1. 看護roo!>
  2. 看護・ケア>
  3. 根拠から学ぶ基礎看護技術>
  4. 激しい運動後などは、呼吸が速く、深くなるのはなぜ?

2016年06月14日

激しい運動後などは、呼吸が速く、深くなるのはなぜ?

看護技術Q&A

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は呼吸運動の調節に関するQ&Aです。

激しい運動後などは、呼吸が速く、深くなるのはなぜ?

筋運動によって、筋および関節からの神経反射が起こり、また体温上昇、血液中の酸素(O2)濃度の低下による呼吸中枢の興奮が起こるためです。

 

〈目次〉

 

呼吸を増加させる因子は

安静時の体内酸素消費量は1分間に約300mLですが、運動時にはその10倍以上になります。運動初期には呼吸中枢が強く刺激されないために、他の組織から動員された酸素が補うことになります(酸素負債)。

しかし、筋運動が強くなり、酸素消費量が増加すると、他の組織からの酸素動員が追いつかず、血液中の酸素濃度が低下します。また、筋肉中の乳酸が分解され、血液のpHが増加し、間接的に呼吸中枢を刺激することになります。

そのほか、筋および関節からの神経反射や、体温上昇による呼気からの熱放散の上昇なども呼吸数を増加する因子となります。

これらの呼吸中枢刺激により、呼吸数が増加し、また呼吸の深さも増大します。

 

呼吸運動の調節は

呼吸運動の調節を簡単に説明します。

中枢性化学性調節

呼吸運動の調節は中枢を流れる血液の温度、成分によって影響され、血液の温度上昇、二酸化炭素の増加、pHの減少によって中枢が興奮し、呼吸運動が促進されますが、中枢は二酸化炭素に対する感受性が最も強いと考えられます(図1参照)。

図1主な呼吸の調節

主な呼吸の調節

 

末梢性化学性調節

動脈球など、血液中の二酸化炭素の増加および酸素の減少に対して感受性を有する化学受容体による呼吸運動の調節(図1参照)。

 

肺迷走神経反射〔へーリング・ブロイアー(Hering Breuer)反射〕

肺には伸展あるいは収縮によって興奮する2種の張力受容器があります。1つは、肺がある程度伸展すると興奮する受容器であり、ここからの刺激が呼吸中枢に伝えられると、吸息中枢の興奮を中止させて呼息を起こさせます。もう1つは、肺が安静吸息時よりも2倍以上拡容したとき、および過度に収縮したときに興奮する受容器で、ここからの刺激は吸息中枢の興奮性を高めるように働きます。

 

頚動脈洞および大動脈弓反射

頚動脈洞および大動脈弓には血圧に対する圧受容体があります。血圧が上昇すると呼吸運動は抑制され、下降すると呼吸運動は促進されますが、生理的範囲の血圧変動では効果は少なく、主として循環系の調節を行なっています。

 

⇒この〔連載記事一覧〕を見る

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典]『新訂版根拠から学ぶ基礎看護技術』編著江口正信/2015年3月刊行

根拠から学ぶ基礎看護技術

引用・参考文献

著作権について

この連載

  • 末梢循環不全のある部位でSpO2測定を避けるのはなぜ? [06/21up]

    『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。 今回はパルスオキシメータの測定に関するQ&Aです。 末梢循環不全のある部位でSpO2測定を避けるのはなぜ? 末梢循環不全やマニキュアなどがある場合、末梢の血流や色の違... [ 記事を読む ]

  • SpO2が90%以下のときに、早急な対応が必要なのはなぜ? [06/17up]

    『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。 今回はSpO2に関するQ&Aです。 SpO2が90%以下のときに、早急な対応が必要なのはなぜ? SpO2が90%ときは呼吸不全の状態で、SpO2が75%のときは心虚血... [ 記事を読む ]

  • 激しい運動後などは、呼吸が速く、深くなるのはなぜ? [06/14up]

    『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。 今回は呼吸運動の調節に関するQ&Aです。 激しい運動後などは、呼吸が速く、深くなるのはなぜ? 筋運動によって、筋および関節からの神経反射が起こり、また体温上昇、血液中...

  • 年齢により呼吸数が異なるのはなぜ? [06/10up]

    『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。 今回は年齢による呼吸数の変化に関するQ&Aです。 年齢により呼吸数が異なるのはなぜ? 新生児から学童期までは肺の発育段階であり、1回の換気量が少ないので呼吸数の増加で... [ 記事を読む ]

  • 呼吸測定時、患者に気づかれないようにして測定するのはなぜ? [06/07up]

    『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。 今回は呼吸のメカニズムに関するQ&Aです。 呼吸測定時、患者に気づかれないようにして測定するのはなぜ? 呼吸の周期は意識的に変えることができるためです。  ... [ 記事を読む ]

もっと見る

関連記事

いちおし記事

ダメだけど、クスっと笑える「失言」経験ある?|看護師の本音アンケート

今だから話せる!みんなの失言エピソードを5つご紹介。 [ 記事を読む ]

術前の呼吸訓練

呼吸訓練。やりすぎると逆効果に!? [ 記事を読む ]

人気トピック

もっと見る

看護師みんなのアンケート

体調不良でお休みの連絡をしたとき、あなたの勤務先の対応は?

投票数:
1273
実施期間:
2019年02月26日 2019年03月19日

術後せん妄について、どれくらい知ってる?

投票数:
1263
実施期間:
2019年03月01日 2019年03月22日

認知症患者さんの終末期医療、どう考える?

投票数:
1154
実施期間:
2019年03月05日 2019年03月26日

看護師以外の医療職、やってみたいのは?

投票数:
1145
実施期間:
2019年03月08日 2019年03月29日

今シーズン、インフルエンザにかかった?

投票数:
1049
実施期間:
2019年03月12日 2019年04月02日

「墓場まで持っていきたい秘密」ある?

投票数:
850
実施期間:
2019年03月15日 2019年04月05日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者135

全身麻酔下で長時間の手術を受け、侵襲が加わった患者さんに対する栄養管理について正しいのはどれでしょうか?

  • 1.生体に侵襲が加わると必ず供給される内因性エネルギーは、筋タンパク質異化により供給されるアミノ酸を基質とした糖新生のことである。
  • 2.侵襲が加わった患者さんへのエネルギー供給は、「内因性エネルギー+外因性エネルギー=TEE(一日総消費エネルギー量)」となるように供給する。
  • 3.Overfeedingとは、過剰エネルギー投与のことだが、侵襲下のOverfeedingが引き起こされる代謝性有害事象には1)高血糖と2)栄養ストレスの2つがある。
  • 4.侵襲が加わった患者さんに外因性エネルギー供給である栄養投与を行うと、ホルモン・サイトカイン環境に直接作用して侵襲反応を軽減する。
今日のクイズに挑戦!