1. 看護roo!>
  2. 看護・ケア>
  3. 感覚の種類|感覚

2017年04月21日

感覚の種類|感覚

看護師のための生理学の解説書『図解ワンポイント生理学』より。
今回は、感覚の種類について解説します。

 

〈目次〉

 

Summary

  • 感覚は生体の恒常性を保つために必要な機能である。
  • 感覚は、特殊感覚、体性感覚および内臓感覚に大別される。
  • 特殊感覚には視覚、聴覚、平衡覚、嗅覚および味覚があり、受容器がそれぞれの特定部位に限局している。
  • 体性感覚には皮膚感覚と筋感覚があり、受容器が体全体に分布している。
  • 内臓感覚には内臓痛覚と臓器感覚があり、受容器が内臓に分布している。
  • 受容器から脳までの神経伝達の経路を感覚伝導路とよぶ。
  • 感覚伝導路には、3つの求心性ニューロンからなる、視床を経由するという共通した特徴がある。

 

感覚とは

感覚は、生体内の変化あるいは生体に対する刺激に反応して生体の恒常性を保つために必要な機能である。その変化や刺激を感知するのが感覚受容器である。

刺激や変化を感知するのは受容器であるが、感じるのは脳(大脳皮質)にある感覚中枢 sensory center である。感覚受容器から脳までの神経伝達の経路を感覚伝導路 sensory tract という。感覚伝導路には、感覚の種類によらず以下の共通性がある。

  1. 3つの求心性ニューロンから構成される。
  2. 視床を経由する。

 

恒常性

生体の血液ガス、体温、血圧、体液量、電解質濃度などが一定に保たれることを恒常性ホメオスタシス homeostasis)という。ホメオスタシスという言葉は、キャノン(Walter Bradford Cannon 、1871~1945)の著書『からだの知恵(Wisdom of the Body)』(舘 鄰、舘 澄江訳、講談社学術文庫)でよく知られている。この著書のなかでキャノンは、1923年のハーヴェイ(William Harvey、1578~1657)追悼記念講演会で聴いたスターリング(Ernest Henry Starling、1866~1927)の「からだの知恵」と題した講演に感銘し、著書の題名にしたと書いている。

このホメオスタシスを維持するために必要な機能が感覚である。生体内の変化あるいは生体に迫る危険を感知して、ホメオスタシスを維持するように反応しないと生命を維持できない。

感覚には、表1のような種類がある。

表1感覚の分類

感覚の分類

 

感覚神経

神経線維をガッサー Gasser の分類およびロイド Lloyd の分類で整理すると表2になる。

表2神経線維の分類

 

このなかで感覚受容器で感知した刺激を感覚中枢に伝えるのが感覚神経で、ロイドの分類ではローマ数字で標記される。

 

五感

視覚、聴覚、嗅覚、味覚および触覚の5つの感覚を五感 five senses という。触覚以外は特殊感覚である。特殊感覚というが、これらの感覚は最も身近な感覚であり、この特殊という言葉は、それらの感覚受容器が特殊な部位に局在しているという意味である。

 

NursingEye

視床出血は高血圧で起こりやすい脳出血である。視床が感覚伝導路の中継であるため、視床出血の結果、感覚障害が起こる。感覚情報は主として反対側の大脳皮質に伝わるので、対側半身の感覚障害が起こる。

 

 

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典]『新訂版 図解ワンポイント 生理学』(著者)片野 由美、内田 勝雄/2015年5月刊行

新訂版 図解ワンポイント 生理学

著作権について / 引用・参考文献

関連記事

  • 歩行障害・姿勢保持障害の診察|運動系の診察 [04/28up]

    『BRAIN』2012年6月号<“なんとなく”はもう卒業! 今日からわかる神経所見のとり方>より抜粋。 歩行障害・姿勢保持障害の診察について解説します。 Point 歩行障害の原因は多岐にわたりますが,しばし... [ 記事を読む ]

  • 髄膜炎・脳炎 [05/05up]

    脳神経外科看護の専門誌『BRAIN』2013年第2号< 脳神経外科でよくみる感染症の予防と管理>より抜粋。 髄膜炎・脳炎について解説します。 Point 髄膜炎・脳炎は,細菌やウイルスなどの各種病原体が中枢神... [ 記事を読む ]

  • 神経のしくみと機能|動作のしくみから理解する(7) [12/12up]

    ナースのための解剖生理の解説書『身体のしくみとはたらき―楽しく学ぶ解剖生理』より 今回は、動作のしくみから解剖生理を理解するお話の7回目です。 〈前回の内容〉 脳と脊髄は身体の司令塔|動作のしくみから理解する(6) ... [ 記事を読む ]

  • 「てんかん」の地域連携で、看護師の仕事はどう変わる? [02/12up]

    「てんかん」と聞いて、ぱっと症状・治療法が浮かぶ看護師はどれほどいるでしょうか? 日本はてんかん医療後進国です。   国内にはおよそ120人に1人の割合でてんかん患者がいると言われているにもかかわらず、医学部・看護... [ 記事を読む ]

  • 細胞どうしを結ぶ神経ネットワーク|調節する(1) [08/26up]

    解剖生理が苦手なナースのための解説書『解剖生理をおもしろく学ぶ』より 今回は、神経伝達物質・ホルモンについてのお話の1回目です。 〈前回の内容〉 アシドーシスとアルカローシス|捨てる(3) 解剖生理学の面白さを知... [ 記事を読む ]

いちおし記事

EPA看護師の本音は…

「この制度は失敗」と安易に言われたくないという著者が語ります。 [ 記事を読む ]

スワンガンツカテーテル

先端にバルーンが付いていることが安全の仕組み。 [ 記事を読む ]

人気トピック

もっと見る

看護師みんなのアンケート

転職してよかった?

投票数:
631
実施期間:
2017年09月05日 2017年09月26日

白衣はパンツ派?スカート派?

投票数:
684
実施期間:
2017年09月08日 2017年09月29日

自宅での看取りを経験したことはありますか?

投票数:
593
実施期間:
2017年09月12日 2017年10月03日

急変対応したことある?

投票数:
558
実施期間:
2017年09月15日 2017年10月06日

プリセプター、何がツラい?

投票数:
887
実施期間:
2017年09月19日 2017年10月10日

プリセプティー、何がつらい?

投票数:
665
実施期間:
2017年09月22日 2017年10月13日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者3092

急性期〜安定期にある患者さんに対して呼吸リハビリテーション(運動療法)を開始するにあたり、評価項目として必須でないものは次のうちどれでしょうか?

  • 1.動脈血ガス分析
  • 2.経皮的酸素飽和度(SpO2
  • 3.握力
  • 4.呼吸困難感
今日のクイズに挑戦!