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2015年11月12日

大腸と肛門のはたらき|食物の流れから理解する(7)

ナースのための解剖生理の解説書『身体のしくみとはたらき―楽しく学ぶ解剖生理』より
今回は、食物の流れから解剖生理を理解するお話の7回目です。

〈前回の内容〉

栄養素の代謝|食物の流れから理解する(6)

前回は、栄養素の代謝について学びました。

今回は、大腸と肛門のはたらきについて解説します。

 

〈目次〉

 

大腸から肛門へ

さて、長かった食物の旅も終着駅を迎えました。人間が活動すれば必ずゴミが出るように、人体の代謝のしくみにも必ずゴミがつきものです。代謝の老廃物のうち、水に溶ける物質は血液となって腎臓へ運ばれ、最後は尿となって体外へ排泄されます。しかし、消化酵素で分解されない物質は大腸に運ばれ、肛門から便となって体外へ排泄されます(図1)。

図1消化管のはたらきの模式図

消化管のはたらきの模式図

 

大腸の構造

大腸は小腸に続く消化管の終末部で、腹腔の周りを取り囲むように走っています。大きく、盲腸、結腸、直腸に分けられ、全長は1.5m、太さは小腸の2~3倍もあります。大腸の役割は、小腸で吸収された残りのものから水分を吸収し、便をつくることです(図2)。

図2大腸と肛門の構造

大腸と肛門の構造

 

盲腸

右下腹部で回腸と連結しています。左後壁からはミミズのような虫垂が垂れ下がっています。

 

結腸

上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に区分されます。上行結腸と小腸の末端にあたる回腸はT字型につながっていて、回盲弁の働きで大腸の内容物が小腸に逆流するのを防いでいます。結腸には縦走筋でできた幅8mmほどの縦の筋が3本走っていて、これを結腸紐といいます。

 

直腸

消化管の最終部にあたります。長さは約20cm。第3仙椎上縁からS状結腸に続き、骨盤腔内を下って肛門に至ります。3つの横ひだがあり、これは一種の弁としてはたらきます。

 

COLUMN便秘と下痢はなぜ起こる?

大腸の役割は水分を吸収することですが、大腸の運動機能が低下するとこの水分の吸収が過剰になり、横行結腸で内容物が固まってしまいます。これが便秘です。

一方、運動が活発すぎると水分吸収が追いつかず、内容物が大量の水分を含んだまま排泄されてしまいます。下痢は、消化不良や病原性細菌によっても起こります。

 

大腸の消化吸収と排便

小腸から送られたドロドロの内容物は、大腸の前半部分で水分と電解質を吸収し、後半部分で糞便につくられます。便の予備軍はS状結腸に待機し、1日に数回起こる総蠕動で、直腸に移ります。すると、便意をもよおし、排便反射が起こって肛門筋のはたらきで体外に排泄されます(図3)。

図3排便のしくみ

排便のしくみ

 

〈次回〉

呼吸のしくみ|ガスの流れから理解する(1)


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典]『身体のしくみとはたらき―楽しく学ぶ解剖生理』(編著)増田敦子/2015年3月刊行

引用・参考文献 

著作権について

この連載

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