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2016年09月13日

便意があっても我慢すると便意が止まってしまう場合があるのはなぜ?

看護技術Q&A

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は便秘に関するQ&Aです。

便意があっても我慢すると便意が止まってしまう場合があるのはなぜ?

便意抑制により、外肛門括約筋が緊張して排便反射が抑制されるためです。

 

〈目次〉

 

便秘の種類は

便秘を大きく2つに分けると、大腸の機能障害による機能性便秘と、小腸や大腸の器質的障害が原因となる器質性便秘とがあります(図1)。

図1便秘の種類と原因

便秘の種類と原因

(日本消化器学会医学用語集より作成)

 

機能性便秘は症候性便秘習慣性便秘に分けられます。

習慣性便秘には、大腸の蠕動運動の低下による弛緩性便秘、逆に蠕動運動の亢進により腸管が痙攣(けいれん)性に収縮する痙攣性便秘があります。また、便意抑制により起こる便秘は直腸性便秘のほうで、この場合、大腸までは正確に便が移送されますが、直腸に便がたまって便意が発生したときに意識的に抑制すると、外肛門括約筋が緊張して排便反射が抑制されます。

症候性便秘とは、内分泌疾患や代謝疾患、中毒性疾患、抗コリン薬やカルシウム拮抗薬などによって生じる便秘です。

器質性便秘とは、腫瘍や炎症、腸閉塞、腸捻転などの疾患が原因で、大腸の狭窄によって機械的な通過障害による便秘のことです。

 

排便反射が抑制されるのは

肛門は、交感神経の緊張により直腸壁が弛緩し、また、内肛門括約筋が緊張収縮することで常時閉鎖しています。外肛門括約筋も常時収縮して肛門の閉鎖を補強していますが、これは随意的で陰部神経によって意識的に調節ができるといわれています。そのために、排便反射が抑制できるわけです。

この抑制が常習化すると、直腸は便の長時間貯留により、次第に拡張したままの状態で緊張が低下するため、便意を感じる閾値(いきち)が上昇し、生理的刺激だけでは排便反射が起こらなくなります。これを排便困難症といい、排便の時間的余裕をもたないために起こるもので、生活および社会的要因が考えられます。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典]『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』編著 江口正信/2015年3月刊行

根拠から学ぶ基礎看護技術

引用・参考文献

著作権について

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