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2016年08月02日

体位により血圧の値が変わるのはなぜ?

看護技術Q&A

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は体位による血圧の差に関するQ&Aです。

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

体位により血圧の値が変わるのはなぜ?

循環血液量の変化と体位血圧反射が働くためです。

 

〈目次〉

 

臥位から立位になるときの血圧は

血圧は、血管抵抗が一定の場合、循環血液量によって変化します。臥位から立位に変わるときには、瞬間的に循環血液量が減少するとともに静脈の還流量が減少します。これは、末梢に血液がうっ滞した状態であり、収縮期血圧を主体とする低下が起こります。血圧の低下は脳への循環血液量の減少をきたすので、生体にとっては不都合な状態となります。

これを防ぐために、血圧の低下が頚動脈洞あるいは大動脈弓にある圧受容体を刺激して反射的に血管の収縮を起こします。これを体位血圧反射とよびますが、その結果、心臓への還流血液量が増加し血圧が上昇します。このような理由により、臥位から立位に変わるときには、一旦血圧が低下し、すぐに血圧の上昇が起きるのです。

 

体位による血圧の差は

このようにして体位による血圧の調節が行なわれており、一般的に収縮期血圧(最大血圧)は立位、座位、臥位の順序で高くなります。逆に拡張期血圧最小血圧)は立位が最も高く、座位、臥位の順で低くなります。立位で収縮期血圧が低くなるのは、心臓より下にある動脈や毛細血管の静水力学的圧力が高くなり、血液が身体の下部にうっ滞する状態となり、心臓への還流血液量は減少しがちになるため、収縮期血圧はやや低下するようになります。

反対に拡張期血圧は、末梢血管の収縮が起こっているので、立体ではやや高い値をとります。心臓からの拍出量が上がり、末梢血管が拡張した状態である臥位では、収縮期血圧はやや高く、拡張期血圧はやや低い値をとります。

 

起立性低血圧

長期臥床患者を急に起き上がらせたり、急に立ち上がらせたりしてはいけません。
血圧調節機構が鈍くなり、起立性低血圧めまい、立ちくらみ、失神など)を起こす恐れあるからです。そのため、長期臥床の後に患者さんが起き上がる際は「ベットのギャッチアップから始め、時間をかけて除々に起き上がってもらう」「めまいなどの症状が出現していないか、注意深く観察しながら進めていく」ことが、安全な離床につながります。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

参考文献

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