2016年07月07日

血圧に関するQ&A

解剖生理Q&A

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「血管の構造」に関するQ&Aです。

〈前回〉

毛細血管に関するQ&A

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

〈目次〉

 

血圧は何を表しているの?

血圧とは、心臓から送り出された血液が動脈の内壁を押す力のことです。血圧=血流量×末梢血管抵抗で求められます。

左心室の内圧は、0〜120mmHgの間で周期的に変動し、収縮期の心室内の圧は120mmHgに上昇します。左心室の収縮によって血液が大動脈に送り込まれると、動脈内の圧力はいっきに、心室内の圧力と同じ120mmHgを示します。

左心室から血液がすべて送り出されると、大動脈との境にある大動脈弁が閉じます。この時、動脈壁は送り込まれた血液によって伸展しています。

しかし、動脈は弾力に富んでいますので、やがて元の状態に戻ります。元に戻る力を利用して血液は末梢へと送られていき、動脈内の血液量が次第に減って、血管壁にかかる圧力は80mmHgほどにまで下がります。心臓が収縮と拡張を繰り返すたびに、動脈にかかる圧力(血圧)は変化します。

 

MEMO収縮期血圧と拡張期血圧

心臓が収縮した時に記録される血圧が収縮期血圧(最高血圧)です。至適血圧(脳、心臓、腎臓などに臓器障害を起こさない理想的な血圧値)は110〜120mmHgです。これに対し、心臓が拡張した時に記録される血圧が拡張期血圧(最低血圧)で、至適血圧は70〜80mmHgです。

 

血圧に個人差があるのはなぜ?

心臓が血液を送り出す時の圧力は120mmHgですが個人差があります。

これは、血圧の高低を決定する要素には、①心臓の拍出能力や拍出量、②血管壁の弾力性、③末梢血管の抵抗、④血管内の血液量、⑤血液の粘性などがあります。

 

平均血圧って何?

一般的には、平均血圧というと、収縮期、拡張期それぞれの血圧の平均という意味で用いられています。

しかし、収縮期血圧、拡張期血圧を1つの数値で表したものを平均血圧ということがあります。

計算方法は次の通りで、

平均血圧=(収縮期血圧−拡張期血圧)÷3+拡張期血圧

平均血圧の基準値は、成人男性が90〜110mmHg、成人女性が80〜110mmHgです。

 

MEMO脈圧

収縮期血圧と拡張期血圧との差のこと。120mmHg/80mmHgであれば、脈圧は40mmHgになります。基準値は40〜60mmHgの範囲です。

 

〈次回〉

高血圧はなぜ起きるの?

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

参考文献

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  • 3.SpO2が正常であれば、体内の酸素量は十分であると判断できる。
  • 4.健康な人の酸素飽和度は96~99%だが、酸素吸入時はSpO2を90%以上維持すれば通常は十分である。
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