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2017年01月07日

口腔ケアの目的とポイント|食事をしなくても口腔ケアが必要なのはなぜ?

看護技術Q&A

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は口腔ケアに関するQ&Aです。

食事をしなくても口腔ケアが必要なのはなぜ?

口腔内の乾燥を防ぎ、感染症の予防をはかるためです。

 

〈目次〉

 

口腔ケアの目的

口腔ケアの目的としては、①口腔内を清掃して清潔に保ち、感染の予防をはかること、②口腔機能の維持と向上をはかること、の2点があります。

食事可能な場合は誤嚥を防ぐために口腔機能の維持、向上が必要となりますが、麻痺がある場合は健常側を下にしてするなどの注意も必要となります。

また口腔機能の低下を予防することによって、大脳への刺激を保ち脳機能の保持に働くとの考えもあります。

食事をとれない場合では、咀嚼行為の減少などによって唾液の分泌量が減少し、口腔内が乾燥する状態となります。この状態では、唾液による洗浄作用や抗菌作用が低下し感染が起こりやすくなってしまいます。

これを防ぐためにスポンジブラシ、歯間ブラシ、舌ブラシなどの口腔内清掃補助具の活用や唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)マッサージなどを含めた、口腔内乾燥の防止が必要となります。

 

その人に合った口腔ケア

含嗽ができれば、歯ブラシを使用します。顔面神経麻痺のある場合は口内の動きが制限されていて、誤嚥の危険性があるため、舌ブラシやスポンジブラシの使用を考えます。口腔のアセスメントを確実に行い、その人に合った場所と方法を選択しましょう(図1)。

図1スポンジブラシの使い方

スポンジブラシの使い方

 

力の入れ過ぎによる歯肉や口腔粘膜の損傷、義歯やブリッジの誤飲、歯ブラシの刺激による嘔吐・窒息などの事故が起こることがあります。気道の入口でもあることを念頭においたケアを行います。

 

口腔ケアのポイント

ブラッシングの援助

歯がある場合は、基本的にブラッシングします(図2図3)。

図2口腔ケアに必要な物品

口腔ケアに必要な物品

 

図3ブラッシングの方法

ブラッシングの方法

 

  1. 口をゆすぎます。
    ・歯がある場合、歯磨きや口腔内清掃だけでは歯垢の除去や歯間部の清掃には効果がないため、先に口をゆすぐことが大切です。
  2. ブラッシングします。
    ・ブラッシングは上顎、下顎ごとに咬合面、頬面、舌側をまんべんなく行います。歯を1本ずつ磨くつもりでブラシを小刻みに振動させるように動かします。
  3. 口をゆすぎます。

 

口腔清拭の援助

  1. 舌苔の除去、舌や舌下、口蓋、頬内側など粘膜の清拭を行います。
    ・舌のケアが不十分だと、舌の小突起の上皮が剥離し、そこの細菌や細かい食物残渣などが付着し、細菌繁殖の温床となるのを防ぎましょう。
  2. 保湿剤の使用・口腔内の乾燥を防ぐために保湿剤を使用する場合は、上塗りとならないように、前回の保湿剤を取り除いてから新たに塗布します。効果的な薬効を得るとともに感染の原因とならないようにしましょう。
  3. 乾燥した痰の除去・ガーゼでは粘膜に傷をつけやすいため、口腔内清拭シートを使用しましょう。

 

義歯の取り扱い

  1. 義歯を外したら、乾燥による変形や変質を避けるために水に入れて保管します。熱湯は義歯が変形してしまうので使用を避けましょう。
  2. 義歯洗浄剤を週に1~2回使用して、義歯に付着している細菌の繁殖を予防しましょう。
  3. 研磨剤入りの歯磨き粉は、義歯表面に細かい傷がつき、細菌の温床となることがあるため使用は控えましょう。
  4. 義歯による窒息を予防するために、夜間は外して就寝しましょう。

 

Kポイント刺激

・仮性球麻痺による開口困難な患者には、Kポイントを刺激すると開口が促進されます。湿らせた綿棒やスプーンで軽く触る程度に刺激します(図4)。

図4Kポイント刺激

Kポイント刺激

 

⇒〔看護技術Q&A一覧〕を見る


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典]『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』編著 江口正信/2015年3月刊行

根拠から学ぶ基礎看護技術

引用・参考文献

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