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2017年04月08日

薬液を肺胞に作用させたいときは、超音波ネブライザーを使用するのはなぜ?

看護技術Q&A

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は吸入と粒子に関するQ&Aです。

薬液を肺胞に作用させたいときは、超音波ネブライザーを使用するのはなぜ?

薬液を肺胞まで到達させるには1~5μmのより微細な粒子が必要だからです。超音波ネブライザーでは、1~5μmの微細な粒子にして吸入されるので、肺胞まで到達させることができます。

 

〈目次〉

 

吸入した粒子はどこに到達するのか

噴霧する粒子の大きさによって気管・気管支・肺胞というように気道内に到達する部位が異なってきます。

30~70μmといった大きな粒子では咽頭や喉頭などの上気道に到達し、3~10μmの前後の粒子では末梢気管支に到達します。

超音波ネブライザーは0.5~3μmのより微細な粒子にして吸入させるので、肺胞まで到達させることができます(図1)。

図1粒子の大きさと到達部位

粒子の大きさと到達部位

 

 

ネブライザーとは

患者へのケア

ネブライザーは、呼吸器に障害のある患者に対して、鎮、去痰、消炎を目的に行われます。患者さんに対してどの目的で使用されるのかを理解したうえで、患者の全身状態や呼吸状態を観察し、薬効と副作用を確認しましょう。

  1. ネブライザーの実施前後に胸部を聴診して、痰の貯留がある部位や呼吸音の異常の有無を確認するとともに、実施中も呼吸状態や痰の状態を観察します。
  2. 座位またはファーラー位とし、胸郭を十分に開き、肺を拡張しやすくします。
  3. ネブライザーの微粒子とともに空気が取り入れられるように、軽くマウスピースを加えます。
  4. 肺の深部まで到達させたい場合は深呼吸を、上気道疾患の咽頭・喉頭への作用を目的とする場合はリラックスした自然な腹式呼吸を促します。
  5. 吸気後すぐに呼気すると気流が生じて、浮遊している粒子は気道内に付着しにくいため、吸気後は2~3秒間息を止めます。
  6. 吸入後、薬液が口腔内に残らないように含嗽を行います。

 

機器の取り扱いの注意点

超音波ネブライザーの場合、超音波は作用水槽を通り噴霧槽に伝わるので、水位が低いと噴霧されません(図2)。

図2ネブライザーの構造

ネブライザーの構造

 

 

ネブライザーの長期間の使用は、細菌の繁殖を助長するため感染の原因となりやすくなっています。患者間で使い回さない、洗浄・消毒するなど、薬剤の取り扱いや、機器本体の清潔保持といった安全に十分配慮した適切な管理が必要です。

 

吸入と吸引

吸入と吸引は気道に行われる診療の補助技術です。しかし、吸入は大気圧よりも高い力である陽圧という押す力を働かせ、一方、吸引は反対に大気圧よりも低い力である陰圧という引く力を働かせています。吸入と吸引では加圧の方向が逆ですし、目的は全く異なるので混同しないように注意します。

吸入の効果があったかどうか、ネブライザーを実施後、胸部の聴診をして呼吸音の変化とともに患者の自覚症状を確認しましょう。また、痰を出すために吸入を行った場合は、痰が喉に近づいたら咳によって痰の喀出を促しましょう。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典]『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』編著 江口正信/2015年3月刊行

根拠から学ぶ基礎看護技術

引用・参考文献

著作権について

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