1. 看護roo!>
  2. 看護・ケア>
  3. 根拠から学ぶ基礎看護技術>
  4. 酸素吸入を開始する際、急に多量の酸素を流してはいけないのはなぜ?

2017年02月04日

酸素吸入を開始する際、急に多量の酸素を流してはいけないのはなぜ?

看護技術Q&A

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は酸素吸入に関するQ&Aです。

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

酸素吸入を開始する際、急に多量の酸素を流してはいけないのはなぜ?

酸素中毒により、自発呼吸が抑制されて呼吸停止を引き起こす可能性があるためです。

 

〈目次〉

 

吸入とは

吸入(inhalation)は、薬液やガスを霧状にして吸気中に混入させ、気道内に引き入れて、気道や肺胞あるいは全身に作用させることを目的とした治療法です。局所的な作用を期待して行なう吸入に薬液噴霧があり、全身的な作用を目的とした吸入には酸素吸入があります。

気道内感染症や気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患などの患者、術前・術後での呼吸管理(酸素吸入や麻酔ガスの吸入)が必要とされる患者、痰の多い患者などに対して行われます。

 

酸素療法とは

酸素療法とは、低酸素状態となり呼吸困難にある患者に対して行なうものです。その適応は、安静時空気吸収下で酸素(O)分圧が50mmHg以下が絶対適応で、また、50~60mmHgが相対適応(患者の状態による)とされています。

 

酸素を急に多量に与えてはいけないのは

急に多量の酸素を投与して問題となるのは、慢性閉塞性肺疾患(以下、COPD)の患者の場合です。チアノーゼは改善しても、まもなく呼吸抑制や無呼吸を起こすことがあるからです。COPDの患者は長期にわたる呼吸障害で二酸化炭素(CO)が常に蓄積しているため、呼吸中枢は正常人のように、動脈血中のCOに反応せず、呼吸は主として頚動脈小体からの低酸素刺激によってのみ働いています。

そこへ急激に高濃度の酸素が投与されると、酸素分圧は一気に上がり、呼吸中枢は一時的に低酸素血症が取り除かれて、呼吸の刺激がなくなり呼吸停止を起こす可能性があります。したがって、COPDの患者への酸素投与は0.5~1L/分から開始し、慎重に投与しなければなりません。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

参考文献

著作権について

この連載

もっと見る

関連記事

いちおし記事

デキる新人担当はつらいよ|マンガ・病院珍百景

プリセプティが優秀だったときのプレッシャーといったら…!! [ 記事を読む ]

新人ナース必見!輸液の基礎知識

「腎機能不明時や緊急時に使われるのは●号液」●に入る数字、わかる? [ 記事を読む ]

人気トピック

看護師みんなのアンケート

看護へのやる気がなくなったこと、ある?

投票数:
1321
実施期間:
2019年07月02日 2019年07月23日

「今年の夏こそ◯◯するぞ!」ナースの主張

投票数:
1198
実施期間:
2019年07月05日 2019年07月26日

こんなのあったらいいな「ナースのヒミツ道具」大募集!

投票数:
1119
実施期間:
2019年07月09日 2019年07月30日

疾患を見ると感じる季節は?

投票数:
1090
実施期間:
2019年07月12日 2019年08月02日

残業代がきちんと出るなら残業したい?

投票数:
994
実施期間:
2019年07月16日 2019年08月06日

こだわりのナースグッズは?

投票数:
852
実施期間:
2019年07月19日 2019年08月09日

[日勤中]たくさん歩いて頑張った大賞!

投票数:
152
実施期間:
2019年07月23日 2019年08月13日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者867

急性心筋梗塞でこれからカテーテル治療を行う患者さん。救急外来受診時、12誘導心電図では右側胸部誘導でV4RのST上昇がありました。血圧は80/48mmHgです。以下のうち、看護師のあなたがカテーテル室で最も先に準備しておくべき薬剤はどれでしょうか?

  • 1.塩酸モルヒネ
  • 2.細胞外液
  • 3.ニトログリセリン
  • 4.フロセミド
今日のクイズに挑戦!