい,2~3発まで加えられることもあります。

 

MEMO7●心臓電気生理学検査●

・洞結節回復時間
洞調律よりも早い間隔で右房から連続刺激をすると,その間は洞結節が抑制されペーシング停止後にPP間隔の延長をきたします。次に洞結節が回復してP波が出現するまでの時間を洞結節回復時間(sinus node recovery time;SNRT)と呼び,基準値は1400~1600ミリ秒未満です。

・AH時間
心房中隔の低位右房から房室結節を経てヒス束が興奮するまでの時間です。具体的には,ヒス束カテーテルで記録される心房波とヒス束電位までの時間をいいます。AH時間は自律神経による影響を受けるため,同じ患者でも検査時間の変動が大きいのが特徴です。

・HV時間
ヒス束が興奮してから心室筋が最も早く興奮するまでの時間です。具体的には,ヒス束電位から体表面心電図で最も早いQRSの立ち上がりまでの時間です。HV時間は自律神経の影響はあまり受けず,検査中もほぼ一定の値を示します。

心臓電気生理学検査の適応疾患と検査法について表7にまとめます。

表7心臓電気生理学検査の対象疾患と検査法

心臓電気生理学検査の対象疾患と検査法

 

カテーテルアブレーションの適応疾患

カテーテルアブレーションの適応疾患は,WPW症候群に出現する房室回帰性頻拍(atrioventricular reciprocating tachycardia;AVRT),房室結節リエントリー性頻拍(atrioventricular reentrant tachycardia;AVNRT),心房粗動(峡部依存性心房細動:typical AFL),心房頻拍(atrial tachycardia;AT),特発性心室頻拍(右室流出路起源心室頻拍など)です。

最近では,新しいマッピングシステムの開発や頻脈性不整脈の機序の解明などにより,これまではアブレーションの適応とならなかった心房細動(atrial fibrillation;AF),開心術後の切開線を介した心房頻拍(incisional AT),器質的心疾患に合併した心室頻拍(ventricular tachycardia;VT)や心室細動(ventricular fibrillation;VF)などにも適応が広がりつつあります。

 

カテーテルアブレーションの手順

カテーテルアブレーションの手順を図6にまとめます。

図6カテーテルアブレーションの一般的手順

カテーテルアブレーションの一般的手順

 

心臓電気生理学検査,カテーテルアブレーションの看護

吃逆

心房からのペーシングでは,ときに横隔膜刺激が生じ,吃逆が出現することがあります。検査中に吃逆が生じた場合は,術者に伝達し,刺激を中止してもらいます。強い不快感を生じていても,刺激をやめれば問題ないことを患者に伝え,安心させます。

 

不整脈

カテーテル中に致死的な不整脈が発生する場合があります。心電図や血圧などの生体モニターの監視により,異常の早期発見に努め,緊急時の対応ができるように準備しておくことが重要です。

 

出血性合併症

静脈穿刺が中心とはいえ,穿刺部の出血性合併症は比較的多く発生します。とくに,頸部の血腫は呼吸状態に影響を及ぼし,致命的になります。穿刺困難例や動脈の誤穿刺が生じた場合は,検査中・後を通して穿刺部の十分な観察が必要です。

 

おわりに

心臓カテーテル検査および治療は,手技やデバイスなど,日々進歩しています。DESの普及や,MRI対応ペースメーカの開発,3Dマッピングシステムの導入など,合併症の低減や診断を容易にするための技術が取り入れられてきています。本コラムでは紹介しきれなかった内容もありますので,臨床の場で経験するとともに,広い視野で知識をup to dateしていただければと思います。

また,低侵襲だからといって,患者は検査や治療に対する不安がないわけではありません。看護師には,患者の不安を軽減し,適切な検査や治療が受けられるように努める必要があります。また,心臓カテーテル検査・治療には,目にはみえにくい重大な合併症が潜んでいる場合があります。得られる情報が少ないときこそ,フィジカルアセスメントを活用して異常の早期発見に努めていただければと思います。

本コラムが,心臓カテーテル検査および治療に携わるすべての看護師のヒントとなり,臨床現場で活用されることを願っています。

 


[引用・参考文献]


[Profile]
山形泰士(やまがた ひろし)
公益財団法人 日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院 ICU,集中ケア認定看護師
2005年 公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院ICU入職。2008年 3学会合同呼吸療法認定士を取得,2012年 集中ケア認定看護師を取得し,同院ACUへ勤務。2013年より現職。

*略歴は掲載時のものです。


本記事は株式会社医学出版の提供により掲載しています。/著作権所有 (C) 2013 医学出版
[出典]循環器ナーシング 2013年5月号

循環器ナーシング 2013年5月号

P.67~「心臓カテーテル検査および治療」

著作権について

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