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  4. 感覚障害の診察|“なんとなく”はもう卒業! 今日からわかる神経所見のとり方

2015年12月08日

感覚障害の診察

『BRAIN』2012年6月号<今日からわかる神経所見のとり方>より抜粋。
感覚障害の診察について解説します。

 

Point

  • 感覚障害を診察する場合,①左右差,②上肢と下肢の差,③近位部と遠位部の差に注意し,要領よく感覚異常部位の分布を評価します。
  • 中枢神経系の疾患では,細かな末梢神経の支配領域を想定した診察に時間をかけるよりも,温痛覚や複合感覚などの,ついないがしろにしやすい種類の感覚障害まで診察を広げて行うことのほうが重要です。
  • しびれ・自発痛などの自覚症状の分布も診察時に確認し,他覚的な所見と合わせて判断します。

伊藤義彰
(大阪市立大学大学院医学研究科 神経内科 教授)

 

〈目次〉

 

はじめに

神経学的検査として評価すべき感覚は3種類に大別できます。まず皮膚での刺激を感受する「表在感覚」,それから関節・骨膜・筋肉に受容器が存在する「深部感覚」,さらにそうした個々の感覚を寄せ集めてさらに複雑な判断をする「複合感覚」です。

中枢神経系の疾患による感覚障害の分布は,顔面を含めた半身に生じやすいものの,大脳皮質の感覚野の病巣では一側の手,または上肢,あるいは下肢に限局した障害をきたすことがあります。

この大脳皮質の障害では,表在感覚と深部感覚は保たれているのに複合感覚だけが低下することがあるので,複合感覚の検査は重要です。これに対し,末梢神経が障害された場合には,皮膚分節や末梢神経の支配領域に沿った障害をきたします。

この他にも視床や延髄外側の病変では特徴的な感覚障害の分布をとり,傷害された感覚の種類にも特徴があります。

このように感覚障害の検査は,病巣部位の推測,病変の進行,新たな病変の出現を評価するうえで大変重要です。

 

表在感覚の診察

触覚

触覚検査の道具(図1

触覚の検査には,脱脂綿やティッシュペーパーなどディスポーザブルなものを用い,先端を細く整えて用います。以前は毛先をほぐした柔らかな毛筆などを用いましたが,感染予防の点から推奨されません。

図1触覚検査の道具

触覚検査の道具

 

触覚の検査法(図2

基本的な手順

まず患者さんには,検査用具をみせて四肢・躯幹の触覚を検査することを告げます(図2-① )。躯幹の診察も行うため,患者さんは仰臥位にします。圧覚を刺激しないようにできるだけ軽く触れます(図2-② )。

このとき一点でわかりにくいときは,少しなでるようにしてみます。なでるときは皮膚分節に沿って,四肢では長軸と平行に,胸部では肋骨に平行にし,常に同じ長さをこするようにします。 検査は,上肢,躯幹,下肢と順序よく進めていきます(図2-③ )。

大まかな感覚異常の分布を知るためには,2か所を比較しながら鈍いところを明らかにする方法と,閉眼させ触れたらすぐに“はい”と答えさせる方法があります。

2か所の比較では,左右差,上肢と下肢の差,近位部と遠位部の差に注意し,大体の感覚異常部位の分布を検出します。

図2四肢・躯幹の触覚の検査

四肢・躯幹の触覚の検査

 

検査時の注意点

患者さんを閉眼させ,加えた刺激を見させないようにして検査すると,より客観性が得られます。刺激したり,刺激するふりをしたりして,患者さんが的確に答えているかを検査し,本当に感覚が保たれているかを確認します。

これにより感覚障害に対する患者さんの“思いこみ”や“意図的な主張”を,ある程度取り除くことができます。

 

感覚異常の分布がわかったら

大まかな感覚異常の分布がわかったら,さらに末梢神経の分布(図3)や脊髄分節に基づく皮膚分節(dermatome,図4)に一致していないかを確認します。

図3末梢神経の皮膚支配領域

末梢神経の皮膚支配領域

 

図4皮膚分節

皮膚分節

 

それには障害部位を,皮膚分節や末梢神経支配の記入されたヒトの絵に記入する方法が推奨されます。また境界について,正常と異常の境界が線を引いたようにはっきりしているか,徐々に感覚が変わるかを調べます(図5)。

図5「正常」と「異常」の境界を調べる

「正常」と「異常」の境界を調べる

 

「異常」の表現法

触覚の鈍麻は「触覚鈍麻」,触覚の消失は「触覚消失」です。触覚の過敏は「触覚過敏」といいます。外界からの刺激によらずに自発的に生じる異常な自覚的感覚を「異常感覚」,外界から与えられた感覚刺激によりそれとは異なった感覚を感じるものを「錯感覚」といいます。

 

痛覚

痛覚検査の道具(図6

つまようじは安全で使い捨てもできるため,痛覚の刺激に推奨されます。安全ピンや針は鋭利なため,軽くつついても傷を作ったり,再使用により感染を広げたりするおそれがあるため,用いるべきではありません。

障害の分布を調べたり境界を検査したりするにはルレットやピン車が便利ですが,上記の理由から推奨できません。

図6痛覚検査の道具

痛覚検査の道具

 

痛覚の検査法

基本的な手順(図7

図7四肢・躯幹の痛覚の検査

四肢・躯幹の痛覚の検査

 

患者さんに検査用具を見せて四肢・躯幹の痛覚を検査することを告げます(図7-①)。躯幹の診察も行うため,患者さんは仰臥位のほうが好ましいです。

「チクチクする」程度の強さ,あるいは「とがっているものでつつかれている」ことがわかる強さで,皮膚を軽くつつきます。痛覚の検査ではありますが,患者さんが痛がるような強さは過剰で,不適切です(図7-②)。

検査は,頭から足まで最初は大まかに行い,左右,上下を比較します(図7-③)。意識障害のある患者さんや,応答のできない患者さんでは少し強い刺激を加えると,手足を動かしたり顔をしかめたりするので,ある程度の痛覚評価の目安にはなります(図8)。

図8意識障害の患者さんにおける痛覚刺激の与え方

意識障害の患者さんにおける痛覚刺激の与え方

 

しかし極度な痛み刺激は,表在感覚だけでなく深部痛覚をも引き起こし,その病巣診断における意義が異なってくる可能性があるので注意が必要です。

 

感覚異常の分布がわかったら

大まかな感覚異常の分布がわかったら,さらに末梢神経の分布に従っているか,脊髄分節に基づく皮膚分節に一致するかを念頭に置いて細かく調べます。

また境界線に注意します。正常と異常の境界が線を引いたようにはっきりしているか,徐々に感覚が変わるかを調べます(図9)。

図9健常部と障害部の境界の評価方法

健常部と障害部の境界の評価方法

 

障害の種類

障害部位は,皮膚分節あるいは末梢神経支配の記入されたヒトの絵に記入するとわかりやすいでしょう。

障害の種類により,「痛覚鈍麻」,「痛覚消失」,「痛覚過敏」などと呼びます。「ヒペルパチー」というのは,刺激を与えると異常に強い不快な痛みを感じるもので,その痛みは放散しやすいです。

そのため,痛みの起こっている場所を患者さん自身が正しく指摘することも難しいほどです。「痛覚過敏」では,刺激閾値が低下し,少しの刺激でも強い痛みを感じます。

「ヒペルパチー」では刺激閾値は上昇し,痛覚は鈍麻しているものの,その閾値を超えると極度の痛みを生じます。ヒペルパチーを起こす代表的な病巣は視床です。

一般に「痛覚鈍麻」では,障害部から正常な部分に向かって検査し,痛覚過敏では正常部より障害部に向かって検査していくと,境界で刺激が強くなるため境界を決めやすいといわれます(図9)。

 

温度覚

温度覚検査の道具(図10

検査には,ガラスの試験管またはフラスコに温湯と冷水を入れたものを用います。この際,試験管の表面が濡れていないことを確かめます。

試験管は大きめのものを用い,温度が変化しにくいようにします。温湯は40~50℃くらい,冷水は10℃くらいが適切です。それ以上の高温や,それ以下の低温では,痛覚を生じてしまいます。

この他に温度覚刺激用の機器が市販されており,棒状の器具の先端を上記の高温および低温に簡単に設定できます。

簡易的には,比較的温度の低い室温に放置された金属製の音叉を皮膚に当てて,冷たいかどうかを確認することで代用することも可能ですが,温度が設定できず,正確性に欠けます。

図10温度覚検査の道具

温度覚検査の道具

微温湯(40~50℃)および冷水(10℃)を入れたガラス試験管。容器の温度が一定となったところで用います。

 

温度覚の検査法(図11

検査用具を見せて,「これから温度の感覚を調べるため,温かい容器と冷たい容器で触れます」と伝えます。

試験管を皮膚に密着させ,温度が伝わるまで3秒ほど待ってから判定します。温度覚は皮膚の部位による差が大きいため,必ず対称部を同一の状態で検査し,比較します。

図11温度覚の検査

温度覚の検査

 

障害の種類

障害の種類により,「温度覚鈍麻」,「温度覚消失」,「温度覚過敏」といいます。極端な温度覚過敏は対側の視床の障害が示唆されます。

高齢者や末梢循環不全の患者さんでは,明らかな神経障害がなくてもしばしば温度覚が鈍麻しています。

 

深部感覚の診察

振動覚

振動覚検査の道具

検査では,振動数の少ない音叉(一般にはC128,図12)を振動させ,体幹や四肢の皮下組織が浅いところに存在する骨の突起に音叉を当てます。

振動数が大きい音叉や小さい音叉では,すぐに振動が減衰してしまい評価が困難になるため,適当ではありません。

図12振動覚を検査するための音叉

振動覚を検査するための音叉

 

検査部位

検査部位は,胸骨,鎖骨,肘頭,尺骨の茎状突起,手指末端,上前腸骨棘,脊椎棘突起,膝蓋骨,脛骨中央,外果などが適切です(図13)。

図13振動覚の主な検査部位

振動覚の主な検査部位

 

振動覚の検査法(図14

一側の部位に音叉を当て,振動が止まったら“はい”と言わせます。その後すぐに対側の同部位に移し,まだ振動しているかを訊き,左右差を比較します。

振動が感じられなくなるまでの時間を秒数で表示することもあります。また,検者の関節に当てて振動の閾値を調べたり,その際に振動がなくなるまでの時間を測定して客観的な指標としたりすることもあります。

患者さんの返答があてにならないときは,閉眼させておいて検査中に音叉に手を当てて振動を止め,患者さんがなおも振動を感じるか否かを試すことも必要です。

図14振動覚の検査

振動覚の検査

 

検査時の注意点

振動覚は60歳以上の老人の下肢では,とくに器質的障害がなくても左右同様に減弱していることがあるので注意が必要です。

また太っている人は,痩せている人より鈍化していることが多くあります。皮下脂肪により振動が伝わりにくいことがその一因と考えられます。

 

位置覚

位置覚の検査法

検査法1および検査法2

位置覚をみるには,閉眼させ,四肢関節のいずれか1つを他動的に一定の位置に屈曲させ,対側の四肢でその位置を真似させる(検査法1;図15)か,動かしたものと別の示指で,母指あるいは母趾を指させます(検査法2;図16)。

図15位置覚の検査法1

位置覚の検査法1

 

図16位置覚の検査法2

位置覚の検査法2

 

検査法3:母指さがし試験

この他,位置覚を検査する方法に,「母指さがし試験(図17)」があります。

図17位置覚の検査法3

位置覚の検査法3

 

これは片方の手について母指を立て,他の4つの指を握った状態にさせ,閉眼させたうえで患者さんの手を他動的に動かし,もう一方の手でこの母指を握るように命令するものです。

 

検査法4

閉眼状態で両腕を広げておき,両側の示指を近づけていき,付け合わせる試験法(図18)もあります。

図18位置覚の検査法4

位置覚の検査法4

 

検査法5:ピアノ弾き運動

両手を開いて両上肢を水平に保持させ閉眼させると,位置覚の障害により上肢が不安定となって上下に動揺したり,それぞれ手指があたかもピアノを弾くように上下に動揺したりします(ピアノ弾き運動,図19)。アテトーゼに似た運動であることから「偽性アテトーゼ」ともいいます。

図19位置覚の検査法5

位置覚の検査法5

 

検査法6:ロンベルグ試験

立位でつま先をそろえ,気をつけの姿勢をとらせて閉眼させる試験を「ロンベルグ試験」といいます(図20)。閉眼後にバランスを崩すものをロンベルグ徴候“陽性”といい,位置覚障害に特徴的です。

図20位置覚の検査法6:ロンベルグ試験

位置覚の検査法6:ロンベルグ試験

 

検査法7

位置覚が障害されると,歩行時に,こわごわと足下をみつめながら,下肢を大きく踏み出し,足を床に打ちつけるように歩きます。

これはかつて脊髄癆のときにしばしば認められたため,一般的に「脊髄癆性歩行」と呼ばれますが,他の疾患によるときには脊髄癆と区別するために「偽性脊髄癆性歩行」と呼ばれることもあります。これらも感覚障害をみる重要な検査です(図21)。

図21位置覚の検査法7

位置覚の検査法7

こわごわと足下を見つめながら,下肢を大きく踏み出し,足を床に打ち付けるように歩きます。

 

検査法8

一定の肢位からの関節の移動を感じる感覚は「運動覚」といわれますが,臨床的には位置覚の1つとされます。検査は,手指あるいは足趾を他動的に屈曲あるいは伸展させ,これを閉眼で判断させます。

検者は検査する手指・足趾を側面からつまむようにします。このとき前後からつまむと,加えた圧によって圧覚が刺激されて方向がわかってしまうので,注意します(図22)。

図22運動覚の検査

運動覚の検査

 

複合感覚の診察

二点識別覚

これは,皮膚に同時に与えられた2つの刺激を2点として識別できるかどうかをみる検査です(図23)。検査では,先のあまりとがっていないコンパスやノギスを用いて2点を刺激します。

図23二点識別覚の検査

二点識別覚の検査

 

まず適当な部位で,充分識別できる程度の2点同時刺激を行って,患者さんに検査の内容を知らせます。すなわち,まず開眼させて,2点で触ったと感じたら“2”,1点で触ったと感じたら“1”と答えるように教えます。

次に閉眼させてテストしますが,2点刺激は体の長軸に沿って行うほうがよいとされます。2点は同時に触れるように注意します。時間的に少しでもずれがあると,2点の識別ははるかに容易になるので,軽い障害を見落とすことがあります。

2点刺激ばかりを繰り返さず,1点刺激を随時交えて検査します。答えが正確な場合は,2点間の距離を次第に縮めていきます。2点識別能は身体の各部で大きな相違があり,指尖(3~6 mm),手掌・足底(15~20 mm),手背・足背(30 mm),脛骨面(40 mm)が一応の目安です。個人差もあり,軽度な延長の場合は左右差の有無が判定の参考になります。

この検査は時間がかかり,医師にも患者さんにも負担となり疲労しやすいので,一般的な感覚検査とは同時に行わず,別の機会に改めて施行するなど,工夫するとよいでしょう。

 

皮膚書字覚

皮膚に0~9までの数字を書き,これを当てさせます(図24)。

図24皮膚書字覚の検査

皮膚書字覚の検査

 

指先など先端の鈍なものを用いて数字を書きます。手掌,下腿前面,足背などで検査します。患者さんと対面しながら数字を書くと,患者さんにとって文字が逆になってしまいわかりにくいため,患者さんと同じ向きになって数字を書くようにします。

最初は開眼してテストし,要領がわかったら閉眼させます。0,1,7など簡単な形のものを試し,それができたら3,5,9などの,より判定の難しいものを試みるとよいでしょう。

表在感覚が保たれているのに一側の皮膚書字試験の成果が悪いときは,対側頭頂葉の障害を考えます。また,識別覚は後索を介しています。後索障害により障害部より上の皮膚に書かれた数字は容易に判定できますが,それより下に書かれた数字の判定ができないので,障害のレベルがわかります。

 

立体認知

閉眼状態で,日常よく使うもの,たとえばペン,硬貨,鍵などを患者さんの手に握らせて,それを当てさせます。あまり大きいものは,片手だけで探れずに全体が把握しづらいことがあり,適当ではありません。

また音がするもの,たとえば鍵の束,マッチ箱などは,音で物体の見当がついてしまうため,適当ではありません(図25)。

図25立体認知の検査

立体認知の検査

 

表在感覚,深部感覚などの要素的感覚が保たれているのに物体を触覚で認知できない状態を「立体感覚消失」といい,識別するが困難で,答えるまでに時間がかかるものを「立体認知困難症」といいます。頭頂葉あるいは後索障害で生じます。

 

定位感覚

定位感覚は,閉眼で触覚の検査時にどこが刺激されたかを言わせたり,開眼後に指ささせたりして判断します(図26)。正常ならば2.5 cm以内の誤差で部位を同定できます。

図26定位感覚の検査

定位感覚の検査

目を閉じさせたうえで,「今から体の一部に触ります。」と伝えます。触った後で,「どこに触りましたか?」と尋ね,刺激された場所を言葉で言ってもらうか指さしてもらいます。

刺激の局所が識別できないことを「部位失認」,「部位感覚消失」といいます。頭頂葉障害あるいは後索障害で生じます。

 

二点同時刺激識別感覚

左右の対称となる2点を同時に同じ程度に刺激する(2点同時刺激:DSS)と,正常ではこれを正確に2つの刺激として感じることができます。しかし傷害されると,病巣と対側の刺激を無視するようになります。

刺激方法としては,検者が両手の指で軽く触れます(図27)。

図27二点同時刺激識別感覚の検査

二点同時刺激識別感覚の検査

 

明らかに表在感覚の障害がないのに,両側の同じ部位を同時に刺激すると,一側のみしかわからず,対側からの感覚はまったくわからないことがあります。

これを「消去現象」といい,感覚が無視されてしまったほうが障害側であり,その対側の頭頂葉の障害を示唆します。

 

NIHSS評価項目:感覚,消去現象

  • 感覚の異常の程度により,0:正常,1:軽度な感覚低下,2:高度な感覚消失
  • 感覚の消去現象,注意障害により,0:正常,1:軽度な半側の注意障害,2:高度な半側の消去現象,と評価します。

 

おわりに

本コラムでは,感覚障害の評価の仕方を記載しました。これにより,中枢神経疾患の場合,大まかな病巣の部位,進展などは把握できます。

そのうえで,さらに詳細な病巣診断を行うには,感覚神経についての解剖学的知識が不可欠です。つまり,それぞれの感覚を伝える神経伝導路が,末梢神経から脊髄,脳幹,視床,大脳皮質に至るまでの経路を理解し,覚える必要があります。

とくに,細かな解剖学的な名前を覚えることよりも,臨床的に重要な大まかな走行を理解することが重要です。そのうえで,中枢神経系のどこが障害されると,どのような感覚障害を生じるかを理解していくと,臨床的な解剖学として有用なものになります。

せっかくとった詳細な神経学的所見を無駄にしないためにも,異常所見を病巣に結びつけるトレーニングが必要なのです。

 

 


[Profile]
伊藤義彰(いとう よしあき)
大阪市立大学大学院医学研究科 神経内科 教授
1990年 慶應義塾大学医学部卒業,1994年 慶應義塾大学大学院医学研究科 博士課程(内科学専攻)修了。同年 慶應義塾大学医学部 神経内科 助手に就任,1998年 米国National Institutes of Health留学,2001年 慶應義塾大学医学部 神経内科 助手に復職,2005年 永寿総合病院に神経内科部長として出向,2007年 慶應義塾大学医学部 神経内科,脳血管障害予防医学講座の特別研究講師に就任。2008年 同 専任講師となり,現在に至る。

 


本記事は株式会社医学出版の提供により掲載しています。/著作権所有 (C) 2012 医学出版
[出典]BRAIN 2012年6月号

BRAIN 2012年6月号

P.564~「感覚障害の診察」

著作権について

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