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2015年11月05日

食物の旅―小腸、大腸|食物の流れから理解する(4)

ナースのための解剖生理の解説書『身体のしくみとはたらき―楽しく学ぶ解剖生理』より
今回は、食物の流れから解剖生理を理解するお話の4回目です。

〈前回の内容〉

食物の旅―食道、胃|食物の流れから理解する(3)

前回は、食物が口腔から食道へと移動する際の消化管のはたらきについて学びました。

今回は、食物が小腸から大腸へと移動する際の消化管のはたらきについて解説します。

 

〈目次〉

 

小腸の構造

胃で粥状になった食物は、次に小腸に入ります。小腸は、食物の流れに沿って十二指腸、空腸、回腸の3つの部分に分けられます。直径2cm、全長3mのこの曲がりくねった細長い管は消化器系の主役です。多くの食物は、この管の中を4~8時間かけて旅をするうちに消化・吸収されていきます。

小腸の内側は粘膜と筋層でできていて、いちばん外側を腹膜が包んでいます。粘膜には、輪状になったヒダがあり一面に絨毛が生えています(図1)。

図1小腸の構造

小腸の構造

 

さらに、粘膜表面の細胞の1つひとつに、1個当たり平均600本の微絨毛があります。これによって小腸内の実質的な表面積は驚くほど広くなり、多くの栄養素を吸収することができます。

 

memo小腸の粘膜表面積

管腔内縁の表面積:3,300平方センチメートル

輪状襞により増加:1万平方センチメートル

絨毛により増加:10万平方センチメートル

微絨毛により増加:200万平方センチメートル

微絨毛まで計算すると、みた目の表面積の600倍にも達します。

 

また、腸を腹腔後壁に結びつけているのが腸間膜で、その中を血管、リンパ管、神経などが通っています。小腸で吸収された栄養分は、この中の血管を通じて肝臓へと運ばれていきます。

ヒトは手術などで胃を全部摘出しても、小腸が残っていれば栄養素を取り込むことができます。仮に小腸を摘出してしまったら、栄養素を取り込むことができず、やせ細って死んでしまうでしょう。

 

小腸のはたらき

小腸での消化を助けるのは、肝臓でつくられて胆嚢に蓄えられた胆汁と、膵臓でつくられた膵液です。この両者が流れ込むのが十二指腸です。小腸の入り口になる十二指腸は、ちょうどローマ字の「C」のような形をしていて長さは30cmほどです。

胆汁が流れる総胆管と膵液が流れる膵管は合流し、ファーター乳頭で十二指腸に開口しています(図2)。

図2十二指腸と周辺器官

十二指腸と周辺器官

 

ここから出る胆汁は、脂肪を消化・吸収しやすい形にしたり、脂溶性のビタミンの吸収を助けたりします。また、図3で示すように膵臓はさまざまな消化酵素を出し、糖質や蛋白質、脂肪を分解します。

図3栄養素の消化過程

栄養素の消化過程

 

空腸と回腸は粘膜上皮に消化酵素があり、消化の「仕上げ作業」が行われます。小腸の末端に到着するころには、蛋白質はアミノ酸、炭水化物は単糖類(グルコース、ガラクトース、フルクトース)、脂肪はモノグリセリド、脂肪酸、コレステロールといった小さい分子に分解されています。このうち、アミノ酸とブドウ糖血液、脂肪は主にリンパ管に入って全身に運ばれます。

 

memo小腸の絨毛内部

絨毛内部には、毛細リンパ管と毛細血管が走り、消化された栄養素を吸収しています。

 

胆汁を蓄える胆嚢のはたらき

胆汁というと、胆嚢でつくられると思いがちですが、実は、胆汁そのものは肝臓でつくられ、胆嚢はそれを蓄えているにすぎません(図4)。

図4胆汁と膵液の分泌調節

胆汁と膵液の分泌調節

 

肝臓で胆汁がつくられるとまず、胆管を通ってその下にあるナスのような形をした胆嚢に運ばれます。胆嚢の長さは約7~9cm、幅は2~3cmで30~50mLほどの容量があります。肝臓でつくられた胆汁の約半分をここで蓄えることができます。

胆嚢では胆汁から水分や塩分を吸収して5~10倍に濃縮したあと、粘液を加えます。食物がやってきたのを察知すると、十二指腸や空腸からホルモン(コレシストキニン)が分泌され、これが胆嚢を収縮させて胆汁をしぼり出し、十二指腸へと送り出します。

胆汁の97%は水で、ほかには胆汁酸、胆汁色素(ビリルビン)、コレステロールなどが含まれます。

 

memo間接ビリルビンと直接ビリルビン

赤血球が壊されてつくられたばかりのビリルビンは遊離ビリルビンといい、水に溶けないで、アルブミンと結合して肝臓に運ばれてきます。肝臓でグルクロン酸が結合され(グルクロン酸抱合)、水に溶けるようになります。グルクロン酸の抱合により水に溶けるようになったビリルビンを抱合型ビリルビンといいますが、水溶性なので試薬と直接反応させて測定できるので直接型ビリルビンともいいます。一方、で遊離ビリルビンは水に溶けないので、試薬と反応させて測定する前に水溶性にするという作業を必要とするため、間接型ビリルビンともいいます。

 

胆汁酸は脂肪の分子をバラバラにして、その周りを取り囲み、よく混ざったドレッシング状(乳化)にすることによって消化を助けます(図5)。また、ビリルビンやコレステロールは、水に溶けない脂溶性のビタミンを溶かし、吸収を助けるはたらきがあります。

図5胆汁の乳化作用

胆汁の乳化作用

 

memo乳化とは

水と油のように、互いに溶け合わない液体を、界面活性剤を加えて激しく振ると、まとまるようになります。これが乳化です。界面活性剤は、水になじむ親水基と、油になじむ疎水基からできています。水に溶けているときは、親水基を外に向けた集合体(ミセル)をつくります。中心部は疎水性なので、油性の物質を内部に取り込むことができるのです。

 

こうしてはたらいた胆汁の大部分は小腸から吸収され、ほかの栄養分と一緒に肝臓に戻り、再利用されます。これを腸肝循環といいます。

 

COLUMN胆嚢の隠れたはたらき

脂肪の消化・吸収には胆汁による助けが大切で、胆汁は肝臓でつくられ、胆嚢は胆汁を蓄積・濃縮しているだけです。胆汁の成分の中で最も多く、脂肪の消化・吸収に関与するのは胆汁酸です。次に多い成分は胆汁色素で主体はビリルビンです。

血液の仕組みとはたらき|血液の流れから理解する(5)』で解説したように、古くなった赤血球は主として脾臓や肝臓で壊されます。中身のヘモグロビンはヘムとグロビン蛋白に分解され、グロビン蛋白はアミノ酸に分解され、蛋白合成に再利用されます。ヘムは鉄がはずされビリルビンに変換され、鉄は骨髄に運ばれ、ヘモグロビンの合成に再利用されます。寿命が来て古くなった赤血球は絶え間なく壊されるので、ビリルビンが絶え間なくつくられ、胆汁も絶え間なくつくられます。しかし、これはもう再利用できないゴミなので処理しなければなりません。そこで、胆汁の成分として排泄しようとしたわけです。つまり、胆汁は赤血球の死骸の排泄経路になっています。肝臓はビリルビン以外にも毒物を処理して胆汁成分として排出しています。

肝臓で胆汁が絶え間なくつくられるということは、脂肪の消化にはあまり意味がありません。胆汁は常に必要なものではなく、脂肪の消化の際にリパーゼの助っ人をするわけですから、十二指腸に脂肪がきていないときにもだらだら胆汁が出ていても無駄になるだけです。むしろ脂肪が十二指腸にきたときにだけ集中して放出されたほうが効率がいいことがわかります。肝臓にその機能があればよかったのですが、肝臓はほかにも重要な役割を担っていて、これ以上は無理だと神様が思ったのかもしれません。

肝臓から排出されるはずのゴミを含んだ胆汁が十二指腸に脂肪がきたときだけしか排出されないとしたらどうでしょうか。もし、脂肪がこなかったら、ゴミを出すことができなくなります。脂肪がきたときに合わせてゴミ捨てというのは危険ではないでしょうか。そこで、神様は胆汁を必要なときまでためておくという機能を胆嚢に任せたのだと思います。というか、せっかくつくった胆汁酸を無駄にせず、かつゴミを確実に捨てる方法として進化したのでしょうね。

肝臓で1日700〜1,000mLもつくられる胆汁は、このままでは胆嚢に入りきれなくなります。そこで、濃縮して貯蔵しているのです。肝臓でできたてほやほやの胆汁を肝胆汁、胆嚢で貯蔵されている胆汁を胆胆汁といい、色や組成が違います。要するに、胆嚢のおかげで肝臓は絶え間なく胆汁をつくり続けることができ、しかもそれを必要なときだけ放出することが可能になっているのです。

 

memo新生児黄疸の光線療法

胎児は胎盤を介してガス交換しており肺でのガス交換より効率がよくないので、より多くの酸素を取り入れるために赤血球数は多くなっています。胎児期のなごりで新生児の赤血球数も多く赤くみえるのが、新生児を赤ちゃんといわれるゆえんのようです。出生後には肺呼吸を始めると酸素を十分に取り込むことができるの、余分な赤血球は壊されます。また、出生後はビリルビンを処理する肝臓の機能が未熟なため、一時的に血中ビリルビン濃度が高くなり皮膚が黄染する黄疸を発症します。治療法の一つである光線療法は、医師と看護師が窓際に寝かせた新生児が日光に当たると、黄疸が改善することに気づいたのがきっかけです。

 

膵臓の内分泌と外分泌

膵臓(図6)でつくられる膵液は、一日当たり500~1,000mLといわれます。

図6膵臓と胆嚢

膵臓と胆嚢

 

この中には、図6に示してある糖質、蛋白質、脂質の三大栄養素だけでなく核酸をも分解してしまういくつかの強力な消化酵素が含まれています。これらの消化酵素は十二指腸、つまり身体の外側に向かって分泌されます。胃液の塩酸を中和する重炭酸イオンも含まれています。これを外分泌といいます。

一方、膵臓にはホルモンを血液中に分泌(内分泌)するはたらきもあります。内分泌にかかわる部分は、外分泌部分の中に島のように分散していることから、発見者の名をとって、ランゲルハンス島とよばれます(図7)。

図7ランゲルハンス島

ランゲルハンス島

 

外分泌(消化酵素の種類)

(1)糖質分解酵素:アミラーゼ

(2)蛋白質分解酵素:トリプシン、キモトリプシン、エンテロキナーゼ、カルボキシペプチターゼ

(3)脂肪分解酵素:リパーゼ

(4)核酸分解酵素:ヌクレアーゼ

十二指腸への膵液の分泌は、自律神経と消化管ホルモンによって刺激されます(図4参照)。自律神経の副交感神経迷走神経)の刺激により膵液の分泌が刺激されるとともに、胆嚢の収縮とオッディ括約筋の弛緩により胆汁の分泌が刺激されます。

小腸に入った内容物は小腸上皮細胞を刺激して、コレシストキニンとセクレチンを分泌させます。これらは膵液と胆汁の分泌を促します。

 

内分泌(ホルモンの種類)

(1)インスリン:ランゲルハンス島のB細胞から分泌される。ブドウ糖の細胞への取り込みを促し、血糖値を下げる。余分なブドウ糖を脂肪組織では脂肪に、肝臓ではグリコーゲンに変えて蓄える。

(2)グルカゴン:ランゲルハンス島のA細胞から分泌される。肝臓に蓄えたグリコーゲンを分解してブドウ糖に戻し、血糖値を上げる。

 

memo膵炎の原因

膵臓は三大栄養素すべてを消化する酵素だけでなく核酸の分解酵素まで産生し・貯蔵し、必要に応じて十二指腸に分泌しています。これらの消化酵素は十二指腸に分泌されてから活性化されるのですが、膵管内圧の上昇や分泌の過剰刺激などにより、貯蔵されている消化酵素が膵臓内で活性化され膵臓自体の自己消化が生じた状態が膵炎で、そのため腹痛を引き起こします。これが膵炎です。原因としての胆石は膵液の流れを阻止するのでわかりますが、原因で最も多いのはアルコールです。そのしくみはアルコールが膵液の分泌を刺激し消化酵素を活性化するとか、膵液と胆汁の出口に浮腫が起こり、膵管が狭くなるなど、まだわかっていないようです。

 

消化管ホルモンのはたらき

消化器系のはたらきは神経系としては迷走神経、ホルモンとしては消化管ホルモンによってコントロールされています。消化管ホルモンは胃、十二指腸および小腸上部の消化管の内面にある粘膜に散在する内分泌細胞で産生されています。覚えたい消化管ホルモンは、ガストリン、セクレチン、コレシストキニンの3つです(図8)。

図8消化管ホルモン

消化管ホルモン

 

ガストリンは迷走神経の刺激や食物が胃に入ってくると、胃の幽門部にあるガストリン細胞(G細胞)から分泌されます。ガストリンにより胃液の分泌が促進されます。内容物が胃から出て十二指腸にやってくると、十二指腸・空腸からはコレシストキニンとセクレチンが分泌されます。ここまできても、脂肪は全く消化されていません。内容物に含まれる脂肪はコレシストキニンの分泌を促進します。コレシストキニンは膵液の成分のうち、消化酵素の分泌を促すとともに、胆嚢を収縮させ胆汁の分泌も促します。

一方、内容物の中の塩酸はセクレチンの分泌を刺激します。セクレチンは膵液の消化酵素が作用するために塩酸を中和する重炭酸イオンの分泌を促します。また、小腸に内容物がきているということは、もう胃液を出す必要がないということでもあり、これ以上胃液を出すと潰瘍を引き起こしかねないので、胃液の分泌を抑制します。

 

小腸での吸収

アルコールは胃でも吸収されますが、ほとんどの食物の吸収は小腸で行われます。小腸の上皮細胞の微絨毛の膜が最終的な消化吸収の場所です(図1)。

微絨毛は、細胞膜の小さな突起で、ブラシ(刷子)の毛に似ているので刷子縁ともよばれます。細胞膜には細胞膜には蛋白質と糖質を消化する酵素(刷子縁酵素)が存在します。

唾液と膵液に含まれているアミラーゼはデンプンを単糖のグルコースにまで分解せず二糖類のマルトースまでです。また、食事で調味料として摂取するショ糖や乳汁中の乳糖も二糖類です。これら二糖類は刷子縁にある二糖類分解酵素であるマルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼにより分解されながら細胞内に入っていきます。生成された単糖類は絨毛の毛細血管に入り、門脈を経て肝臓に運ばれます(図9)。

図9二糖類の分解と吸収

二糖類の分解と吸収

 

memo牛乳を飲むとお腹ゴロゴロ

乳糖(ラクトース)はガラクトースとグルコースが結合した二糖類で、母乳や牛乳などに含まれる栄養素です。口から摂取された乳糖は小腸粘膜に存在する乳糖分解酵素であるラクターゼによって分解されて小腸粘膜より吸収されます。乳糖不耐症では、この乳糖分解酵素が欠乏あるいは活性が低下することにより乳糖が分解されず、腸の中に残ることで、腸管内の浸透圧が上がり、浸透圧性下痢症を起こすものです。

 

胃液と膵液に含まれる蛋白質分解酵素は蛋白質をアミノ酸が2つないし3つ結合した状態まで分解します。二糖類と同じように刷子縁にある酵素でアミノ酸にまで分解されながら細胞内に入ります(図10)。

図10蛋白質の分解と吸収

蛋白質の分解と吸収

 

胆汁で乳化された中性脂肪は膵液に含まれるリパーゼの作用でグリセロールと脂肪酸に分解されます。小腸の上皮細胞に吸収されたグリセロールと短鎖の脂肪酸は毛細血管に入りますが、大部分の脂肪酸はグリセロールと結合し、中性脂肪となります。このまま血液の中に入ると大きな脂肪粒になって血管をつまらせてしまいます。そこで、胆汁酸が脂肪を乳化するように、蛋白質が脂肪の分子をバラバラにして周囲を包んで脂肪の小さい粒子を形成します。

これをリポ蛋白質といい、小腸でつくられる食物由来の中性脂肪を運搬するリポ蛋白質を、とくにカイロミクロン(キロミクロン)といいます。こうなると毛細血管の壁を通ることができないのでリンパ管(中心乳糜管)に入ります(図11)。リンパ管に入ったカイロミクロンは乳糜槽、胸管を経て左の鎖骨下静脈を介して血流に合流します。

図11脂質の分解と吸収

脂質の分解と吸収

 

大腸の消化吸収と排便

通常、糞便はS状結腸で待機しており、直腸は空です。食事をして胃の中に食物が入ると、反射的に大きな蠕動運動(総蠕動)が起こり、糞便は直腸に移動すると直腸内圧が上昇し、直腸壁が伸展します。これが刺激となって排便反射が起こります。刺激は求心性神経線維を経て脊髄の仙髄にある反射中枢に入ると、遠心性神経線維を経て直腸を収縮させるとともに、肛門括約筋を弛緩させ、糞便が排出されます。このとき弛緩するのは内肛門括約筋で、自分の意思で調節するこができない平滑筋です。直腸壁の伸展刺激は大脳皮質にも伝わり、便意として認識されます。そのため、いま排便すべきかどうかを決め、自分の意思で収縮と弛緩を調節する外肛門括約筋に指令を出します。

排便反射は食事をするたびに起こることがわかります。いちばん大きな蠕動運動が起こるのは朝食時で、たいていの人は朝食後に排便しています。なかには3度の食事のたびに排便する人もいます。もちろん、赤ちゃんもミルクを飲むたびに排便反射が起きています。でも、直腸の伸展刺激を便意として認識できないのと、自分の意思で外肛門括約筋を収縮させて排便阻止もできないので、いつ排便するか見当がつかず、おむつを当てています。母親が食後にタイミングを見計らってオマルに座らせ、そのあと排便を繰り返していくうちに、便意を伝えることができるようになります。

糞便が消化管の最後である直腸まで到達すれば、排出するというのが自然でしょう。でも、それをすれば社会人としての生活が成り立ちません。そこで、自分の意思で排便をコントロールしているのです。ですから、脊髄損傷のように、排便中枢から大脳皮質との間の経路が途絶えてしまうと、社会生活が営めなくなることはわかると思います。

 

COLUMN油断できない虫垂炎

盲腸にぶら下がっている虫垂は通常はねじれているので、細菌がたまりやすくなっています。また、虫垂は多くのリンパ小節を含んでいて、扁桃腺が腫れるのと同じように炎症を起こしやすい部位です。なんらかの原因により虫垂内部で細菌が増殖して感染を起こした状態が虫垂炎です。炎症が盲腸にまで及ぶと盲腸炎になります。

昔、なかなか診断がつかなったころ、開腹したときにはすでに虫垂での炎症が盲腸炎まで進行していたため、両者の区別がつかなかったのだと思われます。虫垂炎は炎症が進行し虫垂が穿孔すると膿汁が腹腔内に流出し、腹膜炎を起こすので油断できません。

 

〈次回〉

肝臓のはたらき|食物の流れから理解する(5)


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典]『身体のしくみとはたらき―楽しく学ぶ解剖生理』(編著)増田敦子/2015年3月刊行

引用・参考文献 

著作権について

この連載

  • 栄養素の代謝|食物の流れから理解する(6) [11/10up]

    ナースのための解剖生理の解説書『身体のしくみとはたらき―楽しく学ぶ解剖生理』より 今回は、食物の流れから解剖生理を理解するお話の6回目です。 〈前回の内容〉 肝臓のはたらき|食物の流れから理解する(5) 前回は、... [ 記事を読む ]

  • 肝臓のはたらき|食物の流れから理解する(5) [11/07up]

    ナースのための解剖生理の解説書『身体のしくみとはたらき―楽しく学ぶ解剖生理』より 今回は、食物の流れから解剖生理を理解するお話の5回目です。 〈前回の内容〉 食物の旅―小腸、大腸|食物の流れから理解する(4) 前... [ 記事を読む ]

  • 食物の旅―小腸、大腸|食物の流れから理解する(4) [11/05up]

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  • 食物の旅―食道、胃|食物の流れから理解する(3) [11/03up]

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  • 栄養素の特徴|食物の流れから理解する(2) [10/31up]

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