腎臓が細菌に感染するとどうなるの?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。

 

[前回]

尿量が変化する原因は何?

 

今回は「腎臓の細菌感染」に関するQ&Aです。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

腎臓が細菌に感染するとどうなるの?

腎臓は、ほかの臓器と同じように細菌に感染することがあります。

 

感染のルートは、①尿道をさかのぼって腎臓に細菌が入る上じょうこうせいかんせん行性感染(尿路逆行性)、②リンパ管を通って感染するリンパ行性感染、③血液を介して感染する血行性感染(けっこうせいかんせん)などです。

 

最も多いのは、①の上行性感染(尿路逆行性)で、代表的な疾患は腎盂腎炎(じんうじんえん)です。腎盂は腎髄質から続き、尿が集められる部分です。尿道からさかのぼってきた細菌によって腎盂が感染すると、炎症が髄質にまでおよびます。

 

COLUMN腎臓が血圧を調節する仕組み

腎臓は、水の再吸収量を調節することで血圧をコントロールします。何らかの原因で血圧が上がって正常値を超えると、腎臓は血液からより多くの水を濾過し、尿細管での水の再吸収を抑えるように働きます。すると水は尿として体外に排泄され、循環する血液量が減ります。これによって血圧が下がります。 

 

血圧が下がりすぎた場合、腎臓は血液から濾過する水の量を抑えようと働きます。尿細管ではごく普通に水が再吸収されるので、循環血液量が保たれ、血圧がさらに下がらないようにします。

 

[次回]

尿は、どういう経路で排出されるの?

 

⇒〔解剖生理Q&A一覧〕を見る

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護知識トップへ