血液を調べると肝機能が分かるのはなぜ?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は血液と肝機能に関するQ&Aです。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

血液を調べると肝機能が分かるのはなぜ?

肝臓は生体の「化学工場」という別名があるように、様々な化学反応を行っています。そのため、肝機能が衰えると化学反応の結果に変化が現れ、血液中の物質量にも変化が生じます。

 

例えば肝細胞が障害されると、肝細胞内に含まれる酵素であるAST、ALTが血中に流れ出します。同様に、肝細胞が障害されると、血液中のLDH、アルカリフォスファターゼ、γGTPなどが増加します。

 

肝障害を起こすと、タンパク質が作られなくなるためアルブミン値が低下し、コレステロールが合成できなくなるためコレステロール値が低下します。また、血液凝固因子が合成されなくり、凝固能が低下して出血しやすくなるなどの変化が現れます。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

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