患者の入浴時間は、5~10分くらいがよいのはなぜ?

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は入浴効果に関するQ&Aです。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

患者の入浴時間は、5~10分くらいがよいのはなぜ?

 

患者の体力の消耗を少なくし、入浴効果を上げるためです。

 

入浴時間による状態の変化は

入浴は、皮膚を清潔にしたり、血行をよくさせて新陳代謝を促したり、筋肉の凝りをとったり、神経をリラックスさせるなどの効果があります。

 

しかし、患者(高齢者、循環障害など)にとっては、刺激が強く、末梢血管の拡張、発汗など体温の放散も著しく、疲労も激しくなります。

 

また、普通の健康人でも20分間入浴した場合、入浴後のバイタルサインの変化が入浴前の状態へ戻るのに、約2時間かかるといわれています。

 

患者では、個人差もありますが、4~5時間かかる場合もあるので、あまり入浴時、長湯をさせないほうが、入浴効果が得られるものと思われます。

 

したがって、高温浴では5~10分くらい、微温浴でも30分以内が望ましいものと考えられます。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

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