1. 看護roo!>
  2. 看護・ケア>
  3. 根拠から学ぶ基礎看護技術>
  4. 運動、食事、入浴、精神感動などにより、 脈拍数が違うのはなぜ?|自律神経と脈拍数の関係

2016年05月31日

運動、食事、入浴、精神感動などにより、 脈拍数が違うのはなぜ?

看護技術Q&A

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は運動などによる脈拍数の変化に関するQ&Aです。

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

運動、食事、入浴、精神感動などにより、脈拍数が違うのはなぜ?

自律神経(交換神経、副交感神経)の興奮によって心臓の拍動数、すなわち脈拍数が変化するためです。

 

〈目次〉

 

心臓の拍動は

左心室が収縮すると、圧力の波が動脈壁を伝わり、脈拍となって動脈で触知されます。通常、脈拍数と心拍数は同じです。

この心筋の収縮による拍動は、交感神経および副交感神経からなる自律神経の刺激によって規制されています。交感神経の興奮は、心筋および心臓の拍動リズムを調節する刺激伝導系に作用します。

その結果、心臓の拍動数を増加させ、心筋の収縮力が増大し1回の心拍出量も増加します。一方、副交感神経の興奮は心拍数を抑制する方向に働きます。

 

脈拍数が増加するのは

交感神経の興奮は、運動、精神的興奮などで増加され、心臓の拍動数、つまり脈拍数も増加しますが、食事、入浴などでも同様に脈拍数の増加をきたします。ただし、入浴では湯の温度が高ければそれだけ、脈拍数の増加がみられます。

脈拍は通常、周期的に一定のリズムで規則的に打っています。不規則に打つ脈拍はすべて不整脈とよびます。

そのほか、体温の上昇時や甲状腺機能亢進時、貧血、心筋炎などでも脈拍数の増加がみられます。これは頻脈とよばれる状態(成人で脈拍数100回/分以上)で、これらは刺激伝導系のなかでも洞結節の興奮性亢進によるものが多く、洞性頻脈とよばれています。

 

脈拍数が減少するのは

逆に脈拍数の減少をきたす場合があり、これを徐脈(成人で脈拍数60回/分以下)とよんでいます。これは、たとえば運動選手で訓練を積むと、1回の心拍出量が増加するために、心臓の拍動数が減少します。その結果、1分間の送血量を正常量に維持するために、脈拍の減少がみられます。

いわゆるスポーツ心とよばれる状態であり、心臓の肥大を認めます。ほかに脳圧亢進、黄疸、ジギタリスや降圧剤の一部などの服用時、甲状腺機能低下症でも徐脈がみられます。

 

⇒この〔連載記事一覧〕を見る

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

参考文献

著作権について

この連載

  • 年齢により呼吸数が異なるのはなぜ? [06/10up]

    『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。 今回は年齢による呼吸数の変化に関するQ&Aです。 江口正信 公立福生病院診療部部長   年齢により呼吸数が異なるのはなぜ? 新生児から学童期までは肺の発... [ 記事を読む ]

  • 呼吸測定時、患者に気づかれないようにして測定するのはなぜ? [06/07up]

    『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。 今回は呼吸のメカニズムに関するQ&Aです。 江口正信 公立福生病院診療部部長   呼吸測定時、患者に気づかれないようにして測定するのはなぜ? 呼吸の周期... [ 記事を読む ]

  • 運動、食事、入浴、精神感動などにより、 脈拍数が違うのはなぜ? [05/31up]

    『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。 今回は運動などによる脈拍数の変化に関するQ&Aです。 江口正信 公立福生病院診療部部長   運動、食事、入浴、精神感動などにより、脈拍数が違うのはなぜ? ...

  • 年齢により脈拍数が違うのはなぜ? [05/27up]

    『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。 今回は年齢と脈拍数の関係についてのQ&Aです。 江口正信 公立福生病院診療部部長   年齢により脈拍数が違うのはなぜ? 新生児から小・中学生までは基礎代... [ 記事を読む ]

  • 脈拍測定時、首を曲げたり回したりしてはいけないのはなぜ? [05/24up]

    『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。 今回は脈拍測定に関するQ&Aです。 江口正信 公立福生病院診療部部長   脈拍測定時、首を曲げたり回したりしてはいけないのはなぜ? 鎖骨によって鎖骨下動... [ 記事を読む ]

もっと見る

関連記事

  • 神経の構造 [09/14up]

    『看護のための病気のなぜ?ガイドブック』より転載。 今回は神経の構造について解説します。 山田幸宏 昭和伊南総合病院健診センター長   〈目次〉 1.神経の構造 2.神経細胞(ニューロン) ... [ 記事を読む ]

  • マイクロ吸引管(福島式マイクロ吸引管)|脳神経外科手術器械(1) [06/29up]

    手術室にある医療器械について、元手術室勤務のナースが解説します。 今回は、『マイクロ吸引管(福島式マイクロ吸引管)』についてのお話です。 なお、医療器械の歴史や取り扱い方についてはさまざまな説があるため、内容の一部については、筆... [ 記事を読む ]

  • ECS(エマージェンシー・コーマ・スケール)|知っておきたい臨床で使う指標[3] [06/28up]

    臨床現場で使用することの多い指標は、ナースなら知っておきたい知識の一つ。毎回一つの指標を取り上げ、その指標が使われる場面や使うことで分かること、またその使い方について解説します。 根本 学 埼玉医科大学国際医療センター 救命... [ 記事を読む ]

  • 神経はどのように情報を伝えるの? [12/25up]

    『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。 今回は「神経系の伝達」に関するQ&Aです。 山田幸宏 昭和伊南総合病院健診センター長   神経はどのように情報を伝えるの? 外界からの情報や刺激、外界へ働きか... [ 記事を読む ]

  • 脳の中枢が傷つくとどうなるの? [11/03up]

    『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。 今回は「脳の損傷による影響」に関するQ&Aです。 山田幸宏 昭和伊南総合病院健診センター長   脳の中枢が傷つくとどうなるの? 出血や梗塞、外傷などによって一... [ 記事を読む ]

いちおし記事

デキる新人担当はつらいよ|マンガ・病院珍百景

プリセプティが優秀だったときのプレッシャーといったら…!! [ 記事を読む ]

新人ナース必見!輸液の基礎知識

「腎機能不明時や緊急時に使われるのは●号液」●に入る数字、わかる? [ 記事を読む ]

人気トピック

看護師みんなのアンケート

「今年の夏こそ◯◯するぞ!」ナースの主張

投票数:
1210
実施期間:
2019年07月05日 2019年07月26日

こんなのあったらいいな「ナースのヒミツ道具」大募集!

投票数:
1133
実施期間:
2019年07月09日 2019年07月30日

疾患を見ると感じる季節は?

投票数:
1106
実施期間:
2019年07月12日 2019年08月02日

残業代がきちんと出るなら残業したい?

投票数:
1010
実施期間:
2019年07月16日 2019年08月06日

こだわりのナースグッズは?

投票数:
887
実施期間:
2019年07月19日 2019年08月09日

[日勤中]たくさん歩いて頑張った大賞!

投票数:
504
実施期間:
2019年07月23日 2019年08月13日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者898

広範囲熱傷の患者さんに起こる潰瘍を何というでしょうか?

  • 1.クッシング潰瘍
  • 2.シーリング潰瘍
  • 3.ボーリング潰瘍
  • 4.カーリング潰瘍
今日のクイズに挑戦!