2015年11月23日

膀胱内圧測定|腎・泌尿器系の検査

看護師のための検査本『看護に生かす検査マニュアル』より。
今回は、膀胱内圧測定について解説します。

 

〈目次〉

 

膀胱内圧測定とはどんな検査か

膀胱は、伸縮性に富んだ3層の筋でできている袋状の器官で、約500mLの尿をためられる。尿意は普通200mLたまったころに起こる。

膀胱内圧測定は、膀胱内に滅菌水、または空気、ガスを用いて圧をかけ、膀胱の知覚、収縮力、容量を知るために行われる。

 

膀胱内圧測定の目的

膀胱内液量と、膀胱内圧との関係を調べ、神経因性膀胱の診断と、治療の効果の判定を行う。

神経因性膀胱とは、排尿筋を支配している下腹神経(交感神経)と、外尿道括約筋を支配している陰部神経(体性神経)が正常に機能されずに起こる排尿障害である。

 

膀胱内圧測定の実際

  1. 体位は仰臥位とし、腰の下に防水シーツを敷く。
  2. 男性の場合は男性医師が、女性の場合は看護師が導尿し、膀胱を空にする。
  3. 接続チューブをカテーテルにつなぎ、器械から炭酸ガスを膀胱内に注入する(滅菌水の場合は、15mL/秒くらいの速度で注入する)。
  4. 尿意が我慢できなくなったら、腹圧をかけ怒責させる。
  5. 終了後外陰部を消毒し、出血がある時は滅菌ガーゼを貼用し、固定する。外陰部からの出血が止まれば、ガーゼをはずしてよいことを説明する。
  6. 外陰部を清拭し、身支度を整える。

 

膀胱内圧測定前後の看護の手順

患者への説明

  • 膀胱の機能を調べる検査で、膀胱内にカテーテルを挿入すること。チューブから、空気または滅菌水を注入し、尿意を感じたところで、知らせてほしいこと。なるべく我慢してから、怒責することを説明する。
  • ただし、尿意を感じないからといって、尿意を感じるまで注入することはなく、解剖生理学的な範囲内での注入であることを伝える。
  • また検査中は、腹圧をかけると正確な測定値が得られないため、咳をしたり、体を動かさないよう協力を求める。

 

準備するもの

カテーテル(ネラトンカテーテルまたはチーマンカテーテル、留置の必要がある場合バルーンカテーテル)、イリゲーター、T字管、膀胱内圧自動記録装置、導尿セット、防水シーツ、消毒綿、(必要時滅菌水)

 

検査後の管理

特になし。

 

膀胱内圧測定において注意すべきこと

1)測定前

  • 下半身を露出するため、プライバシーへの配慮と、保温に注意する。

 

2)測定時

  • 不安になって、早期に激しく尿意を訴えることもあるため、なるべく我慢するように声をかける。

 

3)その他

  • 最高意識圧の正常値:40〜100cmH2Oあるいはそれ以上

 

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典]『看護に生かす検査マニュアル』(編著)高木康/2015年3月刊行

看護に生かす検査マニュアル

引用・参考文献 / 著作権について

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